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リフレ派に関する連載ウォッチ#9

武田真彦教授の連載12回の第9回は「量的緩和の計量分析」に関する記事です。

“経済分析には、大別して 記述的アプローチ、計量的アプローチの2つがある”(*1)
と書かれ、計量的アプローチとして

ベクトル自己回帰モデル(vector auto-regression、以下VAR)と呼ばれるモデルを活用した実証分析と、構造モデルによる分析をご紹介されています。
“構造モデルとは、経済の様々な変数(例えば消費や投資)の決定、市場(例えば財・サービス市場や労働市場)の均衡、変数の定義などを一つひとつ式で表し、経済システムの姿を捉えようとするものである”(*1)
とのことで、構造モデルを用いたQQEの分析例として、日本銀行の総括的な検証を挙げられています。

武田氏の記事では、日本銀行が実施したQQEの効果の分析の難しさ、経済に与えた影響の大きさに議論の余地があることを述べておられますが、QQEの効果そのものを否定するには至っていません。

旧日銀やその関係者が否定し続けていた金融政策が効果をあげたことを、日銀20年のキャリアを誇る方が言及する、その勇気には敬意を表したいと思います。


(*1) 量的緩和の計量分析――その結果と限界 https://business.nikkei.com/atcl/seminar/20/00039/030500010/?n_cid=nbponb_twbn

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