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文字では伝えきれないので作ってみた 小田原「アール・ド・ヴィーヴル」のショートムービー

小田原市国府津に越してきて1年が経ちました。

記事を書き、映像を作り、NPOを運営しながら双子の子育てを続けていて、最近は興味深い活動をする現場に出会えています。

その代表格がコチラ。

自宅近くのアート創作スペース「アール・ド・ヴィーヴル」に向かいました。

認定NPO法人「アール・ド・ヴィーヴル」

月イチで訪れるこの空間。

心地良い場所です。

朝10時に現場に着くなり、わが家の双子はすぐさま自分の席を取り、画用紙を選び、絵の具を手にしました。

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パレットじゃなく、紙に直接”ブチュー”っと出す子供たち。

机を汚したり、騒いだり、親としては見ていられないのですが、「上垣さんはあっちに行った方がいいですよ」と声をかけてくれて、スタッフのみなさんに任せてその場を立ち去らせてもらうのが恒例化しています。(悪いなぁと思っていつもスミマセンと言ってしまう^^;)

よーく見ていると、「あららー出しちゃったね」とスタッフが近づき、もったいないぐらい絵の具チューブを絞るのを見て「面白い配色だね」と賛同する、ただならぬ雰囲気、寛容さを持ち合わせた空間がこの「アール・ド・ヴィーヴル」です。

技術よりも、心地いい創作空間

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念のため触れておくと、ここは決して子供のための絵画教室ではありません。

今回は地域に開かれた絵画ワークショップの日。施設の詳細は後半に置いておくとして…。

ほんと、寛容なのです。

筆の使い方、配色の法則といった指導がない。そのかわり、「もうちょっと色を重ねてみたら」と声をかけたり、これ以上描けないと見ると「次描いてみる?」と切り替えを促したり、お茶を出してくれたり。みんなが心地いい時間を過ごす場所になっています

ここのアートディレクターは中津川浩章さん。絵の具を紙の上にぐちゃぐちゃに塗りたぐり、水まで流しちゃう姿を見て、中津川さんは「最初は画材をたくさん使って発散するんですよ。だんだん落ち着いてきますよ」と言います。

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筆を洗うための水を紙に流す子ども。これでも、「お気に入り」の絵ができた。

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(写真:いずれも中津川浩章)

描き始めて3枚目ぐらいからは、画材の特徴を認識するようで、何か描きたいものが浮かぶように筆を取り始めました。一人は筆を置いてクレヨンに、もう一人は筆のまま。

そして1時間ほど経つと、「帰ろー」と言い出します。

毎回自分の絵をしっかり抱えて、スタッフに御礼して、満足気にこの空間を後にします。

文字では伝えきれない!ピアニストとコラボした3分ショートムービー

アール・ド・ヴィーヴルとの出会いは、僕が国府津に越してきてすぐ仲間と企画したイベントがきっかけでした。

先ほどの中津川さんと、アール・ド・ヴィーヴル代表の萩原さんが参加してくれ、そこから交流が始まりました。

画廊に誘われたり、トークイベントの映像配信を任されたり、さらに関わりが深まりました。

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(滋賀県甲賀市にあるアートセンター&福祉施設「やまなみ工房」の山下施設長が登場したトークイベントの配信の時の様子)

ある日、別の友人がここに僕らが通っていると知って、「あれ、上垣さんのところって障害あるんでしたっけ」と聞かれました。

どういうこと?

ちょうど一年前に小田原に越してきて出会ったこの空間は、地元では知名度の高い、障害者が通う福祉施設でした。

ただし、同団体の萩原美由紀さん曰く、「障害があるなし関わらず、共に過ごす日常」を目指して活動する場所でした。

何のフィルターもかけずに通った私にとっては、地域住民の創作活動の拠点でした。

文章ではなかなか伝えきれない。ここの面白さを新鮮なうちに表現したいと思い、手元にあった相棒のiPhone12 proで、自分なりに仲間を集めて3分のショートムービーを作ってみました。

アールドヴィーヴル 
長さ:3分2秒
movie:Yoshihiro Uegaki
piano:Yoichi Uzeki
produced by The Team Journal

ありがたいことに、ひょんなことから知り合った友人のピアニストも一緒にこの施設を訪れ、賛同してくれて、映像に協力してくれました。

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(国府津のブレンドパークで演奏したピアニストの宇関さん)

取材記事にもしていた

近年、アール・ド・ヴィーヴルのような、障害のある人たちの芸術活動が、ただの福祉やリハビリの一手段ではなく、アート「アール・ブリュット」として、スイスやフランスで評価が高まっています。

それは、「正規の美術教育を受けずに、独学で開発した表現力で作品を作る人の創作物」(20世紀のフランスの画家ジャン・デュビュッフェ)と定義され、「野生の芸術」とも言われています。

アーティストは障害者だけでなく受刑者などもいます。

そんな話や、日本の障害者雇用の話などをアール・ド・ヴィーヴルの活動とともにまとめて取材をした記事もあるので、もし興味があればどうぞ。パートナーと続けている雑誌連載の記事です。

聞いて、調べて、書いてわかって、結局は通う場所になりました。

そして、今では子供が自由に描き、私が感性を磨ける空間を与えてくれているところになりました。

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(初めて取材した時の様子。新しく移転する前の施設/写真:中津川浩章)

このつながりを作ってくれた地域のみなさんや、僕の表現活動を共にしてくれている友人と仲間に、また感謝しているのでした。

小田原・あしがら地域にはたくさんの魅力的な場所があり、魅力的な人々がいるようですよ✨

最後まで読んでくださりありがとうございました。(2021年8月10日7:00に更新)

【関連記事】

◉「自分らしく生きる」新施設 アール・ド・ヴィーヴル(タウンニュース 2021.4.10)

◉写真展「時間(とき)の流れ」は大成功でした。(当ブログ 2020.10.10)←中津川・萩原両氏が遊びに来てくれたイベント




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上垣喜寛
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