ウシュバテソーロの二連覇なるか!ドバイワールドカップデー超直前展望
ドバイワールドカップ2024
名馬電機社長(以下、名):ドバイワールドカップの展望に行きたいと思います。このレースは昨年、日本から遠征をいたしましたウシュバテソーロが制しております。今年も昨年のディフェンディングチャンピオンとして出走しております。日本プールでも海外のブックメーカーのオッズでも1番人気に支持されています。
同じく、昨年のブリーダーズカップクラシックで2着に入り、昨年の同じメイダンのドバイワールドカップでUAEダービーを制しているデルマソトガケも、国内外、日本海外含めて2番人気に支持されている状態です。3番人気も日本海外、イギリスブックメーカー同じです。前哨戦であるアルマクトゥームチャレンジを勝ってここに出走してきているカビールカーン、この馬が3番人気になっています。この馬は非常に特殊な経歴で、ロシアで走っていた馬になります。メイダンUAEに入籍してきて2連勝中というところで、父がカリフォルニアクロームというところも含めて注目という感じです。
4番人気はアメリカから遠征してきているニューゲートです。ボブバファート調教師が送り込んできております。鞍上はランフランコ・デットーリ。前走、アメリカのサンタアニタで行われましたサンタアニタハンデキャップG1をフランキーが勝ってここに出走してきたというところで、アメリカ代表のトップかなという感じです。
海外勢でいうとアメリカ勢が有力とは思うのですが、先ほど申し上げましたように地元のカビールカーンであったり、ローレルリバーもこの辺りは要注目です。もともとアメリカで走っていたのですが、今シーズンからUAEに移籍してきまして、前走、バージナハールの5ハロン分のマイルの前哨戦で1秒2差と大差をつけて勝っております。あとはサウジカップでウシュバテソーロに追い込み勝ちをしたセニョールバスカドール。この辺りも人気をしております。
今回は、サウジカップとの関連で申し上げますと、サウジカップや昨年のドバイワールドカップは非常にペースが速かった。そのため、ウシュバテソーロが強いのは間違いありませんが、展開の利があったのも確かだと思います。今回に関しては、サウジカップとの着順の入れ替えが予想されます。サウジカップで逃げた馬たちが、1600mに出走してきていないことによるペースの違いで、馬券的な妙味が生まれてくるのではないかと考えております。これが全体を通しての私の見立てでございます。個人的には、フランキー・デットーリ騎手の応援も込めて、ニューゲートから購入したいと思っております。では、ウシュバテソーロを含めて日本馬の解説を、こひさんにお願いいたします。
こひ(以下、こ):日本馬の解説と言いながら、海外で走っている馬が多く、日本の競馬場では会えない馬たちばかりですね。
まず、ウシュバテソーロが総大将だと思います。私はこれまでではサウジカップとドバイワールドカップはあまり直結しないというイメージを持っていました。サウジカップは先行勢がある程度結果につながる舞台であり、ドバイワールドカップは一定の末脚があれば後方からでもチャンスがある舞台だと考えていたのですが、今年のサウジカップは砂の質が変わったという話もあって、ペースも非常に速くなったため、終わってみれば差し決着という珍しい形になったと思います。
そういう意味ですと、サウジカップで出したウシュバテソーロの打点の高さは、この舞台でも同じように今年は出せるんじゃないのかなというふうに思っておりまして、人気をするところも頷けまして、それだけの資格がある馬かなというふうに思います。デルマソトガケ。こちらもウシュバテソーロと比べると差はごくわずかかなとも正直思っておりまして、サウジカップについては臨戦過程的なところの不安があったところですね。暮れのレースも使えなかったり、現地に入ったときにも若干スムーズさを欠いたというところもありまして、叩いて2戦目のここで勝負というところもあるかと思いますし、前に行けるところの有利さというところもあると思います。この2頭については本当にどちらか勝っても全然おかしくないなというような印象です。
あと面白いだろうなと思うのは、ドゥラエレーデですね。この馬についてもドバイでの実績というところもありますし、この馬なりの形のポジションをとっていって競馬をしていくというような形でいきますとある程度やれるかなというようなところではあるかと思いますが、この馬なりに、なかなか相手なりに崩れないというところを見せると、うまく馬券券内に引っかかるというところの絵もあるんじゃないかなと思います。
あとは何より原騎手が乗るウィルソンテソーロですね。本当この馬についてはどういう競馬してくれるのかなというところがすごく楽しみにしています。原騎手が乗ったチャンピオンズカップでは差しの手を打って、前に行く馬がいない東京大賞典では、ハナに行ってめちゃくちゃペースを落として粘り込むというような形で、非常に器用自在に動ける馬だなというふうに思います。前走のフェブラリーステークスでは、騎手を変更したことで予想外のハイペースに巻き込まれ、自爆してしまったところがありました。今回、原騎手がどのようなポジショニングを取り、どのように動いていくのかが非常に楽しみです。また、ダートの世界の舞台にもキタサンブラックの産駒が出てくるというのも魅力的ですね。ぜひ原騎手の動きには注目したいと思います。
個人的には、昨年の最も大きなダート競馬の変化は、日本のダートの一線級馬が世界のダートの一線級になりつつあるということだと考えています。そのため、自信を持って日本馬を買いたいと思います。以上、ドバイワールドカップデイの日本馬出走レースを中心に展望させていただきました。ありがとうございました。
ドバイシーマクラシック2024
名:それではドバイシーマクラシックのほうを見ていきたいと思います。正直に申し上げますと、今年のメインレースはこちらのレースなのではないかと思うほど、今年はメンバーが揃いました。
昨年はイクイノックスが圧勝しましたが、今年は何と言ってもディープインパクト最後の大物、オーギュストロダンが出走してまいりました。ご存知の通り、昨年の英国ダービー、アイリッシュダービー、そしてアイリッシュチャンピオンステークスにブリーダーズカップターフとG1を昨年4勝しております。
ディープインパクト産駒のオーギュストロダンですが、私個人的には、ブリーダーズカップターフが小回りで速い芝でどうなのかなと思ったところ、ブリーダーズカップターフに出走した馬の中で一番機動力があり、一番速いターフにフィットしたという、非常にこれぞディープインパクトなのかというような印象を受けました。ここに入っても、当然実績的にも1番か2番を争う馬だと思います。
それに対して、日本勢が豪華すぎますね。リバティアイランド、昨年のドバイターフも筆頭に、スターズオンアース、さらにはジャスティンパレスとシャフリヤールもいるということで、非常に日本馬の層も厚い出走メンバーになっているかなという感じがします。それに加えて海外馬も、例えばフランスから遠征しているジュンコなんかは昨年のHong Kong Vaseの勝ち馬ですし、その他にも昨年のドバイシーンに出走していたドイツのシスファハンであったりだとか、イギリスから遠征している古馬G1級のエミリーアップジョン、このあたりもコロネーションカップの勝ち馬です。非常に出走馬のG1勝ち馬を並べるだけで非常にクラクラするぐらい、非常に眩しいメンツが揃っているかなという感じですね。
海外馬の中ではオーギュストロダンが最初に申し上げましたがトップなんですが、エミリーアップジョンあたりも、ヨーロッパ路線では牝馬限定とはいえ実績を残してきている馬ですし、ジュンコあたりもHong Kong Vase、バイエルン大賞とヨーロッパのG1を勝っています。日本馬対オーギュストロダンという構図ではありますが、海外馬、エミリーアップジョンであったりだとかジュンコあたりを絡めて日本馬というような馬券を買いたいかなと個人的には思っています。正直、このレース馬券を買うよりも見るレースにしたほうが幸せな結果が待ってそうな気も個人的にはしております。というところで非常に層の厚い日本馬の解説を、こひさんのほうからお願いいたします。
こ:このレースは全頭のプロフィールを舐める必要はないようなイメージですね。半分予想的な感じでお話をしたいと思います。スターズオンアースとリバティアイランドの対決が一番注目を集めるところかなと思いますが、やはり一番大きなポイントになるのは、去年のジャパンカップの時の斤量差2キロが、今回のこの舞台ですと0.5キロ差まで縮まるというところです。ジャパンカップのときにはスターズオンアースは臨戦過程的なところに不安があった状態で、0.1秒差というところを考えますと、私の中では今回はこの2頭の中ではスターズオンアースのほうをあえて上に取りたいなというふうにまず思っております。
とはいえ一番買いたいなと思うのは、枠を見た瞬間にジャスティンパレスのほうです。こちらが一番馬券的に面白いかなと思っています。この馬自身も、去年の天皇賞(秋)のパフォーマンスですとか、有馬記念についてはコースが純粋に合っていなかったというふうに私は思っています。今回のドバイSCの場は、あえて引いた3番枠プラス鞍上もモレイラというところで、あまりこれまでの完全な後ろから行くというような形ではなくて、ある程度の位置を取りに行ける、ポジションを取りに行ってどれぐらい脚を使えるかという、そういった新境地が見られるんじゃないのかなと。これまでのジャスティンパレスと違う印象のレースをして、いいパフォーマンスを出してくれるんじゃないかなというようなところの期待感をすごく持っていますし、人気のほうは、上位人気馬のほうがある程度吸ってくれるというところもありまして、非常にこの馬がどういうパフォーマンスをしてくれるかというところを注目しています。血統的なところの背景を踏まえますと、ここでこの馬が勝ち切ると市場価値がものすごい上がる形になりますので、そういう意味でも本当の勝負のレースだろうなというふうに思います。
あとはシャフリヤールですね。6歳になっても世界を転戦して頑張っていく姿と、今回もやはり安定してそつなくC.デムーロを鞍上に迎えるというところがあります。この馬も本当に乗り方一つで、上位に顔を出しても全然おかしくないんじゃないかなというような印象です。こんなレースがドバイで見られるということがまず幸せだなと思いますし、こういったレースがありながらも大阪杯ですとかいろんなレースも、じゃあ今年のメンツはしょぼいよねというほど目立たなく揃ってるというところが、すごく日本馬の層の厚さを感じさせられます。
ドバイターフ2024
ドバイターフのほうを紹介していきたいと思います。こちらはJRAでの人気、それから海外でのブックメーカーの人気、どちらも昨年の有馬記念2着、ドウデュースが1番人気となっております。日本式のプールでは、オッズ1.8倍と非常に人気がかぶっている状態ですね。
2番人気が、海外のブックメーカーのオッズでいくと、横並びなんですが、前走、メイダンで行われましたジェベルハッタを勝っている地元のメジャードタイム、こちらはフランケル産駒なんですが、こちらがだいたい2番人気。そのあとは、日本から遠征しておりますダノンベルーガが昨年のこのレースに3着ですね。
このレースは現在3連覇中、4連覇がかかるライアン・ムーア鞍上のロードノース、アイダン・オブライエンが送り込んできている、ルクセンブルク。それから香港からの遠征はここに2頭いるんですが、そのうちの1頭、ヴォイッジバブルあたりが人気をしております。日本式のオッズでは、今見るとヴォイッジバブルが2番人気なんですね。
この馬、前走でロマンチックウォリアーとタイム差なしの2着、3走前が香港マイルでゴールデンシックスティのコンマ2秒差の2着ということで、香港におけるマイルと中長距離のチャンピオンと非常に差のない競馬をしているということで、実力は確かなものがあるだろうという馬なんですが、この馬を2番人気に推すあたり、今年の日本人の穴馬の1頭なのかなという気がします。結果はまだ分からないんで、穴馬になるかどうかわかりませんが、なかなか日本人の皆さんお目が高いというような気がいたしております。ドバイターフの出走馬について、ブックメーカーと日本式オッズの人気の違いを比較しながら、有力馬の特徴を解説いたしました。
一方で、ブックメーカーで人気をしているロードノースやルクセンブルクが、日本式のオッズではドウデュースが被っていることもあり、それぞれ単勝6番人気、7番人気となっています。デットーリとムーアをこのオッズで買えるのであれば、この2頭も押さえておきたいですね。ドウデュースについては詳しいことは後ほど小池さんにお話いただこうと思いますが、昨年このレースが取り消しになっているため、2000メートルより短い距離を走るのはかなり久々です。果たしてこのオッズで買っていいのかという疑問もあります。
そのため、海外馬を中心に買いたいと思っていますが、私が一番買いたいと思っているのは、16番ゲートを引いた牝馬のナシュワです。この馬は前走の昨年のQE2で6着に敗れていますが、このときは非常に馬場が重たかったのです。この馬は3走前のヨークのインターナショナルステークスで4頭立てとはいえ、モスターダフの2着に入っているように、男馬相手の一線級でも中距離戦で好走ができる馬です。ヨークのインターナショナルステークスはイギリスの中でも馬場の硬い、時計の速い馬場なので、ドバイの馬場も合うのではないかと思っています。
ブックメーカーのオッズでは現在10倍ですが、日本式のプールだと40倍付いています。鞍上は日本でも2年連続で短期免許を取得しているホリドイルジョッキーです。前走は馬場が合わなかったこと、マイルもちょっと短いかなという馬なので、1800メートルに伸びる今回、馬場も軽い目になるというところで、私はナシュワから振り回してみたいと馬券的には思っております。では、ドウデュースを含めて日本馬の解説を、こひさんにお願いいたします。
こ:日本馬はこのレースでいうと中心格はドウデュースというような形にはなるかなと思いますが、私の中でもドウデュースで本当にいいのかな?というところはちょっと思っているところがありまして。この馬はもともと朝日杯、そしてダービー、そして先日の有馬記念という形でもありますが、もともとダービーで印象的なパフォーマンスを出していたこともありまして、どちらかというと直線が長いコースを持つような印象はあるんですが、やっぱりこの馬がものすごく強いパフォーマンスを発揮したときというところを思い返してみますと、有馬記念が一番象徴的なんですが、コーナーでの機動力力とかそういったところにこの馬の強いポイントは移ってきているのではないかと個人的には思っています。この馬場のワンターンの芝1800mという条件が果たしてこの馬にとって良いのかなというところは、私自身若干疑問を感じているところですし、ちょっとこの人気ですと、この馬が日本の総代表として今年の5歳世代を引っ張るというのは、絵は美しいですし、とてもそれを見てみたいという気持ちはあるんですけど、馬券的には別のところから入りたいなという印象は正直あると思っています。
そうなってくると、同世代でよくやり合いをしているダノンベルーガ、この馬にはこういった条件はほぼベストではあるかなと思いますし、乗り慣れたモレイラ騎手を鞍上に迎えるような形で、日本馬が日本馬なりのパフォーマンスを出したときの安定感というところで考えると、この馬は十分に検討する権利はあるんじゃないのかなと思っています。ちょっと人気のところの比較で見ると、こっちのほうが買いやすいかなと。
ナミュールですが、ちょっと外目の枠を引いてしまいましたが、この馬もやることがすごくシンプルな馬でもありますし、いろんな騎手に手代わりをしてくる中であっても結果が出ているところです。前走の香港マイルも、一定自分の競馬をしてしっかり勝負に加わることができたというところで、展開がある程度向いてくれたらというところはありますが、この馬が一定馬券圏内に顔を出してきてもおかしくない、そういった破壊力はあるんじゃないかなと思っています。とはいえ、勝ち切るほどのインパクトは若干疑問ではありますが、ケアをしても良い馬ではないかなという印象です。
最後になりましたが、マテンロウスカイですね。この馬も、昨年のオープンのリゲルステークスを勝って、今年も中山記念をいい内容で勝ち切るなど、非常に充実気味はあるのかなと思いますし、この舞台で、そこまで前を主張する馬がいない状態で横山典騎手がどういう選択をするか。いっそハナを取ってペースを世界の舞台で握るみたいなことがあると非常に面白いだろうなというところで、どういう戦術を取るかをすごく楽しみにしています。
一部のメディアでもありましたが、横山典騎手がドバイに遠征するということ自体が、もともとのドバイワールドカップデーの記憶の始まりが、たんぱラジオを聞きながら、実況から消えたぞホクトベガはどこに行ったんだと思っていたような自分の身からすると、彼が再びドバイの地に遠征してくれたということ自体がすごく嬉しいなというところでもありますし、ぜひ彼らしい騎乗を見てみたいなと思っています。
私も多分馬券的に言うと、ドウデュースを中心としたところはあまり買いたくないなというところがありますので、海外勢を中心に、他の日本馬とうまく絡ませて馬券を買いたいなと思っています。以上です。ありがとうございました。