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オーロラライブカメラ それを自作しました。
2013年の10月に、フィンランド北部、北極圏にオーロラライブカメラを設置してきました。不具合が起きたので、現地にでかけてメンテしてきます。
【オリジナルのライブカメラシステムを開発した】
以前、諏訪湖が一望できる高台のマンションに住んでおりました。その眺望をウエブで公開しようと、ベランダにライブカメラを設置することをめざしました。15年以上前のことです。
開発はうまく行き、何台か作って内外の景勝地に設置しました。
海外では、スイス(グリンデルワルト)、カナダ(イエローナイフ)、フランス(ニースとモナコの間)で連続運転しました。
【自作におよんだ理由】
「ライブカメラは監視カメラの仲間だから世界中にあるよ」と言われるかもしれません。だが、私のアプローチは少し違っていました。
「景勝地に設置したデジタルカメラの JPEG ファイルをそのままサーバーに送る、です。デジカメで撮ったままの、きれいな画像です。
一方、市販されているシステムのほぼすべてはビデオカメラを使って、さらにデータを圧縮して転送しています。不審な物体を検出するのが目的なので、画像の美しさは二の次です。
【製作したシステムの構成】
デジタルカメラを使うために、外部から制御するマイコン回路を自作しました。送信したファイルは削除しないとメモリーがいっぱいになります。また、サーバーに ftp 転送する手順もあります。遠隔地に置くので、ハングアップは許されません。
加えて、受け取るサーバー側のプログラムも作りました。今かな振り返れば、よくやったなあ、という感慨です。
【デジカメを使うならこそできたこと】
「スマホを使えばカンタンだよ」という方もおられようが、スマホは一度バッテリーが空になれば、自動で復帰できません。本システムでは電源プラグを差し込むだけで運転が始まります。停電しても自動で復帰します。「止まらない設計」は必須要件です。
【オーロラ用カメラの設計】
写真はのべ3台製作したオーロラ用カメラの1台です。ミラーレス一眼に魚眼レンズをつけ、マイコンからシャッター信号をお送り、USB 経由で送信ずみファイルの消去を実行しています。画像信号は、特殊なメモリーカードから WiFi でルータに送ります。
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現地ではマイナス30度にはなりますが、デジカメには常時通電されていて発熱するので、低温による問題はおきません。
【設置場所を探す】
ハードウエアができても、オーロラが出る場所に持ち込んで運転にこぎつける必用があります。
アラスカ、フェアバンクスの郊外もあたったのですが、当時は商用電源が来ていない僻地でギブアップ。
そういう中、ィンランドの北極圏の中によさそうな宿泊施設を見つけました。
【いよいよフィンランドへ】
フィンランドの北極圏の中の宿泊施設に、カメラ持参で出かけました。話しはうまく進み、帰国する前にセッティングができました。
下記がその公開サイトです。
【デジカメが壊れた】
この10年ほどの間、1度だけ、使っているデジタルカメラが壊れて交換しました。連続運転しているので、これはかなり高い信頼性と言えます。
ところが、今年(2024年)の6月にまたデジカメが死にました。今度もデジカメだけ送って交換すればいいのだが、どうせなら、と新しいケースに入れて持参することにしました。
カメラも、少し新しい、ISO感度が高いものが入手できたので、ISOを3200にして、夜間の撮影時の露出時間を1秒程度にするようにしました。すでに、自宅で十分なテスト運転を経ています。
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