Job hunting (1)
人間界、特に日本では、3月1日が就職解禁日と言われている。この日を境に多くの、特に内資系企業が本格的な選考活動を始める。今回は、「就職活動」に関するノートを書きたいと思う。
就職活動とは何か?「企業と学生のマッチング」と言われていたりする。企業側の「欲しい人材」と学生の「将来なりたい像」をすり合わせて、お互いにとって良い効果を生むように両者取り組むべきものである。では、そのために企業側と学生側はどのように取り組むべきだろうか?企業側についても触れるが、今回は特に「学生側」に注目して記したい。
就職活動において企業側が取り組むべき姿勢、それは即ち「自社を客観的に評価し、情報をフラットに学生に提供すること」である。しなもんは人間界で就職活動に取り組み、企業の説明会やインターンシップに参加した経験がある。その中で感じたことは、企業側は「自社の良い点ばかりをアピールする」点である。主に人事に見られるが、皆自社のことを良く話す。ほとんどの社員が、自社が主催しているイベントにおいては、自社のことを悪く言えない。どこも優秀な人材に来て欲しいので当たり前である。学生も企業側に悪い印象を与えたくない為、空気を読んで質問しなければならない雰囲気を感じる時もある。そのくせ企業は本選考で「弊社の弱みは何か」と聞く。それで志望度を測ろうとしているのだろうが、もう少し企業側にも自社の良い点と悪い点をフラットに話す姿勢があっても良いのではないだろうか。そこでミスマッチが起きたら離職やパフォーマンスの低下に繋がることは容易に想像できる。もちろんそのような企業ばかりではなく、両方をフラットに話す企業も一定数は存在する。しかしその割合は少ないのが現状であると感じた。
それはともかく、学生側は就職活動においてどのように取り組めばいいのか。しなもんは「企業研究」と「自己分析」だと考える。「それ良く言われてることじゃん」って思ってしまうかもしれないが、学生しなもんにとって「企業研究」と「自己分析」の認識は各々まるで違う。「企業研究ってどこまでやればいいの?」「自己分析ってどこまでやればいいの?」これに対する一貫した答えは恐らく存在しないが、その一つの答えを示したい。
就職活動は「学生と企業のマッチング活動」だと言った。ただし皆が第一志望とするような人気企業の数に対して、志望者の数は多く存在する。つまり企業側には、志望者の「志望度」と「能力」をハイスループットに把握できる方法が不可欠なのである。企業はそれを、エントリーシートや面接で「志望動機(キャリアプラン)」「学生時代に頑張ったこと」「自身の強み、弱み」といった問いかけをすることによって測る。この観点から考えると、就活生が目指すべき「企業研究」と「自己分析」のレベルは明らかとなってくるのではないか。しなもんはそれを「他者と差別化できる説得力のある簡潔な文章」が書ける、そしてそれを口頭で伝えられるレベルまで深掘りすることだと考えている。
では、「他者と差別化できる説得力」とはどう生み出せば良いのか?しなもんは「話の具体性」「論理性」にあると考える。論理性は置いておいて、今回は具体性について話す。具体性とはどのレベルか?ガクチカを例に考えると、それは「自分を知らない赤の他人に自分の頑張り方をイメージさせる」レベルである。それはどうしたら伝わるか?自分が学生時代やったことを全部書けば伝わるのか?そんなに書けるほど文字数制限は多くない。となると書く内容を絞る必要がある。どんな内容に絞るか?それは「自分が企業側に最もアピールしたい能力が詰まったエピソード」であると思う。当たり前だが、企業や職種によって、人材に求められる能力や資質は異なるからだ。ではどうアピールすれば良いのか?それは自分の今までの人生を省みて、どんなエピソードがあったかを思い出し、その困難の中でどういうマインドでどういう取り組みを行うことで乗り越えたかを深掘りし、整理する必要がある。そのなかで自分が一番アピールしたい能力が詰まっているエピソードを選択し、自分がアピールしたい部分のみに着目して文章を書き、最終的に400文字に磨き上げれば良いのだ。こういう面で、「自己分析」をどれだけこなせたかが就職活動の命運を分けるとしなもんは思っている。
ただこの「400文字」にする中で気をつけて欲しいポイントは、背景説明や結果をできるだけ簡潔にし、その分自分が行った取り組みや、その部分の深掘りを長く書く、ということである。面接官が知りたいのは、その人が自社で働くときにどう解決してくれるかという人物像だと思う。それがイメージできる文にするためには、結果や背景説明よりもむしろ「どういう課題にどういう理由でどういう取り組みを行ったのか」「そのなかでどういう工夫をしたか」に分量を割くべきだとしなもんは思う。その為には同じエピソードの中でも書くことを絞る必要がある。絞らなければ恐らく「自分がやったことの羅列」となってしまい、「その人がどういう状況でどういう気持ちでどういう行動をするのか」が伝わりにくい文章となるだろう。次回以降はその具体例や、志望動機の書き方、面接対策について、「自己分析」や「企業研究」と絡めながら話したい。
しなもん