2024年春の主役は藤岡佑介?セキトバイーストの出方から占う桜花賞展望
第84回桜花賞
こひ(以下、こ):近年のクラシックの本番直行傾向がより強まりつつある今年ですが、阪神JFの1,2着がぶっつけで本番に向かい、1,2月のステップレースであるフェアリーS、クイーンC、エルフィンSの勝ち馬ももちろん直行と、出走馬同士の横の比較がとにかく難しい構図になりました。さらに、この世代を語る上で常に話題の中心にあり続けてきた「ボンドガール組」。その総大将であるボンドガール自身が1/3を引いての除外でニュージーランドT周りになってしまったこともありより難解に。少ないキャリアで桜花賞までたどり着いた馬が多い中、どういったペースになるかを想像し、そのペースに対する対応力について実績を踏まえてこれまた想像を膨らませる。そういったアプローチが必要なレースなのかなと思っています。なお、関西エリアは今週後半にようやく桜が花開いてきた状況。近年の桜花賞はよく桜が散らずに本番まで残るのかという話題にもなっていましたが、今年は馬場造園課も「馬なり」調整で4月7日を迎えられるのではないでしょうか。まさに満開手前の阪神競馬場で、どの馬が大輪の花を咲かせるのか。抜けた一番人気はいませんが、ハイレベルなレースは期待できると思います。
レースのカギを握るのは、2024年の競馬界の中心に突如君臨した藤岡佑介とセキトバイーストでしょう。前走、速めのラップを先行して最後までスウィープフィートに抵抗したこの馬が、同じく藤岡鞍上で逃げて結果を出した同型エトヴプレより内に入り、ペースを握ることになりそう。父デグラレーションオブウォーでもあり、控えて瞬発力で戦って味がある馬ではないでしょうし、今の藤岡佑介であれば自分でラップを作ってくれるのではないか、一定早めに流れていく展開になると信じて予想を組み立てたいですね。そして、セキトバイースト自身が馬券圏内に残るまで含めて考えたいです。
こういった藤岡佑介プロデュースの流れで上手くハマるかもしれないのは、速い流れに対する対応を過去示していて、さらに立ち回り良く台頭できそうな内目の枠を引いた馬。2枠3番イフェイオン西村敦也、4枠8番のコラソンビート横山武史あたりが、上手くそう言った競馬ができそうという鞍上への期待も含めて該当すると思いますし、ペースが流れて折り合えるようでしたら、2枠3番のキャットファイトあたりもチャンスはあると思います。
そしてセキトバイーストの速めの流れが前提であればもちろん、そのチューリップ賞を外から豪快にまとめて差し切ったスウィープフィート、思ったほど人気していない印象ではあるのですが、普通にまとめて面倒を見てしまってもおかしくないのではないでしょうか。鞍上武豊であればしっかりと後方から決め打ちしてくれるでしょうし、前走のパフォーマンスが再現されてもおかしくはありません。
人気の阪神JFの1,2着組は、高いパフォーマンスを出しているのが上がり33秒台で決め手を求められているレースである点に不安はあると思います。当然、速めに流れる競馬の経験が足りないだけで、今回のレースで秘められた適性を見せつける可能性はある馬ではあるので無印にするというほどではないのですが、混戦の中人気するのであれば、押さえの扱いで様子を見る手もあるのではないかと思います。あとは川田騎手のクイーンズウォークですね。この馬は元々からオークス向きと言われていて、長めの距離を使って来てからの距離短縮のクイーンCでこれまた瞬発力で勝負を決めてきたキャリア。そこを思うと速めにラップが流れてさらに内目の1枠2番となると、なかなかマイルの流れに対応するのが難しいレースになる可能性は高そうです。瞬発力勝負で結果を出してきた馬の中では、大外に入ったチェルヴィニアは一定速めの流れでも適性を秘めているかもしれないと思っています。動きやすい枠と、大阪杯でも猛威を振るった父ハービンジャーの血統からの後押しも含めて、この馬は対応できちゃうかもしれないと思っています。
展望としては一貫して、藤岡佑介のレースメイクを信じる形でまとめてみましたが、今年の競馬を面白くするのは、たぶん藤岡佑介だ、という前提の元に桜花賞を展望してみました。藤岡佑介が行くか、そしてスピードメーターはどんな数字を刻むのか、そして藤岡佑介のペースを信じた騎手は誰なのかという観点でレースを見たいなと思っています。
蒼山サグ(以下、蒼):ゆたさんから、いかがでしょうか?
くらみゆた(以下、ゆ):そうですね。この2年桜花賞はスターズオンアースと、それからリバティアイランドと牡馬とやれるような勝ち馬が出ていたのですけど、今年のメンツでそこまでの馬がいるかというと、ちょっとそのイメージは湧かないなというところもあります。最近の桜花賞は、どちらかというと前から粘る馬の方が目立つところがありますので、今回もそっちを狙っていく方がやはり馬券的に面白いのかなと思ったところではありますね。
あとは、ちょっとやはり気になるところはステレンボッシュ、それからチェルヴィニアあたりですね。前走からルメール騎手ではなくて、モレイラ騎手とムルザバエフ騎手に乗り代わっているので、溜める競馬じゃなくて、前進気勢の強い形になるのかなと思うので、そこがどれくらい先行勢のプレッシャーになるのか。今回、ステレンボッシュを若干外目の枠、チェルヴィニアも大外という形になりましたので、どこまでそこが影響するのか分からないんですけれども、その点も注目なのかなと思います。やはり私も馬券的にはイフェイオン、それからコラソンビート。その辺に対して、一頭差してくるのがアスコリピチェーノなのかクイーンズウォークなのかみたいなところを考えていくのが必要かなと思っています。
あとは、小ネタですがTargetでは種牡馬の血統を色分けしているんですけど、ノーザンダンサー系が多いんですよね。私の出馬表は青くなってます。一方でサンデーサイレンス系は少なめ、緑色がいつもより目立たないって感じになっているので、そういう意味でも結構タフな前受けが求められる競馬になる可能性はあるんじゃないかなと思っています。
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