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会員制の粉雪【毎週ショートショートnote】

上から白い細かいものが降ってくる。

「寒い、わあ、息が白い」となりの人が大きく白い息を吐いた。

まわりを見ると、みんな白い息を吐きながら、落ちてくる白い細かいものを見ている。

「さあ、皆さん観察してください」後ろの方から声が聞こえてきた。

白いそれはどんどん上から降ってくる。

僕はそれを受け止めるように手ひらを上に向けた。

ひろげた手のひらに白いそれが乗ると、それは体温ですぐに消えた。

「先生、これはなんですか?」

「これは雪というものよ。寒い空気中で雲が凍って結晶になったものね」

「結晶なんですね」

「雪をよく見てみなさい」

服についたそれを見ると、結晶になっている。

「牛乳メーカーのロゴみたいでしょ」

「あっ、ほんとだ。あの形だ」まわりから声が聞こえてきた。

「かつての地球の寒い地域ではこの雪が2mも積もるのよ」

ここは宇宙コロニーの中に作られた地球自然体験会部屋。

会員制で特殊状況の体験もできる。

今日はその会員制の粉雪体験の日だった。


(410字)


たらはかに(田原にか)さんの企画に参加させていただきました。

※SFになりました。



*この記事は、以下の企画に参加しております。


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深遠 たた
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