ダートグレード牝馬路線定点観測(2023年3月)
芯力の定期コンテンツとしまして、芯力の1メンバーの習慣となっています、ダート牝馬路線の長期定点観測を連載していきたいと思います。ダート牝馬路線と聞くと、印象としてはJRAのオープンクラスのレースはなく地方交流競走中心で、JBCレディスクラシックくらいしか大舞台がない、そんな地味な路線ではないかと思います。元々、ダート路線は芝以上に牡馬優勢で、牝馬は混合戦では成績を残せませんでした。しかし近年の牝馬優勢の時代はいよいよダートにも進出し、ダートグレード競争で名を挙げたマルシュロレーヌのBCディスタフ制覇をはじめとして、ショウナンナデシコのかしわ記念制覇や、サルサディオーネの日本テレビ盃制覇、直近では牡馬混合でも自分のスタイルで存在感を示すテリオスベル等、存在感を見せる牝馬が増えてきています。
そして、この路線はある程度閉じた路線であること、そして牝馬限定であることから、以下のような長期的に見ていくには面白い要素がそろっているのです。
メンバーが固定化されやすく、少頭数になるからこそ見える適性や個性
3月に一定の繁殖入り引退馬が発生し、自然と起こる世代交代
この路線に参戦しようとする馬たちの、激しいボーダー争い
地方転厩からダートグレードに殴り込む馬たち
牝馬路線から牡馬路線に飛躍する近年のトレンド
ちょうど3月になり年度替わり、このタイミングからダート牝馬路線はメンバーが入れ替わり、構図が変わってくるタイミングです。来年以降は牝馬路線も含めたダートグレード競争の再整備が行われることもあり、今年度から定点観測をやっていき、これからのダートグレード牝馬路線を予測することも面白いのではと思います。基本的に、ダートグレードレースの出走馬が決まる前の現状、ボーダーの整理と、注目の3勝クラス限定戦に触れつつ、定点観測をやっていければと考えています。
ダートグレード牝馬路線、2023年度は以下のスケジュールです。番組変更もあり、クイーン賞の後にクイーン賞がやってくる不思議な構成となっています。
ダートグレード牝馬路線 2023年度スケジュール
2023/4/12:マリーンC(Jpn3・船橋1600)
2023/7/5:スパーキングレディC(Jpn3・川崎1600)
2023/8/17:ブリーダーズゴールドCC(Jpn2・門別2000)
2023/10/5:レディスプレリュード(Jpn2・大井1800)
2023/11/3:JBCレディスクラシック(Jpn1・大井2000)
2023/11/29:クイーン賞(Jpn3・船橋1600)
2024/2/7:クイーン賞(Jpn3・船橋1800)
第一回目は、4/12に開催されますマリーンCを踏まえたボーダーの整理から。現時点で出走の意思表明をしている馬がわずか2頭で、ぼんやりとしたボーダーになっています。JRAの枠は4頭です。1+2+3と書いています通算の賞金を踏まえた順位から3頭がまず選出、そして2+3と書いています直近1年だけの賞金を踏まえた順位から1頭が選出されます。これがわかりにくく、手動のスプレッドシート計算で算出しています。
マリーンCは大一番エンプレス杯の後であり、グレード別定、距離も1600mと短くなることから、賞金を持っている組はあまり出てない傾向があります。このレースで賞金を積んで、今後のダートグレード路線に殴り込む、という位置付けのレースになることが多い印象。今年ですと、3勝Cを勝ってきた連勝中の上がり馬ペルアアがこの路線に定着できるかの試金石になりそう。レディバグ、プリティーチャンス、ナンヨーアイボリーあたりも登録してくると枠に入れますし、南関東組もサルサディオーネが引退しましたのでチャンスは大きいレースと思われます。エイシンチラーが芝路線から初ダート挑戦を狙ってエントリー予定ですが、同じような芝路線からの転向もある程度出走が叶いそうな構図に見えます。
ちなみにダートグレード競争は、レース日を起点として三週前のJRA開催終了日の17時くらいが出走予定馬の発表になります。今回のマリーンCであれば4/12の水曜日開催のため、一週前4/9→二週前4/2→三週前3/26が出走馬決定のタイミングとなります。基本的には日曜に発表されますが、三日間開催の場合は月曜に発表というケースもあります。これは牝馬路線に限らず同じルールですので、いつ出走馬決まるんだろうとお悩みの方は参考にしていみてください。
マリーンCの展望や回顧については、芯力のスペース等でもタイミングが合えば出していく予定です。このような形で、これからダートグレード牝馬路線の定点観測を文章化して残すことができればと思います。