2年前に協力した『2019年台風被害の記録と検証』(福祉楽団制作)を改めて見ようと
2021年7月3日、熱海で大変な被害が出て、全国ニュースで報じられています。
私の住む小田原でも、みかん農園の土砂崩れがあり、小屋が流され、毎日泥水を取り出す作業が続いています。
崩壊の起点は、みかん畑を横断する道から。水が溜まる谷に敷設された道が崩れ落ちていました。
小屋の中でスコップを動かしながら思い出したのは、2年前に立て続けに襲ってきた台風のことでした。大変な災害でした。
当時、千葉に住んでた私は、ひょんなことから知り合った社会福祉法人「福祉楽団」に、
「災害にあった僕らの判断とその結果を、良くも悪くもありのままを取材して、次に伝えられるような記録を作ってくれませんか」
と声をかけられました。そして、被災した状況をはじめ、多くの介護者を抱えた彼らが対応した事実を集めることになりました。
林業NPOをしている僕だけではまとめきれないので、2人のジャーナリスト仲間とともに取材し記事にまとめ、同法人と協力して一冊にまとめました。
(画面クリックで“無料で”PDFダウンロード可能)
制作協力を依頼された彼らからのオーダーは、「すべての社会福祉法人経営者に見てもらえるようなものにしたい」ということでした。
かなりの時間をかけて作ったこの冊子は、社会貢献のためでしょう、無料でPDFで公開されることになりました。
(このリストを刷り出すだけでも次に来る災害に備える一助になります)
「怖かった」「大変だった」という記憶は残っても、その時に何が起きてどう判断したかという現場の貴重な記憶は、いつのまにか消えてしまいます。
この記録は、大変な損害を出した社会福祉法人の貴重な記憶を集めたです。
災害はいつやってくるかわかりません。忙しい日々の合間でも、30分ほど我慢して見てみるだけで、1人の命、2人の命が救われるかもしれません。
自分の社内や職場のリスクマネジメントとしても、ぜひ参考にしてみてください。
※ ※ 冊子の巻頭言 ※ ※
「あのときは大変だったよね」と、過去を振り返るだけでは思い出で終わってしまう。
人々の記憶はうつろいやすく、壮絶な出来事も忘れ去られていく。
2019年の秋に、私たちが経験した台風災害と長期間の停電は、社会福祉施設を経営する多くの人たちに役立つ経験だったに違いない。
私たちは、災害と向き合いながら、後から検証ができるよう詳細な記録に努めてきた。その記録を紐解き、職員や外部の人とともに災害対策について議論をすすめてきた。
災害はまたくる。
そのときの被害を最小限に食い止めるためにはどうしたらよいだろうか。
思い出では終わらせない。
福祉楽団が学んだ「未来への備え」を共有するため本書を編纂した。
(担当した年表。当事者曰く「見てるだけでその時の心境を思い出すPTSDになりそう」とのこと。被災した方はご注意下さい)
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