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【インタビュー】『周産期医療にかかわる人のための やさしくわかる胎盤のみかた・調べかた 第2版』の著者・松岡健太郎先生に,本書のおすすめポイントなどについて伺いました
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【はじめに】
胎児・新生児や妊産婦に異常があったとき,分娩経過に異常があったとき,原因を調べられるのが胎盤です.でも,その病理診断は難しい…そんなときに本書が役立つはず!著者の松岡健太郎先生に本書の魅力を伺いましたので,どんな内容なのか気になっている方,ぜひご参考ください.
ー本書のおすすめポイントはどこですか
胎盤は周産期経過,周産期予後を知るうえで大変有用な臓器です.娩出された胎盤を調べることは母児ともに影響を与えることはありません.周産期医療にかかわる人が胎盤の病理所見から臨床経過を振り返ることは,その管理に役立つのみならず,また今後同様の経過をとる症例に遭遇した場合にも役立ちます.周産期医療にかかわる人が胎盤の病理を理解することが手助けできるような本をつくりました.
ー本書の執筆にあたり,工夫した点を教えてください
私自身が日常で臨床医とのやりとりを通じ,彼らが問題としていること,知りたいことがわかりやすい本を目指しました.マクロ写真,ミクロ写真は鮮明なものとし,表も含め,見やすく,理解しやすくなるよう配置しました.
「Ⅰ章 4.おさえておきたい胎盤に関する用語」では、産婦人科医と病理医が共通の用語でディスカッションできるように,また,「Ⅳ章 臨床的にしばしば問題となる病態」では代表的な病態で見られる顕微鏡所見を掲載し,胎盤病理診断を統合的に理解できるようにしました.
2016年に発表された絨毛膜羊膜炎のアムステルダム分類を旧分類(Blanc分類)と対比して解説した点と,COVID-19感染患者から娩出された多数の症例から見出した特徴的な所見(慢性絨毛間腔炎)を掲載した点は特に注目いただきたいです.
ー本書をどのような方に読んでいただきたいですか
もう一歩踏み込んだ周産期医療を行いたいと考えている産婦人科,新生児科,母性内科などの医師,助産師,研究者および病理医におすすめします.
病態に応じた所見の有無を知りたいが,病理医に対してそれをどのように伝えたらよいかがわからない産婦人科医は少なくないと思います.そのような方々がどのような病態でどのような所見があるかを理解し,そのことを病理医に伝えることができるようにしたのが本書です.さらには、産婦人科医が病理医の書いた診断書を読むときの手引きともなります.
【おわりに】
いかがでしたか? 産婦人科医と病理医とをつなぐ本書の魅力が伝わっていましたら嬉しいです.周産期を極めるなら胎盤を知ろう!…というと言い過ぎかもしれませんが,胎盤からわかることがたくさんあります.本書では豊富な症例写真とともにわかりやすく解説いただいていますので,胎盤の病理診断を学ぶための「初めの1冊」としてぜひ,お手に取ってみてください.
本書について詳しくはこちらをご覧ください!
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松岡健太郎(東京都立小児総合医療センター病理診断科)・著
B5判/並製/236ページ
ISBN:9784787826244
定価:本体価格 9,000円+税