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試合前のウォーミングアップや試合後のケア、そしてアイシングについて
試合前のウォーミングアップや試合後のケア、そしてアイシングに関するご質問、ありがとうございます。
試合前のウォームアップは選手ごとに異なりますが、一般的には肩や肘など気になる部位を物理療法機器で温めることから始めます。
私にケアを依頼してくれる選手には、まず頚椎の可動域を調整し、その後、肩、肘、手首、足首、膝、股関節、脊椎の調整を行っています。
ストレッチについては、静的ストレッチは好まず、理由は筋出力が低下してしまうためです。
その代わりに、軽めのストレッチを行いながら関節に適切な刺激を与え、可動性を高めることを目指します。
これにより、試合中に関節が無意識でも最大限動く状態を作り出します。
先発ピッチャーは、登板間の4日間で体がほぼ回復するため、試合当日は最終調整として身体に張りがないか確認し、全身の関節を整えて試合に臨みます。
一方で、リリーバーは前日に投球していることが多いため、選手の自己評価と私の感覚をもとに、疲労や張りのある箇所を丁寧にほぐし、全身の関節を調整します。
野手に対しては、選手ごとにマッサージや軽い鍼治療を行うことが多いです。試合後のケアとしては、ピッチャーに対してアームケアエクササイズを実施します。
徒手抵抗、チュービングバンド、ダンベルを使ったエクササイズにより、シーズン中の疲労による筋力低下を防ぎ、靭帯への負担を軽減します。
これにより、肩や肘の怪我を予防しています。
翌日、先発ピッチャーには鍼治療、かっさ、カッピングを用いて全身をチェックし、特に肩肘、股関節、足首の可動域を確認します。
筋の張りが強い部分や身体の歪みも丁寧にケアしています。
アイシングについてですが、デッドボールや自打球などの打撲には使用しますが、翌日からは患部が固まらないよう、できるだけ動かすことを重視しています。
投球後のピッチャーには、基本的にアイシングを行いません。
これは、アイシングが血流を妨げ、回復を遅らせるためです。
体は栄養を含む血液によって修復されるため、アイシングはそのプロセスを阻害してしまいます。
そのため、アームエクササイズを通じて血流を促進し、肩や肘の回復を助けることに重点を置いています。
簡単なデータですが、今年のメジャーリーグ30球団の平均手術件数は4.82件でした。
骨折などの不運がなかったこともありますが、我々のチームの手術件数が0件だったのは、メディカルスタッフ全員の努力の成果だと思います。
何か質問や不明点がありましたら、ぜひプロフィールのLINEからご連絡ください!
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