著名人の画像無断転載に関する話(声優関係)  7/25 余談追記

どうも、カクトひかりみずです。

今日はいつも話しているようなこととは違う、少々ディープなお話をさせていただきます。え?いつもディープだって?


早速ですが、みなさんは「無断転載」という言葉をご存知ですか?

この記事をタイトルに引かれて読まれた方は大抵イメージがついていると思います。

声優界隈で最近問題になっているのは、声優さんのお写真を無断で自分のツイッターで取り上げている問題ですよね。最近はInstagramでの無断転載も多くなっていることかと思います。

どこの声優さんとは名を申し上げませんが、定期的に問題にされていることですね。さて、この無断転載というものがどう問題なのか、以下、まとめていき、少々私の考えを述べさせていただければと思います。


無断転載とは

https://www.biz-shikaku.com/mincho/column/227

せっかくなのでWikipediaではなく当記事を紹介させていただきます。また、当記事から一部文章を「引用」させていただきます。

基本的に、すべての著作物の著作権者には「複製権」があるため、個人的・家庭内使用といった「私的使用のための複製」など一部の例外を除き、他人が無断で複製することはできません。
(ちなみに、ブログやSNS、社内での使用は「私的使用」ではありません)
なお、引用元は、文書に限らず、写真(画像)や図表など、引用可能なあらゆる著作物が対象となります。

声優さん界隈で問題になっているのはどちらかというと「肖像権」にあたりますが、一応著作物という話で進めさせていただきます。「ブログやSNS、社内での使用は「私的使用」ではありません。」とあるように、ツイッターで声優さんの写真を転載することは、いけません。ちなみに、「引用」や「転載」以外に問題となるのは「剽窃」という言葉ですが、これについてはまたいずれいつかお話できればと思います。(大学で論文を書かれる予定の方は、「剽窃」という言葉は知っておいた方が良いと思います。)


声優さんのお写真を「引用」する方法

このように基本的には声優さんが挙げたお写真をツイッターで自分のアカウントが使うことは問題になるのが、以上の説明でわかったと思います。また、引用であれば問題ない?というのも先ほどの記事を読んでいただければわかるかと思います。

では、声優さんのお写真を引用する、というのはどういったものになるでしょうか?

参考例としてあげますが、こういう形がベターなのではないかと思います。

いかがでしょうか?そう、「声優さん本人の写真付きツイートを引用リツイートする」、現状これしかありません。

※余談ですがこの参考例を作るために渕上舞さんに引用リツイートしたところ

といただきました…ありがとうございます…(参考例にするだけに呟いたので申し訳ない気持ち)

引用リツイートは声優さん本人に通知がいくので、わざわざ声優さんの昔のツイートを引っ張り出していくのも気が引ける感じがしますが、転載ということをしてしまうくらいならこの方がよいです。

そもそも、「転載」はともかく「引用」をされて、嬉しくない著名人はいないのではないでしょうか。一応は商売でやってる部分もあるツイッターが、何度も反応をいただくというのは、実は嬉しいことだと思います。


無断転載の問題点

さて、ここからが少々私が述べたい本題になっていきますが、声優さんのお写真を無断転載していくとどういう問題があるのでしょうか?

著作権!肖像権!と言いますが、具体的にそれを破ってどんな問題があるのかが明確ではありません。たとえば一般人が自分の写真を誰かに無断で転載されたら、嫌な気持ちになるかと思います。

https://studying.jp/chizai/about-more/publicity.html

またこちらの記事を引用させていただきますが、声優さんのような著名人のお写真を転載することで問題になるのは、更に踏み込んでいくとこの「パブリシティ権」になるかと思います。

https://kurume.vbest.jp/columns/general_corporate/g_ip/2705/

また、更にこちらの記事ではパブリシティ権について更に深く踏み込んでおります。

まとめると、パブリシティ権は著名人の「容貌」という部分を使った経済的利益を守る点が多く、声優さんの写真の無断転載で言えば、これには該当しません。また、パブリシティ権が発生しないケースとして、「報道や伝記として使うケース」はそれが発生しないという見方もあります。

このパブリシティ権について言えば、声優さんのお写真を特に経済的に利益を得るのでなければ、転載していくことは問題がないように感じます。

またそれが「報道」「伝記」という形のツイートになっていくのであれば、パブリシティ権が発生する要件ではないように思えます。しかし、これは成文化された法律ではなく、また発生しないケースについても判例でしかないので、鵜呑みにすることはできません。

原点に立ち戻り、肖像権という観点で考えればやはり控えるべきなのでしょう。そこで再度問題とすべきのは、「声優さん本人が写真を無断で転載されて嫌な気持ちになる」というところです。

声優の洲崎綾さんは、プロフィールに「無断転載はお断り」の旨を記載していますね。このため、洲崎さん界隈のファンの方もこの「無断転載」に関する意識は非常に高いと聞いたことがあります。

あまり仰る方は少ないですが、無断転載はやはり本人にとっては嫌な気持ちになる、というのが通常だと思うのが無難でしょう。


無断転載が横行している声優さんの界隈の問題点

ここで更に踏み込んで、私が日ごろ考えていることを以下に述べます。

先述したように洲崎綾さん界隈のファンの方々は無断転載に対しての意識が高く、そういったことはしようとしません。

また、そういったことがあれば厳しく糾弾するような点もあるのではないでしょうか。

一方で、私が今回問題にした原点である、とある声優さん界隈の無断転載ぶりについては、「知らないのだな」と思わされています。

若い年齢層のファンが多ければ、こういった法律的な事情について知る由もありません。また知っていても自分自身の解釈で「宣伝になるからよいじゃん!」と思う方もいるでしょう。私も一度その界隈で転載されていた方に注意させていただきましたが、ブロックされてしまったあたり、何か考えが違う、腹が立つ部分もあったのでしょう。(これについて、FF外から注意されることが腹が立ったのでは?という意見もありました。しかし、ここまで問題になっている件であれば、本来であればFF外から散々に罵詈雑言を言われてもおかしくない状況です。FF外から注意されて腹が立ったというのであれば、甘いと言わざるを得ないでしょう。)


さて、もしそんな無断転載が横行されている声優さんと、無断転載に厳しい声優さんが共演し、ツーショットでも取られていたらどうでしょう?

もし、そのお写真がどんどん無断転載されたらどうなるでしょう?

転載に厳しい声優さん界隈のファンや、ご本人が腹を立てます。ファンは転載横行側のファンを罵倒し、またご本人やその事務所も、転載がされてしまう声優さんとの共演をNG気味にしてしまう可能性もあります。もちろん、転載がされてしまう声優さんの事務所が厳しい対応をするようになればそのようなことはありませんが。

こういった可能性も考えられるため、基本的には無断転載の横行は、周辺部に悪影響を与えかねないため、その界隈の方も心してその横行を止めるように努めるべきなのだと思います。


転載が横行していくことで考えられる悪影響

皆さんは、コミケにいかれたことはありますか?通称コミックマーケット。

同人誌という言葉を聞いたことはあると思います。創作家たちの大お祭りですね。当然2次創作の書籍も販売されているのですが、実は「声優サークル」というところもあります。

そう、自分の推しの声優さんの模写イラスト集や、先ほど述べた伝記とまで言わなくてもレポート誌のようなものを販売している方々がいます。

当然、声優さんのイラストなどがそこには掲載されており、またそれを販売して金銭を得ているわけですが(尤も、製作・印刷費との差し引きでいえば殆ど収支はマイナスでして、経済的利益を得ているとは到底判断し得ないものですが)

こういった活動について、数年前にそれを脅かすようなことが起こっています。

https://www.oricon.co.jp/news/2145732/full/

大人気声優の宮野真守さんの公式サイトにて表明されたファンへの注意喚起です。そこに、二次創作についてもこのようにうたっております。

「宮野真守のオフィシャル写真、音楽・映像商品のジャケット、パンフレット・書籍表紙および紙面、ブログ写真、ツアーグッズ、ロゴ、イラスト等すべての著作物に関しまして、それらを題材とした二次創作物に対し、公式に使用許諾を出すことはございません」「ただし、非営利かつ制作者個人でのみ利用し、お楽しみ頂く場合にかぎり、許容しております」「二次創作物を直接、もしくはインターネット等を利用して第三者に譲渡・配布する行為につきましては、有償、無償問わず、一切禁止とさせていただきます」

これは、コミケの声優サークルを震撼させたのではないかと思っています。念のため申し上げますが、これはあくまで宮野さんの件であって、他の声優さんは関係ないと言えば関係ありません。しかし、このような表明が出たことは、全般的なガイドラインになってしまうのでは?と思わざるを得ません。

また、二次創作に限っている文面ですが、本人の写真などの転載が横行したという事情も推察されるものです。


さて、二次創作という点について、声優さんの模写アイコンはどうなるのか?という点が気になります。以前、著名人たる星野源さんが「自分で描いた僕の絵なら使うのは構わない」と仰っていました。加えて、その宮野さんの件についても、「自分で使うのは構わない」と解釈できます。

しかし、他の方に使ってもらうというのは問題になってしまうのでは、と思われます。模写アイコンについては沢山の声優ファンが絵師さんに描いてもらっていると思われます。私もその一人で、実はお金を払って描いていただいております。クオリティの高い絵師さんに描いてもらっている方は、そういう方が多いでしょう。

しかし、宮野さんのこの表明はそれも許されないような状況だと感じえます。こうなってしまったのは、様々なファンの行動、そこにある無断転載などが相当問題になったことにあると思います。

その無断転載があまりにも度を越したため、有償無償に限らない二次創作物もアウトになってしまったのではないかと思われます。

本来、これはそういったファンの活動がなければ、この表明もなされていないはずです。実は、コミケの二次創作、声優サークルのイラスト集、模写アイコンなどなど、厳密にいえば「グレー」になってしまうものなのです。

それを基本的には目をつぶっていただいている点が大きいでしょう。

しかし、それが色々やりすぎている、問題になる状況になると、模写アイコンのように「本来はグレーではあるけれどそこまで問題にならない」範囲のものまで、規制対象になってしまう。

推測がかなり混じってはいますが、この無断転載については今からでも遅くないので、意識を高めていかないと、どんどん厳しい規制が起こっていくのではないかと思います。

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