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「1dayアキュビューオアシス」実務経験15年のと中小企業診断士観点が批評

こんにちは!中小企業診断士のカズユキです。

私は長くコンタクトレンズ業界にいました。
そこでは販売から処方にいたるまで、ほとんど全てのことを行なってきました。

現在は中小企業診断士として企業の支援をしています。

実務経験で得たことと中小企業診断士の観点からコンタクトレンズについて解説したいと思いnoteに書いています。
今回は「1dayアキュビューオアシス」について解説します。

乱視用もありますが、近視用(厳密に言うと遠視対応可能)に絞って解説いたします。

1dayアキュビューオアシスとは

1dayオアシスは次世代素材のシリコンハイドロゲルレンズです。
トゥルーアイが先行して出ましたが、より潤いがあって目になじみやすいよう改良されて発売されました。

コマーシャルも大々的に流されていたのでご存知の方も多いと思います。

本当にジョンソン&ジョンソンはコマーシャルの作り方が上手です。

コンタクトレンズを使ったことがない学生に向けて、まるでメガネから変えたら人生が変わるくらいのストーリーが展開されます。

あんなのされたらコンタクトレンズ始めるしかないですね(^^)

1dayアキュビューオアシスの評価点

ちょっと話が逸れましたが、私が思う1dayオアシスの評価は以下の通りです。

総合点 ★★★☆☆(3点)

1.つけ心地 ★★★☆☆(3点)
2.見え方 ★★★☆☆(3点)
3.安定性 ★★★★☆(4点)
4.取扱のしやすさ ★★★☆☆(3点)
5.乾燥感 ★★★★☆(4点)

実は各要素点数はトゥルーアイと同じ点数をつけています。

レンズの性能がトゥルーアイより劣っているわけではありません。

なぜこんなに評価が低いのか?
それは、
「後から発売されたのにトゥルーアイと比べてさほど進化がない」からです。

では製品仕様(スペック)を見ていきます。


1dayオアシスの製品仕様
ベースカーブ 9.0mm / 8.5mm
直径 14.2mm
度数
BC 9.0:+5.00~-12.00
BC 8.5:-0.50 ~-12.00

中心厚(-3.00Dの場合) 0.085mm
酸素透過率(Dk/L値) 121
含水率 38%
UVカット あり
レンズマーク 123”マーク
ソフトコンタクトレンズ分類 グループⅠ

ベースカーブや度数の範囲・直径、中心厚など1dayアキュビューモイストやトゥルーアイと変わりません。

相変わらず幅広い規格なので遠視の方は強度の近視の方でも対応することができます。

違う点は含水率です。

38%は、モイスト58%、トゥルーアイ46%よりもかなり少ない数値です。

シリコンハイドロゲル素材は水よりも素材の酸素透過性が高いので、水分を抑えたほうが性能が上がります。

トゥルーアイよりも抑えたことで酸素透過率は121と上がっています。

一方で水分量が少ないとレンズが固くなります。

いわゆる「つけ心地」に影響します。

しかしここはトゥルーアイよりも劣ることはありません。

では要素店とその評価について解説します。

1.つけ心地 ★★★☆☆(3点)

つけ心地については製品仕様で「まぶたへの摩擦を軽減している」のでつけ心地が良くなっていると書いています。

先ほども解説しましたが、含水率が少なくなっているので、レンズが固くなってきます。

そういった含水率の低さの条件を考えるとつけ心地は良いのかなとも思います。

しかし、トゥルーアイよりも進化したとは思いません。

レンズ代金もトゥルーアイよりも高いので、「これだったらトゥルーアイで良いかな」と正直思います。

念のためトゥルーアイの記事を下記に示しておきます。

2.見え方 ★★★☆☆(3点)

見え方は可もなく不可もなくです。

ただし1dayモイストの時に比べると、他社よりも優れたコンタクトレンズとは言えなくなりました。

3.安定性 ★★★★☆(4点)

安定性の評価は高いです。

最近では珍しい「一つの種類でベースカーブが2種類」あります。

ベースカーブとはレンズの丸みです。

形を2種類から選べるので、いろんな方にフィットする仕様になっています。

ただしシリコンハイドロゲル素材が合わないという方もいます。

その場合コンタクトレンズが眼にしっかりフィットしていても、違和感があって使えないパターンがあります。

モイストに代表される旧素材の「ハイドロゲル」時代より、相性が悪くて使用できない方が増えた感じです。

4.取扱のしやすさ ★★★☆☆(3点)

アキュビューの製品はカラーレンズを除いて「123」の刻印が入っています。

裏表の判別ができます。

私は形状で見たほうが早いと思っていますが、見つけることができれば裏表を確定させることができるのでありがたい工夫です。

はめはずしのしやすさも普通です。

比較しては悪いのですが、モイストはすごくはめはずしがしやすいので、「それに比べると」となってしまいます。

正直モイストが良すぎです。

5.乾燥感 ★★★★☆(4点)

シリコンハイドロゲル素材になって含水率が少なく、乾燥には強くなっている設計です。

モイストに代表される昔の「ハイドロゲル素材」は酸素を通さない素材でした。

酸素が眼に届かないと眼疾患につながります。

そのため水を多く含ませて、水の力で酸素を目に運ぶ設計でした。

その設計では水分が多い「高含水」コンタクトレンズ=酸素をよく通す性能の高いコンタクトレンズという公式でした。

しかし「高含水」コンタクトレンズは水分が抜けてくると、レンズが縮みやすく眼を圧迫するリスクがあります。

シリコンハイドロゲル素材になると素材が十分に酸素を通すので、水分量が少ない「低含水」が主流です。

低含水のほうが、乾燥してもコンタクトレンズが変形しづらいので、レンズが縮んで目を圧迫される症状を軽減できます。

ただし乾燥については個人差がありますので、参考程度にしてください。

まとめ

今回は1dayオアシス(近視用)について解説しました。

総合点・要素別点数は以下の通りです。

総合点 ★★★☆☆(3点)

1.つけ心地 ★★★☆☆(3点)
2.見え方 ★★★☆☆(5点)
3.安定性 ★★★★☆(4点)
4.取扱のしやすさ ★★★☆☆(3点)
5.乾燥感 ★★★★☆(4点)

最後に言いますが、「1dayオアシス」は決して悪いレンズではないです。

ただし製品のスペックを見ると「トゥルーアイで良くないですか?」って感じです。

いろいろ改良が施されていますが、付け比べてみても差を感じることがありませんでした。

1dayオアシスは特に値段が高いので、使用されている方は少ないです。

モイスト時代は圧倒的なシェアでしたが、シリコンハイドロゲル素材になってからは目立ったヒットはありません。

しかも積極的に進める販売店も少ないです。

ジョンソン&ジョンソンのコンタクトレンズは仕入れ値が高いので販売店で進められることが少ないです。

ジョンソン&ジョンソンのレンズで呼び込んで、他のメーカーを進めて種類変更を促すのは常套手段です。

今回も最後まで読んでいただき誠にありがとうございます!

しばらくはコンタクトレンズの話を書きます。

参考になるよう頑張ります!

いただいたサポートは今後もより一層有益な情報を提供できるようにします! どうぞよろしくお願いいたします!