やっぱり古民家は面白い
古民家での暮らし。
憧れる人も多いようですが、冬はとてつもなく寒いといいます。
その分、夏はかなり涼しいようですね。風のある日は、窓を開けておけばエアコンなしでも過ごせるのだとか。
実際、弊社でも古民家にお住まいの方からリノベーションのご相談を受けることがありますが、夏は玄関に一歩足を踏み入れただけで、ひんやりとした空気を肌に感じます。
では、なぜ古民家はこんなに涼しいのでしょうか?
風が通りやすい間取りや構造上の工夫もありますが、「使われている材料に特徴があるから」というのも、古民家が夏涼しい理由のひとつだといわれています。
たとえば、漆喰などの塗り壁や、土壁。無垢の木など。
これら自然素材には優れた調湿効果があり、湿度の高い夏には湿気を吸って、ジトっとした暑さをやわらげてくれます。
さらに、屋根にも“夏涼しい家”のヒントが。
岐阜県の白川郷や富山県の五箇山で見られる、茅葺き屋根。
茅葺き屋根はススキやワラなどの草を束ねてつくられるもので、通気性や断熱性が高いため、真夏でも照り付ける日差しの影響を受けにくいといわれています。
実際、私も何年か前、真夏の最中に家族で白川郷へ行きましたが、建物内部の涼しさに驚きました。
だけど、当時、小学6年生だった息子が興味を持ったのは、建物内部の涼しさよりも「この屋根、雨漏りせんの?」「腐らんの?」ということ。
そこで、その年の夏休みは『茅葺き屋根の耐久性』をテーマに、理科の実験を行うことに。
【実験方法】
家の形をした骨組みを2個つくり、藁でつくった屋根をセット。
A…模型の中で炭火を焚く
B…何もしない
1週間、雨を降らせ続ける(じょうろで水をかけ続ける)。
【実験結果】
A・Bいずれも、屋根の雨漏り(水漏れ)はなかった。
※筒状のものを束にすることで導水効果が起こり、雨粒を屋根の下へ通すことなく軒先まで流してくれるそうです。
そして、耐久性にはAとBで明らかな違いが。
炭火を焚いていたAの模型は、藁の屋根も骨組みもパリッと乾燥したまま。むしろ、実験前より丈夫になっていました。
ところが、ただひたすら雨に打たれ続けたBは、藁も黒ずんでじっとり、骨組みも弱々しく、いつ崩れ落ちてもおかしくない状態に。
この実験から、茅葺き屋根だからといって雨漏りするわけではないこと。
そして、室内で火を焚くことで建物の耐久性が高くなるのだということがわかりました。
囲炉裏で火を焚くと、煙が出ます。
煙には有機化合物が含まれており、それらが茅や木材の表面をコーティングして、建物の耐久性を高めているといわれています。
囲炉裏って、ただ暖をとったり、煮炊きをするためだけにあるのではなかったのですね。
夏休みの実験としては、かなり面白いですよ。
小学生のお子さんがいらっしゃる方。今年の夏休みの研究テーマにいかがですか?
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