2023年第23回アイビスサマーダッシュ・第71回クイーンS・ポプラS・新馬戦回顧
第71回クイーンS
蒼山サグ(以下、蒼):札幌のクイーンSの方を回顧していきましょう。こちらはゆたさんからよろしくお願いします。はい、よろしくお願いします。
くらみゆた(以下、ゆ):クイーンS、こちら重賞馬は何頭か出走していたものの、G1では通用しない馬だったりとか、戦績が安定していないメンバーというものが多かったと思います。したがって、クイーンSらしいと言えばらしいんですけれども、札幌の開幕週の適性が問われるようなレースになりました。
スタートから見てみますと、サトノセシル、こちらちょっと人気だったんですけれども、スタートが安めでした。一方で内訳からライトクオンタムが引っ張る形というか逃げる形をとっています。芝の1800mというところもあるので1コーナーまで距離が短いというところと、逃げているのが武豊という形になりました。ので早々と対決が決まる形になりました。向こう正面に入ると内ラチ勢は結構落ち着いた走りだったんですけれども、外の古川菜穂が今回重賞初騎乗だったんですけれども、グランスラムアスクはちょっと制御しきれないような形で、じわじわポジションを上げるような形になっていました。武豊が刻んでいるラップというのは、結構起伏のない淡々としたラップで、1000mから800mが11秒6という形。その後はずっと11秒7が続くというような形でしたので、特に先行していた外の隊列の馬はかなりスタミナを問われる展開になったのかなと思っています。その中で4コーナー手応えが良かったのがドゥーラ。まくり気味に上がっていったらもう1頭突き抜けての1着と。あとは外からルビーカサブランカが伸びたんですけれども先ほどお話しした内ラチ沿いでうまく脚を溜めていたウインピクシスとコスタボニータが2,3着という結果になりました。
個別に見ていきますと勝ったドゥーラ。こちらは私もオークスで期待していた1頭だったんですけれども、このメンバーで51キロかなり恵まれたメンバー構成でしたので馬券も取らせてもらいましたが、良いレースだったと思います。期待通りでしたし、レースとしてもスタミナを問われる展開という形になりましたのでドゥラメンテの血が騒いだというかぴったりだったのかなと。ただここは洋芝ですので、秋のG1戦線、秋は野芝で時計も速くなってきますので、すぐにどうかというのは分からないんですけれども、こういうスタミナが問われるような展開になるようだったらマークが必要かなと思っております。鞍上も今日は本当にもレースはうまく乗っていましたので、ケチをつけるとしたら、ガッツポーズがちょっとキモいなというぐらいかなと(笑)
蒼:どこに向いていたんですかね(笑)。方角を見定めると札幌の繁華街の方に向いていた可能性がありますかね(笑)
ゆ:札幌組はよく遊んでいる人が多いと聞きますから、この後LINEにいっぱい通知が来て、賞金で遊びに行くのかどうか分かりませんが、とにかくガッツポーズ以外は良いレースだったかと思います(笑)。あとはちょっと内ラチ沿いでという意味で言うと、スタート直後パトロール見ると、ローズライトの鮫島騎手がスタート直後まっすぐ走らせてから寄せていって先行していってというところで、外組はやりづらそうというところもありました。ですので、やっぱり外から勝ち切ったドゥーラは評価しないといけないなと思いますし、鮫島騎手は今年春からの競馬見ててもよく乗れているレースが多いなというところもありましたので、今日も人気なかったので負けちゃっていますけれども、意思を感じる競馬だったのかなと。
あとはもうさっきも話した感じの流れですけれども、2着のウインピクシス。父ゴールドシップで内ラチ沿いでじっくり脚をためられてスタミナを問われる流れも良いという形だったので、これ馬券的に私拾えなかったちょっと痛恨だなと思いました。後から見ると拾える要素満載だったと思いますので、来年以降に活かしていきたいなと思いますね。あとは3着のコスタボニータ。こちらは枠が良かったのと松山騎手が綺麗に直線出してますので良かったと思います。あと4着のルビーカサブランカはちょっと前走がうまくいきすぎたというところがありました。あとはライトクオンタムですね。こちらは逃げの形でかなり厳しいラップを聞いて負けというところで、なかなかこの後どう乗るのか難しいのかなと思うんですけれども、重賞で通用するイメージは分からないので、逆にシンザン記念は本当によく勝ってディープインパクトの重賞勝ちをつなげたなというか、どちらかというとディープインパクトの持ってる運というかハマり具合を改めて思ったレースになったかなと思いました。
蒼:ありがとうございました。こひさんの方から何か補脚とかございますでしょうか。
こひ(以下、こ):はい、そういう意味ですと今触れられなかったところで5着に最後来ていたイズジョーノキセキですね。これが岩田康誠がやりがちな内側に張り付いて、空くの待ちの勝負をして開かないまま終わったパターンではありましたが、最後ちょっとだけ開いてから完全に間に合わないところから使っていた脚としましては、今回勝ち馬51キロでこの馬だけ57キロという負担重量を考えますと、なかなか6歳になっても全然衰えがないなというところがちょっと印象的でした。この馬自身が今回も斤量を嫌われててあんまり人気がなかったところもありますので、昨年同様秋もどこかで一発あるんじゃないのかなというところをちょっと期待しています。
第23回アイビスサマーダッシュ
蒼:アイビスSDの回顧をよろしくお願いします。
こ:毎年恒例のよくわからないレースでもありまして、今回もは外枠有利の傾向と、過去内枠からでも直線競馬で結果を出していたというところがありまして、ファイアダンサーが今回外に入ったぞということで人気の中心になっていました。ただ今回出走馬見回してもみんなリピーターだったり、ダートの短距離馬だったり、みんな適性を持ってそうなキャリアだったりで。徐々に適性とかで買っていくと切る馬の方が少なくなってしまうというような形で、なかなかどう買えばいいのかわからないというようなレースで、その難解さがそのまま結果に出たような形だったかなと思います。
今回やはり特徴的だったのが、だいたいアイビスSDは1週目とはいえ外枠の方が有利で、外枠の馬が馬券に絡むんですが、今回7枠8枠の6頭のうち最先着が18番枠でレジェーロというような形。これが5着というような形でしたので、かなりイレギュラーなレースになったかなと思います。ちょっとパトロールを見ながら何で7枠8枠の外枠の馬達は来れなかったのかなというところを見直してみました。一番人気のファイアダンサーはこれも皆さんご覧になってすぐ分かったかと思いますが、手遅れて終わってしまったような形(補足:その後熱中症だったとの報道)で、その外にいました15番のマウンテンムスメでもやや遅れ気味で、ファイアダンサーにも当たったかもしれないようなシーンもあったかなと思います。結果的に外から逃げた形になりました。シンシティも出はしたんですが、なかなかスピードが乗り切れず行くまでのロスが大きかったりですとか、その外からつけていきましたスティクスですね。これも若干立ち遅れ気味から序盤スピードに乗りキレないようなところ、その外のヴァカボンドも隣にいた内のヤマトコウセイとぶつかり合っていたりですとかで、先行しようと思っていた外枠勢がみんな何なりの形でうまくいかない競馬になって、スムーズに思い通りに乗れたのがレジェーロぐらいしかいなかったのかなというような形がまず一つ、この結果になったかなと思います。
あとは内枠勢がやはり斜めに走っていて、今回勝ったオールアットワンスの石川ジョッキーがスーッと内側に入れていったシーンというのは多分後のリプレイでよく分かったかなと思いますが、同じような動きをしていたのが3人いまして、3着のロードベイリーフですね西村ジョッキーと、あとチェアリングソングの藤田菜七子ジョッキーこの3人がやっぱり、スタートしてから200から400の間に、外ラチ、あるいはその手前までたどり着くというような形で、他の馬を行かせる形でスッと外に持っていったことが、今回1,3着というような形で非常に分かりやすく結果に結びついたのかなと思います。やはり1000mの直線結構、ジョッキーに左右されるなというのが改めて見直してみて思いました。特に特徴的なのがこのロードベイリーフとオールアットワンス、2枠と3枠の馬なんですが、道中外ラチからロードベイリーフとオールアットワンスで並んだ瞬間があるんですよね。やっぱりこの内枠からそこまで持っていって、道中しっかり外で溜めてで間をついていったというような形でうまく捌けたというところが今回の勝因だったのかなと思います。
あとは昨日の一勝クラスと比べても多分1秒ぐらいしか速くないような時計ですとかもろもろ見ていても、あまりみんな走らなかったレースではあったかなというところで、中々じゃあこれがこの先どこに繋がるのかというとルミエールオータムダッシュぐらいしか思い浮かばないというような結果にはなってしまいましたが、年一のこういうレースでもありますので、ガラガラポンの気持ちでちょっとジョッキーのところは気にしながら来年以降は買っていきたいなというのは見直して思いました。
蒼:はい。ありがとうございましたゆたさん。アイビスサマーダッシュについて何か補足などありますか?
ゆ:はい。そうですね。私の方は実はこの今話に出た中で一番着順の悪かったチェアリングソング藤田の方を期待して買ったんですけれどもはい。ちょっとダメだったんですけれども、やっぱり1000mの乗り方っていうのはやっぱり騎手の慣れというのがあるのかなというのが一つ。あと週中の芯力のニュースで紹介しているんですけれども、中日スポーツの獣医師記者の若原記者ですかね。こちらのコラムでちょうど1000m斜めに走るとどれくらい損するのっていうのが出てまして。ピタゴラスの定理で計算できますよという話で、中身はぜひ読んでいただきたいんですけれども、こちら見るとやっぱり斜めに走っても意外と損しないなっていうのが具体的に書かれておりますので、ぜひ読んでいただけるといいかなと思いました。
ポプラS
蒼:ポプラステークスの方からよろしくお願いします。
こ:はい、ポプラステークス。こちらはダート1700mの3歳クラスの条件でありますが、なかなか珍しく牝馬がワン・ツーというような形になりました。元々この条件では結構崩れないで来ていた2頭が、そのまま1,2着という形だったんですが、勝ったカラフルキューブですね。これが札幌のダート1700mとしてはずっと外を回りながら大外を回しきって上がりが他の馬よりも0.5秒早いというような形で突き抜けたというところで、父ドレフォンで母がカラフルデイズ。いかにも砂で走れそうな条件タイプの馬で、元々3歳時から目立った成績を上げていた馬ではありましたが、ようやくここでオープン入りというような形になりました。
週中に芯力のnoteでブリーダーズゴールドカップの5頭目がどの馬になるかわからないのを書いていたかなと思うんですが、多分ここ札幌にいて、勝ったということは、多分この馬がエントリーしてきまして、今日ですね。ギリギリ締め切りに間に合うので、これを積んで入ってくるだろうなというようなところで、よほど変な馬がエントリーしてこない限りは交流重賞出れるところまで賞金を積むことができたというような勝利になるんじゃないかなというふうに思います(補足:見事エントリーされたことが発表されました)。2着だったシダーは小回りの適性がある本当にキレのない先行する馬なので、このまま北海道開催中でまたチャンスが待ってくるかもしれないなと思います。
新馬戦プチレビュー
土曜新潟5R芝1600m
ダノンキラウェア
13.0 - 12.3 - 12.6 - 13.3 - 12.6 - 11.4 - 10.9 - 11.2
13秒台が挟まるスローペースをじっくり構えて最後は脚の違いで楽勝。上がりは33.2。ダノンスコーピオンの全弟。この血統に違わぬ重賞級の脚力。
日曜札幌5R芝1800m
パワーホール
12.8 - 12.1 - 13.0 - 13.4 - 13.1 - 12.7 - 12.2 - 11.2 - 11.1
ドスロー単騎逃げから4馬身突き放す。まだ良くなりそうな馬体。スワーヴリチャード産駒、前向きさがあって、緩さがないから先行できる。ハーツクライみたいに成長したら前に行けるとかではない、2歳から動けるフィジカル・メンタルがあるのが楽しみ。
日曜新潟5R芝1800m
カンティアーモ
12.9 - 11.3 - 11.3 - 11.4 - 12.4 - 12.5 - 11.8 - 11.1 - 11.7
先行争いして後続突き放しながら、2着に並ばれると再加速。能力高そうだが頭心配。レース後のコメントでも川田騎手からコントロールが難しいというコメント。