#トキ体験 を創る 2021.12.01
#トキ体験 とは
#トキ体験 という言葉は、博報堂生活総合研究所が2017年から提唱しているモノ、コトに続く消費潮流を指す「トキ消費」に着想を得て考えました。
モノが揃ってきた90年代頃から、人より新しいコトや珍しいコトの体験が価値となるコト消費が活性化。しかし、その後、人気を集めたり、世の中で話題になる事象のなかには、コト消費の活性化というだけでは説明しきれないものも出始めました。
例えば、ハロウィン期間に仮装した人たちが渋谷の街などに繰り出して、見知らぬ人ともハイタッチや記念撮影をして楽しむ、あの現象。観客も歌って踊って、場を盛り上げるフェスやライブ。コスプレ、声出し、手拍子などで賑やかに観る映画鑑賞会の応援上映。企業の商品開発などを生活者の寄付で実現するクラウドファンディング。好きなアイドルや商品に投票する総選挙型キャンペーンなど…。
いずれもコトの体験に留まらず、生活者が人と一緒に生み出すトキに主体的に参加する点が従来のコト消費と異なります。私たちは、こうした事象に人が魅了されるのは、「その時・その場でしか味わえない盛り上がりを楽しみたい」という欲求が背景にあるからだと分析。こうした欲求のもとに生まれる消費を「トキ消費」と名付けました。
なぜ #トキ体験 なのか
それでは、なぜトキ「消費」ではなくトキ「体験」という言葉をあえて選んだのか。それは「オンラインイベント」が浸透した今こそ、
「その時・その場でしか味わえない盛り上がりを楽しみたい」という欲求
を満たすような「体験の創出」自体が重要になる、と考えたからです。
消費行動の研究対象として捉えられた概念を、その消費行動を生み出す側つまり「体験の創出・提供を行う側」の立場で考えたいという理由からです。
・トキ消費=外側から見た視点
・トキ体験=内側から見た視点
2010年よりIT業界でのマーケティングやコミュニティ活動を経て、2020年から「オンラインイベント」を数多く手掛けてきました。当初は、
・致し方なさ(社会情勢)
・目新しさ(過度な期待)
・効率の良さ(移動時間)
などが下支えした「オンラインイベント」も、2021年が終わろうとする今はコモディティ化しており、視聴者の期待値で言えば「幻滅期」といえるかもしれません。
その根拠としては、
・登録者数(イベントサイト等)
・同時視聴数(=ほぼ実参加率)
・視聴維持率(最後まで居たか)
・新規リーチ(新規の参加者数)
などが低下していることが挙げられます。2020年4月の段階では、前述のような下支え要素があり「オンラインイベント」も活況でした。
例えば、当時のあるイベントにおけるリアルタイム参加(同時視聴)率は66.6%でした。
2020年4月下旬
・参加登録 約600人
・同時視聴 約400人(最大)
しかし約1年半の経過後、同時視聴数は39.8%まで落ち込んできています。つまり27%の低下が見られます。
2021年11月下旬
・参加登録 695人
・同時視聴 277人(最大)
これは「オンラインイベント」視聴に対する期待値の低下、つまり社会情勢の改善によって実際の場で対面・面会することによって得られるトキ消費、
「その時・その場でしか味わえない盛り上がりを楽しみたい」という欲求
を満たす行為への転換が図られている可能性があります。
そこで、以下のような異なる視点に立ったアプローチを考えました。
・オフラインでのトキ体験を創出する
・オンラインでのトキ体験を創出する
・その時、その場でのトキ体験を創出する
・時空にとらわれないトキ体験を創出する
(もっとあるかもしれません)
すると #トキ体験 を各論に分解することによって、総論としての #トキ体験 の本質を追求していけることに気づきました。過去のマーケティング・コミュニティ活動でも自らが一貫して行ってきたことは、参加者・視聴者の
「その時・その場でしか味わえない盛り上がりを楽しみたい」という欲求
に応える #トキ体験 創出へのコダワリだった、という発見がありました。
同時に、人々の人生においては #トキ体験 の充実が精神的な充足感を得られる要素となり得ることにもつながります。
所属する「場」としての #トキ体験 。
こころの「居」としての #トキ体験 。
#つながりを創る ひとの集い
はや12月。2021年を振り返りながら、
オンライン/オフラインイベントの
・今年はどうだったのか?
・来年はどうなるのか?
・形態は?
・課題は?
・解決策は?
について、年内に「オンラインイベント」を行います。
#つながりを創る ひとが集い、未来を語るイベントです。
「その時・その場でしか味わえない盛り上がりを楽しみたい」
一緒に、盛り上がりませんか?
おわり
(次回 #トキ体験 を創る 2021.12.02 )