FX専業トレーダーが語る、早期リタイア『FIRE』と『その先の未来』
今年のGWもあと数時間で終わる。
長かった1週間も気づけば『束の間の休息』となり、また日常という現実に戻される。「休みが終わってしまう」という悲鳴が今もSNSでたくさん聞こえてきている。
以前に月曜日の憂鬱への対処法を書いたが、今回は日常を根本的に変える事のできるFIREのお話。
FIREとは、「経済的自由かつ早期リタイア」の事だ。 欧米の若者を中心にムーブメントが広がりつつあり、最近では日本のテレビで取り上げられたり、書籍なども発行されている。
トレーダーはFIREなのか?
専業トレーダーをしていると「FIREですね!羨ましい。」とたまに言われることがある。
これは何気なく出た本音の言葉なんだろうけど、実はすごく返答が難しい。
事実、会社を早期退職し、投資で生活している『FIRE』を達成している人は多い。『投資』と『FIRE』の関係性は密接だ。
そこを深堀りしていくと、投資も多種多様。
代表的なもので言えば、株式投資、FX、不動産、仮想通貨。
さらにそこにも人それぞれのスタイルがある。
長期投資で取引は数カ月に1度、普段はチャートも見ない人ならFIREといえるかもしれない。
ただ、自分なんかは超短期スキャルデイトレーダーなので一般論のFIREとはイメージがかけ離れているものの、生活のあり様を見ると『サイドFIRE』とはいえるかもしれない。
別に自分さえよければ、『明日から1カ月休み!』とかできる。
自由度はMAX。収入も実力次第。
その反面、残業しまくりブラック企業トレーダーな日もある。
なんせマイナスがありますから(笑)。
特に私の場合は絶賛闘病中という特殊な事情がある以上、身分を問われる事には本当に難しい立場だけど、ややこしくなるだけなので今日は病人の立場としての話はナシで。
FIRE最大のデメリットは?
メリットばかりに目がいきがちだが当然デメリットもある。
その中でも突出しているのが『退屈』という事に尽きると思う。
だから、FIREをした後の事を考えておかないと意外につまづくことになる。
今の時点でFIREをできるだけの資産を自ら築いた人ならバイタリティ溢れる人も多いはずだ。
仕事を頑張り、投資を頑張り、やっとの思いでたどり着いた桃源郷。
しかし数カ月もすれば、思いもよらぬ『退屈』に耐えきれず、復職する人も少なくない。
あれだけFIREを目指していたのにも関わらず、だ。
FIREに見る新しい生き方のカタチ
そう考えると、やっぱり人間とは難儀な生き物だ。
FIREが幸せかどうかは正直わからない。人によるし、答えはないと思う。
ただ、私はFIREの違う点に注目している。
それはFIREは一つの『未来型生活のモデル』である。
こういう文化が出てきたという事はまぎれもなく世界が変わっているという事。もう今は昔とは全然違うよって話。
FIREをしようがしまいが、それを意識して先を見越していく事が、変わりゆく時代を勝ち抜いていくには必要不可欠な千里眼だ。
ここ最近、無料サービスが増えているとは思ったことはないだろうか?
例えばこの記事を発信している私も、読んでいるあなたも無料で読めている。『note』が無料サービスだからだ。
インターネット回線に費用はかかっているかもしれないがそれは直接『note』のサービスには関係がない。
『youtube』もそうだ。動画を見ること自体にお金はかからない。今までこの世の大原則であった『等価交換の原則』が見事に崩れている。
もちろんサービスに差異があって有料と無料で違いがある。
広告を排除して、快適に『youtube』を視聴するためには月額1180円を支払い続けなければならない。
私は、もちろんプレミアムで支払っている。月額が1万円になったとしても払うだろう。
それだけの価値があってあまりあると思っているからだ。
そういった無料のサービスがどんどん世に溢れ、世界は便利になっていく。
『何をするにもお金がかかる』という概念そのものが変わり、新しい秩序にに塗り替えられていく。
私が注目しているのは、ベーシックインカムだ。
これは今までの無料サービスの最上位互換とも言えるだろう。
ベーシックインカムの採用不採用はしばらくは終わらない議論になるかもしれないが、どちらにせよこういった話題が出た時点で、生活のために働く時代は割と早い段階で終焉を迎えると思っている。
一昔前に『ニート』という言葉が流行したが、FIREとは意味合い以上にもはや時代背景が全然違う。
明治の居候、昭和の無職、平成のニート、令和のFIRE。
今、ふと思いついた、『働かないイメージ』の言葉を並べてみた。
働かない事に対する時代の風潮の変化が、言葉の印象からだけも読み取れる。
言ってしまえば。
もはや人間の労働力など邪魔なのだ。
AIの台頭により『人間さん、お金あげるから仕事の邪魔しないで。』と言われる新世界がすぐそこまできている。
生きていくだけなら、無料サービスだけで可能。
『働いてお金があればさらによい快適な生活ができる』という棲み分けになるのではと想定している。
モノが、医療が、社会が、サービスが便利になりヒトが長生きできる時代になった。
もちろんいい事ばかりではない。
時代の変化に伴う年金不安や老後2000万問題を抱える中、定年が40代という会社も増えてきている。
これは何を意味しているのだろうか。
内容や個々の差はあれど、『FIRE生活をやりたければ望むもの全員ができるようになる』という時代もそう遠くはないかもしれない。
この記事だけでもう20回以上はFIREって言った。
自分で言いだしておいてだけど、もうしばらくはFIREの話は御免被りたい。