#トキ体験 を創る 2021.12.09
#トキ体験 とは「その時・その場でしか味わえない盛り上がりを楽しみたい」という欲求を満たす体験のことを表した言葉です。これまでトキ体験の構成要素としての「時間」「空間」「一体感」「距離感」について考察してきました。今回は、そのトキ体験を構成する要素として「安心感」を考えてみます。
安心して話せる場
今回の連載に「反応」して頂いた方々への「ヒアリング」で、そのイベントの時間・空間における「安心感」についてが挙げられていました。
私の好きな〇〇〇というグループがあります。そこのオフラインイベントがホントに雰囲気の良いコミュニティで、主催者や参加者が良い感じに場を作っています。
イベントでは参加者が発表者へ沢山反応したり、安心して話せる空気感が出来ています。その為、また話したい・楽しそうだから参加してみたいと言った良い循環が回ってます。
なぜか?を考えたときに、頭に浮かんだのは以下です。
1. 参加者と発表者がお互いに存在感を感じあえる
2. 参加者↔発表者のレスポンスの速さ(表情で分かる)
3. 限定した空間なので、他人に「乱入」されない安心感がある
上記は「参加者」「発表者」がお互いで空気を作ってはじめて出来るものだと考えます。現状、気軽にオンラインで開催出来るようになった結果、勉強会は広く実施されるようになってきました。ただ(私がやりたい)勉強会が参加側からしたらライブ「コンテンツ」になってしまい、単純に消費するためのものになっていっているんじゃないかと危惧しています。
この空気感や良い循環をどうやったらオンラインで形成出来るのか、と考えると難しい課題だなと思います。
パーソナルスペース
「距離感」の部分でも触れた「パーソナルスペース」の概念は、物理的な空間だけでなく心理的な空間にも適用されます。
様々なパーソナリティ(性格)の人で構成されるのが人間社会。トキ体験を創る側が最も意識しなければいけないのが「パーソナルスペースの広い(警戒心が強い)人」であると考えます。なぜならその人には
その人なりの楽しみ方がある
からです。つまり、たとえ交流会で多くの人と談笑をしていなくても本人は満足な場合があるなど、
社交的な人の価値観が全てではない
からです。これは、数多くのイベント・懇親会・交流会の運営を通じて学んできたことです。その人なりの「安心できるスタイル」がある、とも言えるわけです。
では「盛り上がり」とは、何なのでしょうか。
改めて考えてみます。
"SUFSS" 盛り上がり要素
今までいくつかの考察を重ねた結果、盛り上がりのトキ体験を構成する要素について定義できるのではないかと考えました。
その場を共有する人の多くが
「安心感」を持てるスタイルで
「一体感」を感じて満たされて
「楽しかった」を持ち帰れること
「誰かに共有したくなる」こと
これを英語で頭文字を並べて「SUFFSS(サフス)」と呼ぶことにします。
"SUFSS"
Security 安心感
Unity 一体感
Funness 楽しさ
Souvenir お土産
Share 共有
トキ体験の「ひろがり」「伝播」にもっとも重要なことは、最後の「Share」です。SNSマーケティングでも、誰かに教えたくなる体験としてのShareは欠かせない概念です。「ひろがり」がなければ、コミュニティとして健全ではなくただ毎回同じような価値観の人が集まって行う「会」に終わってしまいます。重要なことは、
・開放性
・拡散性
です。では、ただ外に向かって解放し、一人でも多くの人に届けばそれで良いのでしょうか。答えは「否」です。それだけでは「安心感」のある場とならないからです。そこが審査制・会員制等でない限りどんな場(会場・オンライン)であれ、必ず本来の趣旨とは異なる「輩」が紛れ込むのが現実です。そのため、
運営者側も「警戒心」が必要
です。例えば、
(交流会等で)営業目的で名刺交換する「輩」を退場させる
(会場で)居眠りする人など不適切な「輩」を退場させる
などです。トキ体験の創出には全員が同じ方向を向いている必要があるのです。
オンラインの課題
では、昨今特に課題となっているオンラインイベント(継続性のあるコミュニティ運営者の立場を想定)の「盛り上がり」の創出に向けてどう取り組むべきなのでしょうか。
(私がやりたい)勉強会が参加側からしたらライブ「コンテンツ」になってしまい、単純に消費するためのものになっていっているんじゃないかと危惧しています。
この空気感や良い循環をどうやったらオンラインで形成出来るのか、と考えると難しい課題だなと思います。
先に結論になりますが、いくつか対策を挙げてみます。
・「朗読型」を再考する
・有償化(500円、1,000円など)
・接点の「数」と「種類」を増やす
・知り合いに「紹介」し「招待」する
・地域に限定せずに接点をもつ
・地域に限定して接点をもつ
・「ファシリテーション」をする
・「朗読型」を再考する
(例)ただスライド共有を行い抑揚のない「朗読」を行うのではなく、一つのテーマを参加者全員で考える会を企画する
・有償化(500円、1,000円など)
(効果)意識の高い参加者だけになり「盛り上がり」の「純度」が上がる
・接点の「数」と「種類」を増やす
(例)数ヶ月に一回の開催ではなく毎週ミニマルな「コンテンツ」を提供(一方向)し、次に双方向性のある企画をする。接点の「数」を増やして「種類」を提供することで幅広い「機会」を提供する。
・知り合いに「紹介」し「招待」する
知人に(自身が属するグループ・コミュニティ)を紹介し、招待する。その場合「地元」だけでは限りがあるので、他地域に居住する人にも行う。
・地域に限定せずに接点をもつ
オンラインの最大の利点である「全国配信」で存在・活動を広める。
・地域に限定して接点をもつ
意図的に「in 〇〇」のように地域的な限定をして「安心感」を創出する。地域限定と非限定を「種類」の違いとして提供する。
・「ファシリテーション」をする
単なる「司会」ではなく、参加者の反応(チャット)など意図を汲んだ「ファシリテーション」を行う。これには一定の能力・経験が必要なので場合によっては得意な人に依頼する(呼ぶ)。
このように、オンラインならではの「特性」を最大限に活かして「盛り上がり」の創出を行っていくことは可能です。「ファシリテーション」は、そのイベント(会)のときに口頭で行う行為だけを表すだけでなく、その参画者たちが「欲しいものは何か」について仮説を立て、実行し、検証するサイクルを常に意識する必要があります。
#つながりを創る人 のトークイベント
オンライン/オフラインイベントの
・今年はどうだったのか?
・来年はどうなるのか?
・形態は?
・課題は?
・解決策は?
について、12/28 20:00〜「オンラインイベント」を行います。
【トークイベント】コミュニティ放送部#7 (2021/12/28 20:00〜)
オンラインの課題などを、主催者・参加者の立場で語ります。
一緒に考えませんか?
おわり
(次回 #トキ体験 を創る 2021.12.10)