供給曲線の性質を数学で解く!高校数学で分かる経済学

こんにちは、ご覧いただきありがとうございます。
今日は「供給曲線の性質を数学で解く!」というテーマで、簡単な数学を使って供給曲線を解説していきます。

「価格が上がると供給が増える」ってよく聞くけど、本当にそうなの?
なんとなく理解しているけど、ちゃんと数学的に説明できる?

そんな疑問を、高校数学を使ってスッキリ解決しましょう。
高校数学(微分など)を履修したことがある方なら大丈夫!数学が得意でない方も、直感的に分かるように解説していきますので、ぜひ最後まで読んでいってください。

次の流れで説明していきます。


供給曲線とは?

まず初めに、供給曲線について説明していきます。供給曲線とは「供給量と価格」の関係を表した曲線です。また、この曲線は一般に右肩上がりであることが知られています(図1)。
ここで数学として扱いやすいように、

  • 供給量を$${Q_s}$$

  • 価格を$${P}$$

と表します。

図1:供給曲線の概形

ここでなぜ右肩上がりであるのかを直感的に説明すると「生産者はできるだけ価格が高いときに物を売りたい」と考えるためです。つまり、価格が上がると供給量も増えると説明できます。
しかしこれは現段階では、単なる仮定に過ぎません。
「本当に供給曲線は右肩上がりなのか?」これを数学的に示していきたいと思います。つまり、以下の式が成り立つかを考えます。

式1

利潤関数

まずは生産者の利潤関数$${\Pi}$$という物を考えます。利潤関数とは生産量$${Q_s}$$に対して、どれほど利潤を産めるかを表します。ここでは利潤関数を次のように定義します。

式2:利潤関数


ここで、

  • $${P}$$:価格

  • $${Q_s}$$:供給量

  • $${C(Q_s)}$$:総費用関数

を表します。総費用関数とは、供給量$${Q_s}$$を作るのにかかるコストです。
企業は$${Q_s}$$を調整し、利潤を最大化することを目指します。

利潤を最大化

利潤関数$${\Pi}$$を最大化する$${Q_s}$$を見つけましょう。これは$${\Pi}$$の一回微分をすることで求まります。


式3:利潤最大化

ここで

式4:限界費用

は限界費用を表します。限界費用とは物を1単位生産するのに必要なコストです。
したがって利潤が最大になる条件は

式5:利潤最大化条件

であることがわかります。これで$$P$$と$${Q_s}$$の関係が求まりました。

供給関数と供給曲線

式5の両辺を$${Q_s}$$で微分すると

式6

となります。限界費用は追加で生産するのにかかるコストですから、上式の不等式が成り立ちます。以上より式1が成り立つことが示ました。

まとめ

今回は、供給曲線がなぜ右肩上がりなのかを数学を用いて示してみました。以上になります。

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