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#トキ体験 を創る 2021.12.07

#トキ体験 とは「その時・その場でしか味わえない盛り上がりを楽しみたい」という欲求を満たす体験のことを表した言葉です。これまでトキ体験の構成要素としての「時間」や「空間」について考察してきました。

今回はトキ体験を構成する「一体感」について考えてみます。

一体感とは

オンライン研修の『Schoo for Business』等を手掛ける株式会社Schoo(スクー)の社員育成コラムに「一体感の醸成が企業にもたらすメリットや具体的な作り方を解説」という記事がありました。

この記事のなかで「一体感」について明確な言語化がされていました。

一体感とは同じ目標に向かって力を合わせること
一体感の醸成とはまとまりのない状態を時間をかけてひとつにすること

「トキ体験」という言葉には「時間の流れ」や「空間の影響」など様々な意味が含まれますが「一体感」もまた、その体験を構成する要素に挙げられると考えています。

本連載に関心を寄せて頂いている方々(コミュニティ運営者、イベント主催者、参加者の立場)とのヒアリングでも「一体感」という言葉があり、大きな要素であることが裏付けられました。

「一体感」って
参加者⇔参加者
参加者⇒登壇者
の意思疎通が成立したときに生まれるのかなと考えるようになりました。

最初は参加人数の規模の影響かなとも考えていたのですが、こじんまりとした会だからと言って一体感が出るわけではなく。参加者の反応が登壇者の行動に影響を及ぼして初めて繋がっている感が出る気がしています。

これは登壇者自身がそのことを認識し、積極的に参加者のメッセージを受け取りにいく必要があるので、仕組みプラス登壇者の技量が求められます。

このメッセージを改めて読み返した時、ちょうどホテルのチェックインを済ませたところでした。

「フロント」の体験

ホテルを単なる「宿泊」ではなく「体験」と捉えたとき、

ロビーでの「空間」
フロントでの「時間」

は「トキ体験」そのものです。というのも、「その時・その場でしか味わえない盛り上がりを楽しみたい」という欲求は、何も集合性のイベントで誰かと一緒に過ごす体験だけではないからです。例えば、一人でのビジネス出張。ホテルの選択に自由が効く場合、オンライン予約サイトの口コミを見たり、事前にホームページをチェックしたり。なんらかの「期待」を持ってそのホテルに泊まり、良い「体験」をした「一見」の客がやがて「常連」になる。このようなカスタマージャーニーが、ホテルでは存在すると考えています。

そこで、改めて先のヒアリングでの言葉を持ち出してみます。

「一体感」って
参加者⇔参加者(※ここでは除外)
参加者⇒登壇者
の意思疎通が成立したときに生まれるのかなと考えるようになりました。

これはホテルのフロントで過ごすチェックイン体験においても、

宿泊者⇒ホテル
の意思疎通が成立したときに生まれる

と置き換えることができるのではないでしょうか。それは接客における双方向の意思疎通、と換言することができます。

なぜ、物販で人が接客するのか?
なぜ、百貨店は接客が命なのか?
なぜ、フロントがロボットではないのか(変なホテルを除く)?

この「接客」という「体験」について、興味深い調査データがありました。クロス・マーケティング社が2016年4月25日に公開した「接客に関する調査」です。

接客の良さに対する口コミ発信の有無では【家族や友人・知人に直接話した】(53.8%)が最も高く、次いで【特に話したり投稿したりしたことはない】(40.9%)と続く。【SNSやお店の口コミページなどに投稿した】(27.2%)と低く、良い接客に関して誰かに直接話したいという意識がみえる
接客の良し悪しに対する口コミ内容での来店意向では、「良い接客内容」の口コミでは【行ってみたいと思った】(53.7%)、【実際にそのお店に行った】(18.6%)と、合計72.3%の人が好意的に感じている。
「悪い接客内容」の口コミでは【そのお店には行きたくないと思った】(85.3%)と高く、口コミでの接客評価が来店意向に影響することがわかった

SNSなどオンラインでの発信であれ、知人や家族などとのオフラインの口コミであれ「接客」というトキ体験がその体験の印象を左右することがわかります。

オンラインイベントでの交流

では、オンラインイベントが一般的になった今、参加者同士の交流について今後はどうなっていくのでしょうか。先述のヒアリングでの言葉でも、参加者同士の意思疎通についても触れられていました。

「一体感」って
参加者⇔参加者
参加者⇒登壇者(※ここでは除外)
の意思疎通が成立したときに生まれるのかなと考えるようになりました。
ポスターセッションや論文発表後の偶発的な交流など参加者同士のコミュニケーションをオンラインで実現させるのは難しそう、というイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、2022年1月に開催される「第61回近畿理学療法学術大会」にてシステム運用部を務められている山口氏をお迎えし、リアル開催の代替え手段としての選択肢ではなく、オンライン開催ならではの魅力を解説いただきます。参加者の交流を加速させる学会運営の新たな形とは。ぜひお気軽にご参加ください。

2020年初頭と比べると現在(2021年末)はすでに交流会は「廃れた」感があると考えています。しかし、オンラインにはオンラインなりの手法があり、今でもそれを常に意識してご依頼企業には提案を行っています。以前の投稿で以下のようにアプローチ手段について解説しました。

(1)技術的アプローチ
ツールや組み合わせで双方向性を実現する
(2)話術的アプローチ
ファシリテーションで双方向性を実現する
(3)機会的アプローチ
単発ではなくタッチポイント頻度を増やす

全国に対してコストをかけることなくイベントを実施できるオンラインのメリットも、現実的な空間で五感に訴えることができるメリットも、それぞれあり単に

オフライン vs オンライン

という比較論では語れない情勢になってきているのが現状です。また、単にハイブリッドという(手法の)「形」「型」にこだわって顧客体験が低下する「どっちつかず」になる例も散見されます。今後のイベント・セミナー、商談や展示会の場などにおける幅広いトキ体験の提供には、手法に主眼を置くのではなく顧客のトキ体験から逆算した全社的・戦略的なマーケティング施策が必要な時代になりました。

#つながりを創る人 のトークイベント

オンライン/オフラインイベントの
・今年はどうだったのか?
・来年はどうなるのか?
・形態は?
・課題は?
・解決策は?

について、12/28 20:00〜「オンラインイベント」を行います。

コミュニティ放送部とは?
コミュニティのオンラインイベントが多く開催される中で「コミュニティの枠を超えて」イベントノウハウを共有しているコミュニティです!イベント企画や運営のコツ、配信技術や機材など、ソフト・ハードにこだわらず広くノウハウを共有し、楽しく交流しながらみんなで悩み、一緒に学んでいます。

【トークイベント】コミュニティ放送部#7 

今年を振り返り、来年を展望するトークイベントです。

一緒に、イベントの未来を考えませんか?

おわり

(次回 #トキ体験 を創る 2021.12.08 )

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