秋本議員は東京競馬場の○○の前で土下座しろ!コリアカップから内閣改造、そして競馬法100周年、夏の競馬ニュースを振り返る
蒼山サグ(以下、蒼):この夏もいろいろと競馬ニュースがありまして、いくつかのニュースが線でつながる部分もあるということですので、久々にゆたさんからニュース雑感的なトークをお願いしようかと思っております。具体的にですが、コリアカップ・スプリント圧勝から見る韓国競馬の立ち位置。そしてContinuousのセントレジャー制覇。それから秋本議員収賄疑惑と競馬法100周年といういろんなトピックスについてお話いただきたいと思います。
くらみゆた(以下、ゆ):はい、よろしくお願いします。まずは記憶に新しいコリアカップ・スプリント。こちら皆さんご存じの通り、クラウンプライドとリメイクが圧勝して日本競馬の強さを見せつけたという格好になりましたが、気になったのは韓国競馬の現状ですね。今回大幅に賞金が増額されて、日本からもほぼG1級と言っていいメンバーが遠征したわけなんですけれども、一方で韓国競馬は日本馬であるロンドンタウンが勝った頃から伸びてきているかというとそこまでという感じ、ちょっと状況は芳しくないのかなと感じられました。各媒体のコラムなどで取り上げられていて、野元賢一さんの日経競馬コラムなどにもあったんですけれども、日本馬が招待を見送った2019年のコリアスプリントで優勝したブルーチッパーがブリーダーズカップダートマイルで4着に入ったのがつい4年前。ここからコロナ禍が始まってしまったんですよね。JRAは開催を止めずに進めたんですけれども、韓国は今ネット販売がないので、ここで1回開催が止まってしまって、ここから立ち直れていないという話が出てました。売上も85%程度にとどまっているらしくて、今年の12月からネット販売解禁されるものの、なかなか売上的には厳しい状況のようです。現地の声を聞くと、コリアカップでは勝った時に地元のファンが大きな声援をくれて嬉しかったという新谷調教師のコメントだったりとか、パドックに日本の競馬のファンの方々がいたよみたいな記事だったりとか、中継映像もそれこそかなり工夫凝らされて、日本からはレースは見やすかったりというところもあって、ファンの熱気というものは結構あったみたいなんですけれども、一方で主催者の人でとか経験不足みたいなところは指摘されているみたいでした。今回日本馬の圧勝を受けて、ロンドンタウンの時にも言われてたんですけれども、第1回ジャパンカップになぞられて、「韓国競馬の伸びしろもこれからだよ」みたいなネットの声もありまして、それはそれで一つの事実だと思うんですけれども、ちょっと時代背景も違うので、なかなかここから急成長というのは現実的に厳しいのかなというふうに思ったところはあります。
蒼:後進的に競馬が始まった国で急成長遂げられたのは日本とドバイだけ。これからサウジが国を挙げてやってるからどうかというところですもんね。
ゆ:そうなんですよね。改めて考えると競馬産業を伸びていくためには熱心な競馬ファンというのは当然必要なんですけれども、その熱意がお金として競馬産業に還流していかないといけないと、そういう仕組みがあるかというのは大事かなというふうには改めて思いました。ドバイなんかは主催している原油王が競馬ファンというある意味ちょっとチートみたいな競馬運営をやってるわけなんですけど、日本はギャンブル好きな国民性を活かす形でパリミュチュエル方式で胴元が国・自治体であると。これが何がいいかというと馬券の売上というのはきちんと生産まで届くというところがあります。日本競馬は大衆競馬と言われるわけですけれども、競馬産業のパトロンが日本競馬ファンというのがお金の面でも仕組みとしてできている。本来賭博は禁止されているけれども、その興行が法律で守られているからこそ、この仕組みになったわけなので、やっぱりこういう政治に食い込んだ仕組みがないとなかなか難しいのかなというふうには思ったところですね。ちょっと調べると韓国は同じ儒教国、まあ日本を儒教国って言っていいのか分からないですけど、儒教国は欧州と違って賭博は基本違法ですと。その中で韓国馬事会法というのがあってそれで競馬が認められているという形で、形式自体は日本と同じにはなっているんですよね。ただ日本に比べるとオフィシャルに競馬を楽しむことへの風当たりっていうのは強くて、かなり前かもしれないんですけど厩務員がパドックでマスクをしてる。なんでかって言うと「競馬関連の仕事してるのはバレたくない」みたいな。そんな話もあったりして、やっぱりちょっとアジア、儒教国っていうのはギャンブルを世間が容認するっていうのはヨーロッパよりもなかなか難しいんだなと。まあただ日本、韓国見てても結局人間ギャンブルは好きなので闇に潜ってしまって産業として成立しない。日本はそこがきちんと光が当たって生産まで回るというサイクルをきちんとできていたっていうのは本当に奇跡的だなと。日本は横浜の外国人居留地から競馬が始まってますし、韓国も負の歴史ではありますが、日本の植民地時代に競馬が始まっているので、外国から入ってきてるっていうのは同じところもあるんですけれども、市民権を得られているかという点では全然違うなと思いますし、そう考えると法律の制定過程、世間の理解を得るための活動っていうのは大事なのかなというふうには思いましたね。
https://www.clair.or.jp/j/forum/pub/docs/407.pdf
蒼:法律という話で競馬法100周年、今各所で取り上げられている話につながってくるっていう感じでしょうかね。
ゆ:そうですね。今優駿とかでも競馬法100周年の特集組まれてますけれども、日本でも馬券発売禁止という競馬界の危機はやっぱりあって、1905年ですかね、馬券始まって、黙許で始まるわけですが、そこから3年、1908年には馬券禁止されちゃってると。その間は景品に反物配ったりみたいな、ある意味三店方式みたいなこと(笑)をしながら、耐えていたけどもやっぱり競馬に売上が流れないと競馬業界は盛り上がらないと。そこで登場してくるのが、日本競馬の父、故・安田伊左衛門氏なわけですね。ちょうど今東京競馬場で功績が紹介されているのですが、まあ一つ言えるのは、安田伊左衛門という人物は、「政治家でありながら競馬に理解があった」のではなくて、「競馬法を制定するために政治家になった」と。この人がいなかったら、現代日本競馬におけるファンの熱意が競馬産業に還流されるという仕組みはできあがらずに日本競馬の隆盛はなかったわけで、Continuousのセントレジャー制覇もなかったと言ってもいいわけですね。韓国競馬に話を戻すと、現代においてはカジノとか他のギャンブルもある中で、競馬ファンの熱をどう還元できるか。そこは政治的な働きかけが必要となってくるのは間違いない。韓国は与党が変わると政治方針が変わってしまうという国なので、それ自体は是か非はともかく超党派の競馬議員が必要なんだろうなとは思った次第です。
蒼:そういう意味ではサウジアラビアも政治的な問題を抱えているのでどうなるかはわからないですね。そして、日本の競馬議連も大事という話になるわけですね。
ゆ:はい、競馬議連というのは、競馬が低迷した時期に作られた議連で、先日亡くなった政治家の故・青木幹雄氏が競馬議連の会長だったんですよね。政治家としてはまあ色々評価があるのでしょうけど、生粋の競馬ファンが与党の重鎮にいたというのは限りなく重いというか幸運ではあったわけです。日本競馬が競馬法という法律で定義されていて、国の管轄である以上、その産業を盛り上げるためには政治から逃げることは許されない。今はマルゼンスキーの橋本牧場の橋本聖子氏などが表に出てたりとか、祖父が那須野牧場の創設者であることから、河野太郎氏の弟の河野二郎氏がグリーンファームの代表だったりと、まだまだ与党に力は残っていますが、シンガポールを見ればわかるとおり、競馬っていうのはいつなくなるかわからない。常に世間の目を気にして、理解を広げないといけない。これは常に考えていかなきゃいけないのかなと思います。そんな中で起きたのが秋本議員収賄疑惑ですよ。競馬が好きで政治家になったのに、政治家になってやったことが、自分の持ち馬に関するローテーションを決めただの、血統評価を調教師に披露しただのと。当選してやることは、そういうことじゃないだろうと。やっぱり政治家になったからにはやっぱり日本競馬を盛り上げる、産業として大きくするにははどうするべきかを考えて欲しいわけで。本当に志が低いというか、もう疑惑が黒か白かなんかはどうでもよくてですね、その政治家としての志の低さっていうのはちょっと情けないなと。ホントに東京競馬場の安田伊左衛門の前で土下座してこいというのはちょっと思ったところですね。これなら政界の風見鶏の柿沢未途君の方がまだマシではないかと。この辺はこひさんが詳しいので、補足していただきたいところはありますが。
こ:はい、柿沢未途ウォッチャーのこひです。そうですね、柿沢未途君ですが、無事に自民党の次の衆院選の支部長にも選任されて、ようやく「自民党という張り紙」が貼られてる状態から、多少自民党の中の議員になってきたかなという感じになってきたところでしたが、なんと今回法務副大臣という形で割と想像してないところのポジションに早々と収まりました。やはり地盤があって選挙が強いというところですと、自民党でのキャリアは大したことがない状態であってもいいポストってのは回ってくるんだなと思って見ていました。一応この柿沢議員ですが東大の法学部卒業からNHKに入ったというようなキャリアなんで、実務で法務に触れているかはよくわかりませんが、一応東大法学部という名門の卒ではありますので、法務副大臣として期待したいところで。競馬に関しては今後ナイター開催ができるようにですとか、レースの数ですとか、いろんなところで競馬法を変えないとこれ以上の進歩が難しいというような局面はあるかなと思います。そういう意味ですと柿沢議員のギャロップの連載は非常にツッコミどころも多くて、印象的だったところでは舛添要一をJRA理事長にしたいなんてのもありまして、割と言ってることはフワフワしてドリーミングなところはありますが、一応北海道のほうにも後援会があって馬産地の大物が一応後援会として名を連ねているんですね。柿沢議員のYoutubeチャンネルには結構びっくりするような吉田家などのビッグネームが出てくるという関係性があることは確かなので、適切なブレーンがちゃんと情報の取捨選択をして必要な法律の整備に役に立ってくれることを柿沢ウオッチャーとしては願っております。
蒼:なるほど。ありがとうございます。ゆたさん、最後に何かまとめ的なコメントがございますか。
ゆ:そうですね、今本当にレース数が足りないっていうのが一番の課題でありますので、柿沢君にはぜひ年間開催日数、そして1日12レースの壁を破るようなことをしてくれれば東京競馬場に銅像は作れないかもしれないですけどね。ノーザンホースパークに1個ぐらい小さいオブジェぐらいは作らせてもらえるかもしれないので(笑)、ぜひ頑張ってもらいたいですね。
こ:まだノーザンホースパークに空いてる丘はありそうですからね(笑)。興行的なところもそうですし、あとは競馬業界で働く人の手当てなどで何かの有効策とかやってくれれば、本当に馬産地の救世主になれるかなって思います。
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