VRChat関係の騒音を無くすための部屋づくりをした
この記事はなにか
VRChat用の自室を防音化したので構成についてのメモです。
ちなみに、VRChat関連の騒音というタイトルですが一般的な騒音対策記事としても読み換えれます。
また、防音に関して調べていると
・対象の音によって異なる対策
・防音グッズの使い方の誤り
・効率の良い付け方
・防音に良いグッズ
など、調べないとわからないし、調べるのも地味に面倒なことが多かったのでその点についても書いていきます。
細かい話はどうでもいいから具体的にやったことだけ読みたい人は、それぞれの見出しに飛んでください。
防音についての基礎知識
部屋の防音に関して対象となる音は主に空気伝搬音と固体伝搬音に分かれるようです。
ざっくり書くと、空気伝播音は空気を伝って聞こえる音で主に声や音楽、固体伝搬音は床や壁の振動が部屋越しに伝わる音で主に足音や椅子を引きずる音などが対象となりそれぞれ異なった対策方法が必要になるようです。
言い方を変えると、音の種類に対して間違った対策をすると防音効果は薄いようです。
また、「防音グッズ」や「防音材(防音シート)」としてYoutuberの部屋にあるイメージの以下のスポンジはこれだけだとあまり意味がないようです。
理由としては、これは厳密には吸音材とよばれるもので音を減らす(音エネルギーを熱に変換する)効果があるみたいです。
これに対し遮音材というものもあり、これは音を遮って反射させる効果があるようです(音エネルギー自体は変わらず跳ね返すのみ)。
片方のみでまったく意味がないわけではないけれど効果が十分に発揮されず、2つを組み合わせることで十分な効果が発揮されるようです。
(遮音材の上に吸音材を貼り付けているので見た目上は遮音材に気づけず「デコボコスポンジ(吸音材)を貼ればOK!」というイメージができてしまう)
また、このセットの層を重ねれば重ねるほど効果はあるようです。
ちなみに学校の音楽室の壁に穴が空きまくっているのは穴の中で同様のこと、反射と減音を繰り返させることで音を減らしているようです。
前提条件
細かい理屈の話はこれくらいにして、具体的な話に入ります。
なお、私は以下の間取りでVRをしておりリビングに同居人、私は自室でVRをしています。
また、リビングはTVなどは付けないかつそこそこ閑静な住宅街で大通りなどではないのでほぼ無音です。その状態で音が少しでも聞こえたらアウト(なにかやってる気がする雰囲気を感じれるくらいはセーフ?)なのでVRによる音はリビングにほぼ聞こえない状態を目指します。
また、持ち家(マンション)のためこれから書いていく防音化は壁紙に両面テープを使ったりホッチキス(タッカー)で穴を開けたりしています。
そのためそのまま私がやったことをするのは賃貸だと難しい場合もありますが、よくある代替案を併記します。
隙間を塞ぐ
なにをするにせよまずはこれが一番効果があるし安上がりですみます。
対象は主に窓や扉だと思いますが、私の場合同じ家にいる人への対策なので扉の四面を隙間テープで塞ぎました。
隙間テープは、防虫対策やエアコンの効きをよくするためのものもあり、それらは簡易的な密室にする程度ですが音漏れに関してはあまり効かないのでゴムなどの防音に効く素材にすると効果があります。
私は以下の2つを使っています。
話し声対策(空気伝搬音)
話し声に対しては前述のように、遮音材と吸音材をセットで一面に貼ります。
また、壁と比べて扉の方がもともと持つ防音効果が低い気がするため、扉のみ遮音材+吸音材を2セット貼っています。
遮音材
遮音材は以下を使用しました。
貼る面積が少ない場合は正方形型の遮音材を複数貼り付けるのでもいいのですが今回は面積が広かったので主にサンダムのロール型を使いつつ一部のみ正方形型のものを使用しています。
ロール型は自分でカットする必要がありますが、カッターで簡単に切れるし正方形型と比較するとめちゃくちゃ安価です(ただし、後述の理由で一部正方形型のも使用してます)。
ただし、ロール型は正方形型と比べて分割されずに一枚のシートで壁一面を貼るのでかなり重たいです。そのため、両面テープでは粘着が保たないのでタッカーというホチキスのようなもので止めています。
もちろんこれは壁紙にホッチキス芯の穴が空くのでそれを避けたい人は賃貸DIYで使われているディアウォールなりラブリコなりで簡易的な柱を壁の両端に設置して、その箇所を釘なりタッカーで止めれば良いです。
あるいは、剥がせる壁紙を貼りその上に(タッカーだともとの壁紙も穴が開くので)両面テープで遮音材/吸音材を貼るともとの壁紙を傷つけずに貼り付けれます。この場合、ロール型の遮音シートだと前述のように重たく剥がれてくるので正方形型の遮音材を使った方が良いです。
吸音材
基本的には以下を使用しましたが、別のメーカーでも大差ない気がします。
なお、表面がデコボコなもの(上記リンク)とフラットなものがありますがデコボコなものは音が通る面積が増える分ちょっとだけ吸音効果が高いらしいです。デコボコもピラミットやウェーブなど模様違いはありますが性能に差はないようです。
なお、吸音材の材質や材料の密度によっても効果が違うようなのでそのあたりはお財布と相談で。
また、前述のように扉は遮音+吸音を2セットつけており、接着の関係でセット間の繋ぎ目のみフラット型も併用しています。
吸音材の遮音材への接着について
吸音材は素材的に普通の両面テープでかなりくっつきづらいです。
「強力表示の値段高めの両面テープ」「ボンド」「樹脂接着剤(グルーガン)」「スプレーのり」どれもはじめはくっついたものの数週間で剥がれました。
調べると、吸音材に使われている素材向けの両面テープがあるようでそちらを使い今のところ剥がれていないです。
なお、タッカーで遮音材ごと貼り付けてもいいですが壁の穴の数が膨大になりそうなので私はやってないです。
ただし、扉(遮音+吸音を2セット)の各セットのつなぎ目は外側の遮音材+吸音材セットの重さに耐える必要がありこの両面テープでも厳しかったです。
また、タッカーを使う場合は内側の遮音材+吸音材セットの厚みで上手く芯が刺さらないです。
そのため、ここはボンドテープという高級超強力両面テープを使いました。クソ高い。
効果
以前はクラブイベントのような周りの音が大きい場所や、会話が盛り上がったときは同居人にうるせぇと言われていたり、通常の会話もなんとなくの会話内容は聞こえていたみたいです。
空気音対策をしたところ、通常の会話は会話していることも気づかない、うるせぇと言われたシチュエーションでは話していること自体はなんとなくわかるが会話内容などはわからないという結果になりました。
副次効果
VRでダンスをする際に壁を蹴ったり衝突することがあり、そのときの音は結構響くのですがこれらを貼ることで蹴ったり衝突しても音がだいぶ軽減できました。
ダンスのステップ対策(主に固体伝搬音)
ダンスに関しては主にステップによる床への衝撃からくる固体伝搬音が主となります。また、床と靴の衝突による空気伝播音もあるといえばあります(特にうちの場合は同居してる妻へはこちらも結構重要?)。
なお、よくある「床下の部屋への音対策」は固体伝搬音となります。
ダンスをする場合、固体伝搬音をなんとかしつつも踊りやすさ(床の硬さや滑りやすさ)に配慮した構成が必要となります。
よく見るオーソドックスな構成
ダンス勢でよく聞くのは、ジョイントマット+チェアマットの組み合わせです。
これはジョイントマットで床下への騒音対策をしつつ、その上に硬めのチェアマットを敷くことで踊りやすさ(滑りやすさと硬さ)を確保している感じです。
私ももともとこの構成+靴でやってましたが、最近うるせぇという声があったのでここから更に防音化しました。
ちなみに、多くのダンス勢がこの構成なことから普通はこれでも問題ない気はします。私の場合ハウスダンスという足の高速ステップ多めみたいなジャンルが中心かつ靴を履いてしていたためチェアマットとの衝突音があり他のジャンルよりうるさめな気はします。
オーソドックスな構成(改)
オーソドックスな構成から更に騒音対策をした構成は以下となります。
足音に定評のある足音マットと振動音特化のゴムマットの上にもともとの上記構成+タイルカーペットという構成になっています。
なお、足音マット+ジョイントマットでやっているフレンド曰く
とのことなので足音マット+ジョイントマットだけでも最低限の効果はあるようです。
ちなみに足音マットのみではない理由として、もちろん防振の意味もありますが、足音マットだけだと床が沈みダンスがしづらいので私はジョイントマット+チェアマットを敷いています。
さて、さすがにこんだけやったらこれでええやろと思ったのですがチェアマット+靴というのがネックっぽくこれの衝突音が気になるとのこと。
そのため、分厚すぎずそこそこ滑るカーペットを敷くことで衝突音をマイルドにしつつある程度の硬さと滑りやすさを確保しています。ただし、それでもステップの強さによってはうるさいとのことなので今は靴を脱いでやっています。
なお、このカーペットは色々見比べたり試したりして以下を使っていますが、お金をかけてもいいなら防音に定評のある静床カーペットの方が良いかも。
公式もセットを推奨しています。
また、私はやっていないですが防音と硬さと滑りと柔らかさはバレエ用のリノリウムマットも良いようです。
フレンドいわく、おしり着地でぐるぐる回れるくらい滑ることができるようなのでブレイクダンスをする人にも良いみたいです。
(敷いている人が多いチェアマットも同様に滑りやすさや硬さを理由にしている人が多いので、リノリウムマットの安価版的なポジションがチェアマット?)
私の場合は、①さすがにこんだけやったらええやろ感 ②滑りやすさや消音効果が使ってみないとわからないが冒険するには値段が高い ことから普通のカーペットを使用してます。
効果
床下に関してはヒアリングしないとわからないのでうるささは不明ですが、少なくとも同居人に関しては「BPM早めの曲でステップどったんばったんしない限りはほぼ無音」とのこと。やったぜ。
そのため、踊りたいジャンルにもよるとは思いますが大体の人はこれで問題ないかなと思います。
逆に、BPM早めでハウスステップ踏みまくり〜イエーイ!ってやってると靴下でやってても未だに怒られます。
また、前述のように靴を履いてやるとうるささが上がるので怒られる可能性が上がります。ただし、このあたりは同居人がかなり過敏なだけなのでBPM普通であれば靴を履いても問題ないんじゃないかなーと思います。
また、床下騒音に関しても先ほどの引用noteなように単独使用でもクレームがなくなったと言われるような対策を三重掛けしてるようなものなのでなにかやってるな、という気配レベルはあるかもしれないですが騒音レベルにはなってないんじゃないかなーと思いたいです(改良前のオーソドックスな構成はちょうど1年前くらいからしてますがそれでも一度もクレームは受けてないです)。
おまけ:VRダンス勢の実際の構成
VRダンサーでは床環境どうしてる?という話題は結構出ていてその記憶から「よく見るオーソドックスな構成」という書き方をしました。
実際に、この記事を書いているタイミングでたまたまフレンドが聞いていたので貼っておきます。
このツイートへのリプライは結構参考になるかも。
防音化と無関係だけど関連するおまけ
Mutalk&RVCを活用
Mutalkは消音性能はそこそこある一方で、鼻声になったり音質が悪かったりと実用において課題はそこそこあります(音声調整ソフトやマイク替えなどで対応はできなくはなしですが)。
言い方を変えると、鼻声/低音質をなんとかすることでその問題を解決できます。具体的にはボイチェンを噛ませることでそもそもの音を変えようぜって感じです。
RVCというボイチェンをMutalkと共に使って私が実験した動画が以下となっています。なお、最新版は更に精度が良くなっている模様?
発話がしづらいので多少舌足らず感はありますが、萌え声系だとむしろそれが良い味になるので問題ないんじゃないかなと。
なお、発話を大きくするほど舌足らず感は消えますし、多少大きくても消音効果でなんとかなるのでそのあたりは家庭環境と相談で。
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