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ダートグレード牝馬路線定点観測(2024年1月号)


2024年のダートグレード牝馬路線

 2024年も始まりまして、3歳のブルーバードCから再編された新しいダート路線がいよいよ始まりました。牝馬路線のスケジュールについて、改めて整理しておきたいと思います。

2024年のダートグレード牝馬路線(JRA出走枠は想定)

 これまでは1月にTCK女王盃、2月にエンプレス杯があり、そこからやや間が空く印象でした牝馬路線ですが、今年からは上半期のターゲットとして、エンプレス杯が5月に移りました。そこに向けて2月にハンデ戦のクイーン賞が、そしてTCK女王盃が園田に移った兵庫女王盃が4月に行われるというカレンダーになります。この2レースが、多分これまでの前例を見るとJRA枠が4つしかない狭き門となる点も大きなポイントとなります。秋から冬の上がり馬がなかなかそのままダートグレード競争の枠に入れなくなる、そういった事象も起こってきそうです。

 秋に向けては大きな変化はありませんが、3歳馬にとってはマリーンCが世代限定重賞として、JBCレディスクラシックの前にあることが大きな変更となりました。これにより、3歳馬が比較的JBCレディスクラシックの出走枠に入りやすくなったと思います。このレースができたことにより、3歳世代が古馬とぶつかるのはJBCから、となる可能性も高まります。コンスタントに毎年1,2頭、JBCの枠に入るようになると、非常に世代間の比較が面白いレースになりそうです。

 なお、今年のJBCレディスクラシックは佐賀競馬場、1860mでのレースとなります。フルゲートは12頭かと思いますので、JRAの枠は5つになる見込みです。

2/7:クイーン賞(Jpn3)賞金ボーダー

 続きまして、そんな今年のダートグレード牝馬路線の第一弾、クイーン賞のボーダーとなります。選定馬の発表は1/21、この記事を出した翌日と思われます。まずはいつものボーダー表を。出走枠は4の見込みです。

クイーン賞ボーダー予想(2024/1/20現在・4枠見込み)

 テリオスベルライオットガールアーテルアストレアに対して、上がり馬のサーマルソアリングオーサムリザルトの抽選の勝者が挑む構図になるのかなと思っていたのですが、昨年のフローラSの勝ち馬であるゴールデンハインドがなんとここでダート路線に殴り込みを選択し、上がり馬2頭は補欠、という形になる見込みとなりました。サーマルソアリングオーサムリザルトの2頭は使えないとなると残念ではありますが、牡馬相手のオープン特別でも十分やれそうな準オープンでの勝ちっぷりではありましたので、改めてそちらで賞金上積み、連勝を延ばして欲しいところです。
 ライオットガールテリオスベルは昨年暮れのクイーン賞の1,2着で、適性的にも不安はなく、アーテルアストレアも左回りの機動力に光るものがあり船橋適性は秘めている可能性は十分。あとはハンデ次第ではありますが、甲乙付け難い組み合わせですね。ゴールデンハインドにとっては船橋コースにこの相手と、いきなりからかなり難しい条件ではあるとは思います。

3歳牝馬、アンモシエラが交流元年のブルーバードCを制覇!

 今年からのダート三冠路線の整備で交流重賞となったブルーバードカップで、牝馬のアンモシエラが勝ち切る快挙がありました。元々、ハイレベルレースになることの多いもちの木賞を牝馬で制した時点で、オープン級の能力がある点は分かっていた馬ではあります。全日本二歳優駿で補欠になってローテが狂ってしまったこともあり、ホープフルSからここに向かうという強行軍、さらに馬体重は-12kgで冬毛の伸びた馬体と、あまり良い状態には見えなかったのが正直なところでした。しかし、レースは鞍上坂井瑠星の落ち着き払ったレース運びもあってまさに快勝となりました。

 短い距離を逃げてきたエコロガイアが行って隊列が固まり、人気のもう一頭であったバロンドールは向こう正面で外からまくり気味に押し上げていく中、インでしっかり我慢して直線では外に出す、今の船橋にピッタリハマるロスのない競馬で、きっちりと差し切りました。

 これでアンモシエラは本賞金として1000万円を積み上げることができました。ブルーバードC羽田盃東京ダービーの出走権にはつながりませんが、関東オークスマリーンCと続く3歳牝馬路線への出走をほぼ確実にするためには十分な金額であり、とても価値のある勝利だったと思います。この後の路線選択、前例のない立場でもあるので注目して見守りたいです。今年のダート三冠路線のルールも含めた、ローテ選択の幅広さについては、以下の記事がよくまとまっていました。

2022年JBCレディスクラシック覇者、ヴァレーデラルナ引退

 この時期は引退のニュースも入るシーズンです。2022年のJBCレディスクラシックを制し、牝馬ダートグレード路線を賑わせたヴァレーデラルナですが、昨年春、かしわ記念で逃げて以降の不振もあってか5歳で登録抹消、繁殖入りとなりました。

 この馬はやはり3歳時に連勝で牝馬限定準オープンのトルマリンSを制し、そのまま一気にJBCで頂点まで上り詰めた活躍が印象的です。3歳の上がり馬がそのままJBCまで勝てるという貴重な足跡を残しました。結果的に重賞タイトルはその1つとなりましたが、砂のドゥラメンテ産駒という印象も戦列に残し、妹のハーパーもあれだけ活躍していますから、これから繁殖としても大いに期待される馬だと思います。ぜひダートも行ける種牡馬を相手に迎えてほしいですね。

デリカダ、22ヶ月ぶりの復帰戦は14着

 そしてそのヴァレーデラルナと同期となる明け5歳、世代最強かもしれないと言われてきたデリカダが、1/14の小倉、門司Sで約22ヶ月ぶりの復帰戦を迎えました。これだけ感覚が空いた割には+16kgと、数字的には一定仕上がってそうに見えましたが、終始外を回す厳しい展開もあって4コーナーでは一杯になってしまう展開に。復帰戦は14着という厳しいものとなりました。とはいえ、馬体には問題もなく、短期放牧に出まして、改めて春にレースを使うことになりそう。なんとかコンスタントにレースを使って慣れて、2~3歳時の鮮烈なパフォーマンスを取り戻してもらいたいものです。

 以上、2024年一回目のダートグレード牝馬路線定点観測でした。今年も月イチ、しっかり残して行きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

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