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ジョンソンエンドジョンソンのマーケティング戦略

こんにちは!中小企業診断士のオカモトカズユキ です。

私は過去にコンタクトレンズ関連の仕事をしていました。

ご存知の方も多いと思いますが、コンタクトレンズの販売シェアは圧倒的にジョンソンエンドジョンソンが占めています。

シェアの大きさは大体推定で35~40%ぐらいと言われており、一人勝ちの状態が続いています。

海外ではワンデーアクエアで有名なクーパービジョンや生感覚レンズのトータルワンで話題になったアルコンなども頑張っているみたいですが、なかなかトップの座を崩すことができない状態が続いています。

実際の話ですが、他メーカーのコンタクトレンズはこちらから推奨しないとなかなか買ってもらえないのですが、ジョンソンエンドジョンソンのコンタクトレンズは特にすすめなくても希望されて勝手に売れていくような感じです。

そこには理由があります。

それは、

マーケティングの力が他のメーカーとは違うからです。

今回はそれを感じたエピソードを中小企業診断士目線で挙げていきたいと思います(^^)

イオン性素材へのこだわり

2020年現在はシリコンハイドロゲルレンズという次世代素材が多くなってきていますが、1つ前の素材(ハイドロゲル素材)の時代には大きく分けるとイオン性素材と非イオン性素材というのがありました。

イオン性素材と非イオン性素材はどちらが優れているかというと、一般的には非イオン性素材にのほうが良いとされています。

それは汚れを寄せつけにくいからです。

イオン系素材は電荷を帯びているので、汚れを寄せつけてしまうデメリットがあります。

その点、非イオン性素材は電荷を帯びていない素材のために汚れを寄せつけにくい性質があります。

また汚れないということは、乾燥の問題に対しても有効的です。

レンズが汚れると涙を弾いてしまいます。
その結果涙がうまくレンズに乗らないためにドライアイになりやすいです。

ですので2週間タイプ使用者はもちろんのこと、1日タイプ使用者にとっても非イオン性素材は良い面が多いのです。

多くのメーカーは非イオン性素材を使ったコンタクトレンズを開発して販売していました。

中には両性イオンという両方の電荷が存在することで(プラスとマイナスが同時に存在)汚れを寄せつけにくい工夫をしているメーカーもありました。

ところがそういったメーカーよりもジョンソンエンドジョンソンのコンタクトレンズのほうが売上もリピートも良い結果でした。

私もなぜイオン性素材を使ってるのか疑問に感じていました。

ある時担当メーカーさんと話ができましたので、その疑問をぶつけてみました。

イオン性素材を使っている理由は、イオンは は水と仲が良い素材(親水性)だからでした。

つまり目になじみやすくつけ心地が良いということです。

みなさんがコンタクトレンズを購入する時にどういった点を重視するでしょうか?

性能が良いとか乾燥しにくいとかいろいろな面があると思います。

やはり共通して言えることは「見えやすい」と「つけ心地が良い」の2点に関しては特に重要ではないでしょうか。

ジョンソンエンドジョンソンのコンタクトレンズはこの点を忘れていませんでした。

たしかに非イオン性素材は汚れを寄せつけにくいのですが、つけ心地の面ではジョンソンエンドジョンソンのワンデーアキュビューが優れていました。

販売員にすすめられて変更される方もいましたが、すぐに合わないという申し出があったり、次に買われる時には元のワンデーアキュビューに戻したりする方が多かったです。

結局ジョンソンエンドジョンソンは次世代素材のシリコンハイドロゲルの登場までイオン性素材にこだわってコンタクトレンズを開発していました。

購入される方が何を求めているか理解しているからこそ他メーカーと差別化ができました。

サークルレンズのディファインについて

ジョンソンエンドジョンソンが開発したレンズの中で私個人として衝撃的だったのが「ワンデーアキュビューディファイン」です。

2005年に発売したレンズはサークルレンズの代名詞となりヒットしました。

サークルレンズというのはレンズに色付きのリングが入っているコンタクトレンズのことです。

瞳が大きく見えるので女性の方に人気のレンズですが、当初発売されたときは「これが本当に売れるのか」と思いました。

というのも、ジョンソンエンドジョンソンはすでに「ワンデーアキュビューカラー」を販売していましたので、更にカラー系のレンズを販売すると自社でシェアの取り合い(カニバリゼーション)が起こるのではと思ったからです。

そしていざ販売開始するとディファインを求める女性の方が多く来られました。

他社も追随してサークルレンズを発売しましたが、なかなかシェアを獲得することができませんでした。

マーケティング用語で先発優位というのがあります。

これは、新しい市場に早期参入することで持つことができる優位性のことです。

メリットとしては、

①価格を気にしない新しいもの好きに対して利益率の高い販売ができる

②最初に発売することで、その製品カテゴリーの代名詞となることができる

③他社よりも先に生産や販売になれるので、生産コストが下がってライバル企業よりも安く販売しても利益が出やすい

などかあります。

サークルレンズのことを「ディファイン」と呼ぶ方もいます。

他社に先駆けて販売を開始したことにより、ソニーのウォークマンみたいな感じで商品名が一般名称化し始めており、サークルレンズの代名詞になっています。

ついにはワンデーアキュビューカラーの製造をやめてディファインに商品を絞ることになりました。

それだけディファインはヒットしたということでしょう。

この時は、ジョンソンエンドジョンソンのマーケティングの力に感銘を受けました。

最後に

野球の野村監督が「負けに不思議の負けなし」と言われてましたが、勝つときも勝つ理由があります。

こういった見解を表現できるようになったのも、中小企業診断士の勉強のおかげです。

圧倒的にアウトプットできる力が付きました。

やっぱり勉強することは素晴らしいことだと思います(^^)

知識が身についてくると、自分が表現したいことをはっきりと文字や口頭で伝えやすくなります。

そうすることで相手に自分の言っていることが伝わります。

相手に自分の伝えたいことが伝わるということは、仕事上のミスが少なくなります。

仕事上のミスが少なくなるとリカバーする時間が少なくなりますので、仕事の生産性が向上します。

生産性が向上すると短い時間で仕事が終わりますのでので残業時間が減少します。

残業時間が減少すると自分の時間が増加しますので、さらに自分磨く時間を得ることができます。

つまり、勉強をすることは実生活で非常に役に立ちます。

勉強というと経営や財務的な勉強を想像する方も多いと思いますが、動画の編集や遊びや趣味のことなど何でも良いです。

世の中には自分が知らないことが多くあります。

はっきり言って知らないことのほうが圧倒的に多いです。

昨日知らなかったことを今日学べることは素晴らしいことです!

私もまだまだ知らないことが多いので、いろいろなことを学んでいきたいです。

この情報発信もライティングの能力が上がるように日々精進しています。

今回お話ししたコンタクトレンズの話題は、また書きたいと思っています。皆さんに有益な情報となるように取り組みます!

今回も最後まで読んでいただいてありがとうございました!

今後も中小企業診断士の見解でさまざまなことを書きたいと思います。

いただいたサポートは今後もより一層有益な情報を提供できるようにします! どうぞよろしくお願いいたします!