虫の知らせと祖母
3週に一度の通院は、いつも前日に祖母から「待ち合わせ、よろしくね」と電話が入るのに、この日は来なかった。
明らかにおかしい。
間違えて早く電話してくる日もあるくらい必ず電話がくるのに…私は、どうしても祖母の家に行かなくてはいけない気がして、病院に行く前に最寄り駅でなく家に行く事にした。
着いてみると床に、大人用オムツとご飯の入ったお茶碗が落ちていた。そして祖母はほぼ裸で横たわっていた。
「おばあちゃん!」と声をかけると意識はあるが、まともに話ができない状態だった。何かを訴えているのに受け取れなかった。
状況を把握しようとしていたら家の電話が鳴った。出てみると、なんと、祖母の兄弟の叔母さんだった。
「ゆうちゃんね。おばあちゃん大丈夫?」
「今、私が、来たところで倒れてます。」
「昨日の夜、電話したら出ないから心配していたのよ!救急車を呼びなさい!」
私は、生まれて初めて119をして、救急車に乗った。通院している病院へ無事に搬送された。
祖母は一晩裸で超えただけだった。
良くはないが、何日もでなくて本当に良かったと思った。
叔母さんの電話が無ければ、冷静に対応出来ていなかったかもしれない。
思い切って祖母の家に行き、ちょうど叔母から電話がきて良かった。
虫の知らせはあるのだなと今は思う。