苦手なことを仕事にする
専門は獣医病理学っていうと、学生の頃から病理学が好きで顕微鏡をみるのが好きなんだとよく思われます。
実は私、学生の頃から病理が苦手です。今でもそう思っています。
人から物事を教わることが昔から下手でした。苦手というより、せっかく教えてもらっても全然頭に入ってこないのです。
病理もそうでした。全然分からないのに教わるのが下手だから、無駄に自分で考えたり、図書館にこもって調べたり、これまで随分遠回りをしてきたように思います。
私は元々、外科を極めたいと思っていました。手や体を動かしたり細かい作業をすることが好きで、採血はめちゃめちゃ得意です。魚や爬虫類、鳥類、哺乳類などだいたいの動物は採血ができます。
実体顕微鏡を見ながらピンセットを使って細かな作業をすることも好きだし、実験室でピペットやチューブを手に黙々と実験することも好きです。
でも、病理だけは全然分からないのです。あまりにも分からなさすぎて悔しいから、本や文献を調べてめちゃめちゃ勉強しました。
そうやってようやく分かったと思ったら、また分からないものが次から次へと出てくる。そんなことを延々と繰り返しながら今に至っているという感じです。
苦手なことを仕事にするなんて考えられないという人もいるかもしれません。
けどそれが苦にならないのであれば、常に挑戦しながら仕事を続けてられて、それはそれで良いのではと思います。