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忘れられない心電図~PEA~

お休みをした翌朝、机の上に1枚の心電図が置いてありました。

心房細動(AF)のある患者さんの心電図。
P波が分からないのはAFだから?QRS波はちゃんとあるけど、、、
直感的に違和感を感じました。
どうしても気になり、その心電図を記録した際のエピソードについて同僚に聞きました。

心電図記録時、患者さんは呼吸停止していた、けど”心臓はちゃんと動いてた”と。

その”ちゃんと”の根拠は?
心電図波形が出ていたから、、、と。

私は、心電図波形が出ている=心臓がちゃんと動いている、ではないと思っています。

あなたはPEAという用語を知っていますか?
” QRS波が出ているのに、脈が触れない”
このような場合の心電図波形を総称して、PEA(無脈性電気活動)と呼びます。

私はこの言葉を院外のBLS研修会に参加しはじめてこの用語を知りました。
学校の授業で習った記憶がない、教科書に載ってない。
これまでに買った多くの心電図に関する書籍。
その中で載っていたのは、看護師さん対象のモニター心電図の書籍のみ。

それはきっと”これがPEA波形だ!”というものがないから。

心電図がバイタルサインではない理由はここにあります。

つまり、モニター上心室細動や心室頻拍じゃないだけど、患者さんの脈が触れない(心肺停止の)場合どんなにちゃんとした波形を示していても”PEA”です。
心停止の1種ですので除細動の適応にはならず、CPRと原因治療になります。

恐らくあの時の心電図は、PEA波形だったのだと思います。
でも、患者さんの情報を聞いて結び付けたので違っているかもしれません。
だけど、あの心電図を見たときに感じた表現できない違和感。
ずっと今も心に残っています。

あなたは心電図波形だけを見ていませんか?

声かけした時の反応、呼吸の仕方、触れたときの体温。。。
患者さんの傍で得た情報は、心電図波形だけ見ていては分かりません。

心電図の検査時間は装着を含めて5分程。
でも、この“5分”を単なる5分にするのか、されど5分にするのか、それはあなた次第です。

本日は、忘れられない心電図についてお伝えしました。
あなたのこれからがより素敵になりますように☆

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まえた さちこ プロフィール

臨床検査技師、2児のママ。心電図検定1級。

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