「コミュニティ」と飲食店(3.入店編)
IT業界でユーザーコミュニティの立ち上げに関わってきなかで、これまでなんとなく感じてきた
「コミュニティ」と飲食店は似ている
ということを、要素分解して考えてみることにしました。コミュニティの理想形は、飲食店の理想形と似ているのではないか?その仮説を検証する試みの第3回「関心編」です。第1回は「認知編」、第2回は「関心編」と題して、飲食店やコミュニティがいかに「認知」され「関心」をもたれるかについて考えました。
飲食店への入店
飲食店への入店時、どんなことが考えられるでしょうか。自分が飲食店を訪れる場面ごとに、ぞれぞれコミュニティと比較してみます。
「いらっしゃいませ」(声がけ)
飲食店のジャンルにもよりますが、まずは「迎え入れの言葉」があります。よくネガティブなレビューで「いらっしゃいませの声がなかった」というのを見かけますが、コミュニティではどうでしょうか。オンラインでは自己紹介投稿への「リアクション」、オフライン(イベント等)では受付・運営スタッフの「こんばんは」「ご来場ありがとうございます」等の声がけがあります。過剰な干渉は逆効果にもなり得ますが、コミュニティでも「ようこそ」の気持ちを参加者に対して表すことは大切だと思いました。
「お通し・突き出し」(居酒屋の場合)
最初の接客として「お通し・突き出し」の提供があります。
「なぜ料金を取られる?」とよく話題にあがる「お通し・突き出し」について調べてみると、店側の気配りとのこと。
今までなんとなく「当たり前のこと」として見過ごしてきたことも、改めて調べてみることで発見がありました。料理の到着までの時間を快適に過ごしてもらうための配慮と知れば、課金のことも理解できます。コミュニティでも「初参加」「はじめまして」の方は?と最初に声がけし挙手をお願いすることでアイスブレイクになるので、飲食店での気配りを参考にしたいものです。
「店内の雰囲気」(内装・BGM等)
その他の飲食店では、料理を待つ間に店内の内観やBGM等によって客は雰囲気を「味わう」ことになります。こだわりのお店であるほど、内装やBGMに凝っていたりします。同じようにコミュニティイベントでも、開始前のドリンク提供やBGMなどで「おもてなし」することがあります。また、あまりに静かな会場だと緊張感が漂うため、運営・登壇者と既知の参加者が談笑している姿もよい雰囲気づくりに貢献します(あまりにも内輪感があるのは逆効果ですが)。
「入店編」まとめ
入店時の飲食店の「気配り」で客の評価は決まると言ったら過言かもしれませんが、それでも「最初の印象」が顧客体験にとって重要であることは確かです。コミュニティにおいても、いかに初見の人を大切にするかという観点を持ちたいものです。参加者にノベルティグッズを配ることも確かにおもてなしかもしれませんが、それよりも「初めてへの不安」を「初めての喜び」にしてあげるような気配りがあると顧客体験の質があがります。
次回は「関心」に続いて「実食」の段階について、コミュニティと飲食店が似ているという視点で考えてみます。
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