見出し画像

イーロン・マスクはFII8で何を語ったのか? 未来のAIとロボット社会の展望について


イーロンマスクが未来技術会議FII8に登壇し、AI開発の現状から人類の未来まで、幅広いテーマについて独自の見解を披露しました。本記事では、マスク氏が語った重要なポイントを、最新のテクノロジートレンドとともに解説します。

AI開発の驚異的な進化速度

マスク氏は、AI技術の進化速度について「年間10倍のペースで向上している」と指摘しました。この進化速度が維持された場合、4年後には現在の1万倍の性能に達する可能性があるとしています。

さらに注目すべきは、「1〜2年以内に人間ができることは何でもできるようになる」という予測です。そして2028年から2029年頃には、全人類の能力を合わせた総合力を超える可能性があると言及しました。

AIの未来に対する楽観と警戒

AIの未来については、80〜90%の確率で「素晴らしいものになる」としながらも、10〜20%の確率で「悪い方向に進む可能性がある」と警告を発しています。特に、AI安全性の観点から、「最大限に真実を追求するAI」の開発の重要性を強調。政治的な正しさに偏ることなく、真実を追求する姿勢の重要性を訴えました。

人類が直面する重大な課題

世界的な人口減少の危機

マスク氏は、AIと並んで深刻な問題として世界的な人口減少を挙げました。現在の出生率傾向が継続した場合、3世代後には韓国は現在の人口の3分の1以下に、ヨーロッパは現在の人口の半分以下になると警告しています。さらに深刻なのは、これらの予測が出生率が2.1人に回復することを前提としており、実際にはさらに厳しい状況になる可能性を指摘しました。

エネルギー問題とソーラーの未来

エネルギー問題について、マスク氏は興味深い見解を示しました。AIの計算処理と運輸の電化には膨大なエネルギーが必要となり、長期的にはほぼ100%がソーラーエネルギーになると予測しています。現在、地球に届く太陽エネルギーの8000分の1しか活用できていない現状を指摘し、カルダシェフスケールでは人類がまだ1%にも達していないことを説明しました。

2040年に向けた革新的なビジョン

ヒューマノイドロボットの台頭

2040年までの展望として、マスク氏は驚くべき予測を示しました。ヒューマノイドロボットの数が人間の数を上回り、約100億台に達すると予想。さらに1台あたりの価格は2〜2.5万ドル程度になり、あらゆる作業が可能な汎用ロボットが実現するとしています。この予測は、テスラのロボット開発部門における実績と進捗に基づいています。

自動運転技術の展開

テスラの自動運転技術について、マスク氏は具体的なロードマップを提示しました。2024年中頃からカリフォルニアとテキサスで無人運転を開始し、2024年末までに900〜950万台の自動運転対応車両を展開する計画です。さらに2026年には、ステアリングやペダルのない完全自動運転車「サイバーキャブ」の量産を開始するとしています。

未来社会への展望

マスク氏は、これらの技術革新により、社会は大きな転換期を迎えると予測しています。誰もが望むものやサービスを手に入れられる豊かな社会が実現し、「ベーシックインカム」ではなく「ユニバーサル・ハイインカム」の時代が来るという楽観的な見方を示しました。

この発言は、AI、ロボット工学、持続可能エネルギーの発展により、人類が直面する課題を乗り越え、新たな繁栄の時代を迎える可能性を示唆しています。ただし、そこに至るまでの過程では、適切な技術開発と規制のバランスが重要になることも強調されました。特に規制については、技術革新のペースを妨げない範囲で、安全性と進歩のバランスを取ることの重要性が語られています。

いいなと思ったら応援しよう!