第1弾おやきづくりを終えて

こんにちは!信州嵐の広報担当、ごとうです!!私たちは、信州嵐の初めての活動として、2020年の12月から2021年3月まで、毎月1回、「5人のシェフのこだわりおやき」を販売してきました。

今回は、このブログを執筆するにあたって、小林シェフ、鈴木シェフ、西沢シェフの3名にお時間をいただき、おやきづくりの感想を伺って参りました。その様子をインタビュー形式でお届けするとともに、各おやきのレシピを紹介したいと思います。

まずは、5つのおやきを振り返ってみましょう。
1.こよみ料理 鼎 の小林シェフによる「信州サーモンと野菜」のおやき
2.ラトリエ鈴木 の鈴木シェフによる「信州地鶏の赤ワイン煮」おやき
3.とり麺や 五色 の西沢シェフによる「信州ポークの輪廻を感じる」おやき
4.中国小皿料理 間道 の武田シェフによる「信州育ちの鹿肉」おやき
5.御菓子処 藤むら の近藤シェフによる「信州栗のデザート」おやき

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こんなバラエティ豊かで、これだけで一つのコースに出来そうなラインナップでした。
実際に、購入いただいたお客様からも、「これはおやきのようでおやきじゃなかった!」「一つ一つが素晴らしい仕上がりで食べるのが勿体なかった」などの嬉しいお声をいただいております。

また、お気づきの方は既にたくさんいらっしゃるかと思いますが、信州嵐の活動では、「信州・松本平を美食の街に」というスローガンのもと、地元食材を生かした一品づくりを行っており、どのおやきも、それぞれ信州の優れた食材をテーマにしたおやきになっているんです!

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※写真は、テレビ取材も受けながら、中心となるシェフだけでなく、信州嵐のメンバーみんなでおやきづくりを行っている様子です

さぁ、ここからはインタビュー形式でのシェフの皆さんの感想です。皆さん、とてもいい機会だったと楽しそうに話していらっしゃいました。

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ごとう:みなさん、今日は仕込みの合間にこうしてお集まりいただいてありがとうございます。早速なんですが、今回、5人でおやきづくりをやってみて、いかがでしたか?

小林:それぞれのシェフの工夫が見れて勉強になりました。普通はこんな風に、異業種というか、違うジャンルのシェフたちと一緒に、料理をするという経験はできないので、本当にいい機会をいただけたと思います。

西沢:実際に食べてくださった方の反応などを見ていても、おやきは、長野の県民食なんだということを改めて実感しましたね。県外に行かれている方でも、おやきに対してはとてもいい反応を返してくださっていました。

小林:ただ、試食でいろんなところのおやきを食べましたが、やはり長年おやきづくりをしてこられた方たちのスタンダードなおやきには勝てないだろうなとも思います。

鈴木:そうですね。あのフィールドでは勝負しないという感覚になります。だからこそ、我々も一味違うおやきを揃えていったというところもあります。

ごとう:なるほどです。確かに他にはないコース料理のようなセットになりましたもんね。そういう意味では十分勝負できていたのではないでしょうか。

ごとう:さて、それでは、一つ一つのおやきについて聞かせていただきたいと思います。まずは小林さん。今回のサーモンとお野菜のおやきという着想はどこから湧いてきたんでしょう?

小林:和食のテイストを入れるためには、どんな食材かなと考えていきました。試食で食べたおやきの中にも魚を入れたものはなかったので、これかなと。ただ、普段使っているサーモンを使ってみたところ、最初はなかなか香りを消すのに苦戦していたんです。そんなとき、塙さん(注:信州嵐のメンバーの1人 蕎麦処 木鶏のシェフ)と話しをする機会があって、相談したら、白馬のサーモンがいいよ、と。試しに使ってみたら、本当に臭くないんですよ。驚きました。
後は、サーモンだけだと食感がぼそぼそっとなってしまうので、野菜を複数いれることで、全体のバランスを取りました。最後に味噌を入れることでさらに信州らしさをだせたかなと思います。

ごとう:同じ信州サーモンでもそんなに違うんですね。以前にも、松井さん(注:信州嵐のメンバーの1人 トラットリア ジラソーレのシェフ)からも、河が一本違うと全然味が違うという話を伺ったことがありますが、そんな特色も一つ一つ生かせる食材選びをしているというところにテンションが上がります。

信州サーモンと野菜のおやきレシピ
◆材料
信州サーモン・・・120g
大根    ・・・120g
長芋    ・・・95g
青菜    ・・・80g
セロリ   ・・・50g
白ネギ   ・・・30g
しめじ   ・・・30g
えのき   ・・・20g
酒     ・・・360cc
鰹出汁   ・・・60cc
味噌    ・・・70g
砂糖    ・・・25g
醤油    ・・・20cc
味醂    ・・・20cc

◆手順
1.信州サーモンは骨をとり軽く塩をして、一晩脱水シートで脱水。なければペーパータオルでOK
2.サーモンをオーブンまたはフライパンで火が通るまで焼く。
3.野菜を角切り、きのこは粗めのみじん切りにする。
4.酒、味醂を鍋に入れ火にかけアルコールを飛ばす。
5.3の野菜、鰹出汁、砂糖、醤油、味噌を加えて15分程煮込む。
6.2のサーモンを手ですこしほぐし、5の鍋に加える。
7.サーモンを加えたらすぐ火を止めて冷ます。
8.50gに小分けする。

ポイント サーモンを同じ鍋に煮込まず、別で焼くのは独特の川魚の匂いを飛ばすことと、香ばしさを加える為です。

ごとう:次は、鈴木さんにお伺いしたいと思います。食材選びはどうされましたか。

鈴木:最初は白ワインで作ろうと思っていたんです。でも、試作品を作ってみたら、意外と日本食の味わいに近づいてしまって・・・仲間からもこんなのは、フランス料理じゃねぇ!と怒られて(笑) それなら赤ワインで!と思って食材を選んでいきました。トマトも使いたかったんですが、トマトだと今度はイタリアンのイメージになりそうだったのでしぶしぶやめました(笑) 赤ワインと鶏肉に決めてからは、フランス料理のコックオヴァンのイメージがすぐに沸いてきたので、決めるのは早かったですね。

ごとう:フレンチらしさを「残す」のではなく、「押し出す」おやき作りはなかなか難易度が高そうですね・・・実際にはとてもおやきと調和した具材だったなと思っています。流石です。

鶏と茸とネギの赤ワイン味噌和え
◆材料 おやき12個分(1個50g)
鶏むね肉 ・・・300g
しめじ  ・・・100g
椎茸   ・・・100g
長ネギ  ・・・200g(白い部分のみ2本程度)
砂肝   ・・・80g
信州味噌 ・・・50g
赤ワイン ・・・300cc(メルローを使用)
砂糖   ・・・50g
塩、胡椒 ・・・少々
サラダオイル 適量
◆手順
1.椎茸・しめじを5mm厚でサイコロ状に切り、別々にサラダオイルを引いたフライパンでソテーし、最後に塩、胡椒で味付けをする。(5分程度)
2.長ネギをみじん切りにしてフライパンでソテーする。
3.砂肝を切らずにフライパンでソテーし、火が通れば、5㎜角に切る。
4.鶏むね肉をフライパンでソテーし、ワイン・砂糖・胡椒を入れて煮込む。15分程度で火が通ったら、鶏肉を取りだし、味噌を入れ弱火でとろみがつくまで煮る。その後、みじん切りにした鶏肉を入れて混ぜる。
5.4を一旦、冷まし、1、2、3でできたものを和える。

ごとう:最後は西沢さんに伺いたいと思います。

西沢:安曇野放牧豚を使うというのは、まだ5人のシェフが決まる前の初期の企画段階から決まっていました。企画書にも大きく載っていましたね(笑) ですので、この放牧豚を使って、一つのおやきの中で存分に遊びたいなと考えたんです。

ごとう:それは、普段のラーメン作りとも共通してらっしゃいますよね。

西沢:そうですね。それで、思いついた遊び方が、この放牧豚の食べているものを使ってあげるというものでした。安曇野放牧豚は、季節ごとにちがうものを食べているんですが、今回は秋~冬にかけての販売ということもあったので、りんごとビールを選びました。
実際に作るときには、豚をビールで煮込む際、煮込み具合の異なる豚を時間差で加えていくという工夫をしています。敢えてばらばらにすることで、食感に幅を持たせる狙いです。

ごとう:そんな細かい工夫がなされていたんですね・・・全然気づきませんでした。

西沢:こういった工夫はいくらでもできるんですよ。

安曇野放牧豚のおやき
◆材料
お肉の層
豚もも肉     ・・・300g (腕の肉でも可)
ビール      ・・・350cc
濃い口醤油    ・・・適量
きび砂糖     ・・・1つまみ
アジョワン    ・・・1つまみ
米粉       ・・・適量

りんごの層
りんご      ・・・半分
白ワインビネガー ・・・50cc
イエローマスタード・・・小さじ半分
ブラウンマスタード・・・小さじ半分
米粉       ・・・適量

◆手順
1.豚肉を四角くキリ、その半分をビールとビールの半分の量の水と一緒に、調味料とアジョワンを加えて、2時間程度煮込む。味の塩分は、スープが少ししょっぱく感じる程度にする。
2.煮込みながら、煮汁を煮詰めていき、煮込み終わる15分ほど前に、残りの豚肉を加えて食感に差を作る。
3.最後に米粉を少しずつ加えながら、トロミを作る。
4.2種類のマスタードシードを白ワインビネガーに入れ、同じ鍋にダイスカットしたりんごを皮ごと入れる。
5.火にかけ、一煮立ちしたら、米粉を加えてトロミをつける。
6.タッパー(又はバット)に、豚肉の層とりんごの層をそれぞれ2cm程度の厚さに広げ、冷ます。
7.冷ましきったら、45gくらいに軽く丸める。

ごとう:みなさん、ありがとうございます。みなさん、他の方のおやきで、これは作ってみたい!と思ったおやきを敢えて一つ選ぶとしたら、どれを選びますか?

鈴木:僕は、小林さんのサーモンのおやきですね。和食×サーモンと聞いて、初めに想像していたものと違うものだったので、とても興味深かったです。

西沢&小林:僕たちは、近藤さんの栗のおやきですね。和菓子は知らない分野だったので、とても面白かったです。

西沢:近藤さんのおやきは、試作品で持ってきてくれた、ラムレーズンのおやきもまた食べたいですよね。

全員:あれは美味しかったですよねー!!!

ごとう:さて、ちょっと答えづらい質問だったかもしれませんが、ありがとうございました。今後は信州嵐の活動としては、どのように続けていく予定なんでしょうか?今回のおやきも、また楽しみにしてくださっているお客様もいらっしゃると思いますが・・・

鈴木:次回は、豚とセロリを使ったおやきを販売する予定です。メンバーのセロリ農家さんのところの旬のセロリが5月下旬収穫と聞いているので、それに合わせて、今度はメンバーを変えて3人で作ります。

西沢:冒頭でもありましたが、今回おやきづくりをやってみて、意外と全国的におやきを食べたいという人がいることに気づいたので、本当は継続的に販売していきたいとは思いますよね。今の我々では、冷凍品の製造販売ができないので、定番化できないという悩みはあります。

ごとう:そうですよね。お客様から好評の声をいただいても、皆さんお忙しい中予定を合わせておやきづくりをするのは、今回の様子を見ていても、月に一回が限度ですもんね・・・おやきの次回作も気になりますが、この記事を読んでいる方には、ぜひ、それぞれのシェフのお店で、こだわりの逸品を食べていただきたいな、と思います。今日は、時間の合わなかった武田さんのおやきについて、最後に何かありませんか?

西沢:武田さんのおやきは、もうまさに中華!という感じのおやきでしたよね。一番最初に、この5人でアイデアを持ち寄った時にも、みんなうまい具合に食材も方向性も被っていなくて、全体的にもバランスの取れたセットになっていたかと思います。その中でも、武田さんの中華おやきがいいポジションにいたと思っています。

小林:中華料理は調味料の使い方がとても重要だと思うんですが、武田さんは本当に上手いと思います。調理器具を使って、どんどんと調味料を入れていくのに、絶妙なバランスに仕上げていらっしゃるのはすごいです。

ごとう:この5人のシェフのおやきは、もうなかなか食べることはできないかもしれないですが、皆さんからのアツい要望があれば、きっと復活してくれるんじゃないかなと、1消費者目線から楽しみにしています!! 今日は、お忙しい中、ありがとうございました。

シェフたち:ありがとうございました。


さて、いかがだったでしょうか?残りの2人のシェフのレシピは、別の記事でご紹介いたします。
今後も、信州嵐の活動を応援してくださるととてもうれしいです!


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