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福永祐一厩舎重賞初勝利と、モーリスの良さが存分に出たノースブリッジ(北橋)の勝利を振り返る(第60回CBC賞・第60回札幌記念回顧)

この記事は、競馬評論サークル芯力のスペース2024.08.18 16:30~からの文字起こしです。


第60回CBC賞

蒼山サグ:
中京で行われましたCBC賞の回顧をこひさんの方からよろしくお願いいたします。

こひ:
はい、ではCBC賞の回顧をさせていただきます。有力候補の1頭でした重賞連勝中のピューロマジックが実質トップハンデを嫌って回避、サマースプリントシリーズのハンデ戦らしいメンバー構成で、1番人気は条件戦を連勝してきたキタノエクスプレスという構図にありました。中京はこの夏開催芝の状態もよさそうで、一定イン有利も見込まれるレースでした。

レース前にはサウンドビバーチェがこの馬としては3度目になるような放馬というような形に。私は個人的には今回サウンドビバーチェがスタートでうまく前に行けたらという馬券の買い方をしていたので、この時点で顔をしかめるしかなかったというような感じでした。ただ永島まなみジョッキーにも馬にも大きな影響なくレースには無事出走となっています。

スタートではピューロマジックばりのロケットスタートをこのレースでスプリント初距離で距離短縮をしてきたという形になりましたスズハロームが決めました。ただ、すかさず内からグランテストがハナを奪っていく形になりまして、また外からアネゴハダなど結構押し寄せてくる形。結局ロケットスタートを切ったスズハロームですが、あまりポジション取りに行かずにインからドロップオブライトがかわしていくというような形になりました。

スタートからのインの隊列が逃げているグランテスト、その後ろにドロップオブライト、その後ろにスズハロームというような形になりまして、2ハロン目に10.3秒とかなり流れていったというところもありまして、終わってみればこのインから隊列を組んでいた形の3頭がそのまま1、2、3というような形になりました。ここでのポジション選択というのは結果に直結したような印象になりましたね。直線では逃げ粘るグランテストにスムーズに外に出したドロップオブライトが並びかけまして、その後ろから狭いところをこじ開ける形になりまして、スズハロームも伸びてくるというような形で、最終的にドロップオブライトが抜け出した後に、スズハロームが迫ってきたところがゴールというような形になっています。ドロップオブライトは福永祐一調教師の管理馬というところで、調教師の嬉しい初重賞が得意とした中京というような形になりました。

勝ったドロップオブライト。この馬については今回も1枠1番という枠を最大限に生かした競馬、幸英明騎手のポジション取りというところが最後まで効いてきたなというふうに思います。今回のレースについては、全てがうまくいって勝ち切った、そういった印象になってしまいますが、そういった枠順を含めた巡り合わせをきっちりと結果につなげていくものにできる陣営の準備と鞍上の手腕というのは本当に称えられるものかなというふうに思います。福永師も元々解散した松永厩舎からの引き継ぎの馬というところで、引き継いだ馬を、そこから半年で重賞勝利まで持っていくという手腕というのは、素晴らしいなというところをあらためて感じたところです。

2着のスズハローム。これは初のスプリントでややちょっと最後の直線での加速に時間はかかってしまいましたが、スプリントへの適性を示して、賞金も詰めてというような形になりました。負けたところでの注目はジャスティンスカイですね、この馬が4角でインから外へ斜めに走っていきまして、かなりの距離ロスを持って大外に持ち出したというところでしたが、最後かなりいい脚を使って差を詰めてきて5着でした。この馬の場合、ペース次第、ハマれば上位争いというところのポテンシャルは改めて見せてくれた、そういった印象です。あとは4着に入りましたメイショウソラフネですね、人気薄でしたが、外目の枠で気分よく走れるというような条件の時には、今後も人気もないだろうと思いますので、狙いたいなというような、そんな印象を持ちました。一旦こちらの方からは以上です。

蒼山サグ:
はい、ありがとうございました。ゆたさんの方からコメントございますでしょうか。

くらみゆた:
先週は中京競馬場でキングヘイロー産駒、リフレーミングが勝ちました。福永師も感慨深いのかなと思ったら、このレースは福永師が勝利。この後、札幌記念をその流れで、福永祐一といえば北橋厩舎というところでノースブリッジが勝つというサインが繋がっているので、来週あたりは瀬戸口元調教師あたりの何かサインがあるか注目したいなというふうに思いました(笑)。

それと、このレース馬券取れたんですけども、ドロップオブライト、福永調教師のレース前のコメントがかなり具体的にで「かなりメイチの仕上げでも体重の減らなくなったし、ここは色気がある」とあったので、注目していた結果になります。福永師のレース前のコメントの一つのパターンとして覚えておきたいと思いますね。

蒼山サグ:
騎手自体も馬のジャッジの正確さは群を抜いていましたし、それが調教師として継続しているようだと、僕らとしても馬券買いやすくていいですね。

第60回札幌記念

蒼山サグ:
続きまして札幌のメインレース、札幌記念の回顧の方に移りましょう。こちらはまずゆたさんの方からよろしくお願いします。

くらみゆた:
最近は1番人気があまり勝てないと言われている札幌記念。実績馬が秋に向けての始動という側面と、賞金は7000万円と大きいので、ここをしっかり勝っていきたいという馬がぶつかるレースというところで、その辺のアヤがあるのかなというふうに思います。今回も1番人気のプログノーシスが敗退、同じく香港帰りだったノースブリッジが勝利という形になりました。

今日のレースはとにかくスタートが大きかったですね。1番人気のプログノーシスがゲートに寄りかかるような体勢からのスタートで出遅れ、このタイミングでゲート切るんだっていうぐらい脚が揃ってなかったように見えたんですけども、これでスタート切られているところでだいぶいきなり不利があったというところになりました。(ゲートでは川田騎手の悲鳴が……)

あとは中1週で色気を持って先行すると思ったドゥラエレーデ、この馬が逃げると思われたんですけど、こちらも飛び上がるようなスタートで後方からという形になりました。前に行く馬もいない、有力馬が後ろからというところで、前有利の流れが決定的な状況になりました。

そんなスタート後、アウスヴァールが逃げるところを外から楽にノースブリッジが2番手につけるという展開で1コーナーに入っています。人気馬で言うとシャフリヤールはスタート良かったんですけど、ちょっと抑えながらというところもありましたので、かなりゆったりとした流れで1コーナーから2コーナーに入っていきました。前半の3ハロンが36.3秒、最初の1000mも60.5秒というかなり緩い流れだったにも関わらず、馬群は縦長。これはやはりドゥラエレーデが後ろからになってしまったというところと、プログノーシスも、ゲート出た後、前に進めず追走が危なっかしい状態になってしまったというのが影響したのかなと思います。

この展開だと最初にお話した通り、2番手のノースブリッジ、ここがやはり有利ですね。残り800mぐらい過ぎからじわっと上げていくと、ここ大回りの札幌のコーナーをじっくり加速していって、直線に入ると危なげない走りでの押し切りとなりました。2着にも好位から内から伸びたジオグリフ、3着にステラヴェローチェというところで、1番人気のプログノーシスは4着という形になっています。

勝ったノースブリッジ。レース後のインタビューでは岩田康誠騎手が話した通り、スタートをゆったり入れたというのは大きかったと思います。2000mという距離で、前半ゆっくり入りつつポジションを取って、後半はペースを上げて、そのまま後続を振り切るという走りは、ジャックドールも同じような走りをしていたんですけれども、モーリス産駒の最高の勝ちパターンだったと思います。このパターン、成立するかは最初の400mが他力という形なので、なかなかはまらないところはあるんですけれども、この前半を乗り切ると本当に強いところを見せられるというのがモーリス産駒の特徴かなと思います。

日本のG1とかG2ではジャックドールも勝っているように、大阪杯札幌記念ぐらいしかないので、今後どこで同じようなレースができるかというと、なかなか難しいところはあるんですけれども、今後モーリス産駒がでてきたら注目していきたいというふうに思いました。ノースブリッジ自体、岩田康誠がしっかり付き合って育ってきているというところがありますので、今後楽しみではあるんですけれども、どこでタイトルをつかめるかというと、なかなか難しいところがあるので、陣営の判断には注目したいと思います。

2着のジオグリフはやはり展開が良かったですね。あとは洋芝というところもあったと思います。毎回しっかり走っているのが立派だなと思いました。ステラヴェローチェはこの展開だったらもうちょっと前との差を詰められてもよかったんですけど、どうしても上のクラスで脚が足りないなというところで、やはりバゴ産駒の難しさというか限界というところもあるのかなと思いました。

4着のプログノーシス。今日はとにかくメンタルがレースに向いていなかった印象があります。こういうポカがあるので、なかなかG1勝てないのかなとは思うんですけれども、この後オーストラリア。ちょっと勝てるイメージがわかないですね。5着のシャフリヤールもペースが上がったところでついていけずというところで、この馬も元気に走っているんですけれども、馬がもうこれくらいでいいやというような感じになっている気もするので、なかなか難しいなというふうに思いました。改めて振り返ってみると本当にこの馬の成績は、福永祐一騎手がダービーを勝たせた馬という形の成績になっているなと改めて思ったところでございます。以上になります。

蒼山サグ:
はい。ありがとうございました。続きましてこひさんのほうからもよろしくお願いいたします。

こひ:
この札幌記念ですが、終わってみれば上位人気5頭の順番が違うというような形になりまして、一定の実績馬でちゃんとここに照準を合わせてきてペースがはまる馬というのが真価を発揮したんだなと改めて思います。あとはボッケリーニがレース前に除外になってしまったということですね。先ほどサウンドビバーチェから買っていて放馬されたという話をしたんですが、私こちらのレースはボッケリーニから買いまして、こちらは除外で全額返還というような形でした。今週は肩透かし気味の結果になってしまったような感じでしたね……。

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