2人きりで帰りたい!!


普段講義がない時間だが、その日は興味深い講義があったので聴講することにした。
そこにはAくんの姿があった。どうやら、その講義を受けていたらしい。
当時の私はAくんのことが好きだった。彼とどうにか一緒にいたくて、すごく勇気を出して、講義が終わった後に一緒にご飯を食べないか、と誘った。
学校の近くのご飯屋さんまで行ったのだが、Aくんとその友達と数人もついてきてしまった。(学食でええやん。)
その日はたまたま、お昼以降介助者がついたので、食事介助はその人に頼んだ。
私はちゃっかりAくんの隣に座り、その時間を楽しんだ。
ご飯の後、私はAくんと帰りたくて、Aくんにだけ聞こえる声で「介助者が帰っちゃうから、家まで送ってほしい」と頼んでみた。
実はこのとき、介助者とある作戦を練っていたのだ。その内容は、介助者が帰る体で、介助者に別の所に待機してもらい、彼と2人になる時間をつくり、同じ時間を充分楽しんだ後に、介助者に連絡をして戻ってきてもらう、という作戦だった。
もちろん、この作戦は私と介助者の関係性が出来ていたから実行出来たことだと思う。
その当時の介助者にはだいぶ感謝している。

そして、いよいよ作戦を実行に移した。
私「Aくん!介助者が帰っちゃうから、帰りおうちまで送ってってほしいんだけど…」
Aくん「ああ、いいですよ!」
Aくんの友達「いや、僕が送りますよ!」
私(…いや、Aくんにお願いしたんだけど…)
「○○くん、この後バイトとかあるんじゃないの?」
Aくんの友達「いや、ないです」
私(なんでないねん!)
Aくん「じゃ、みんなで帰りましょう!」
私 (なんでやねん!Aくんと2人きりで帰りたかった〜!!)

結局、Aくんとその仲間たち、数人というメンツで楽しく帰ったのであった。

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