7年ぶりに乗ったエールフランス、その変わりかたに驚いた
【まずはイントロ】
今般、久し振りにエールフランスの夜便でパリを往復したが、そのとき気づいたいろんなおどろきについて書いてみます。
私にとって7年というブランクは永いが、これには視力低下とコロナも原因しています。
【フライトの機材は定番のB777】
東京とパリを結んでいるのは、かねてより B777 である。 この機種は古いが、経済性が優れており、バージョンアップを重ねている。
今回乗った往復の B777 は、この7年間のあいだに投入されたものらしく、私の記憶にあるものとはかなりちがっていた。
◆ コスとと重量が一層削減されており、座席はペナペナ、リクライニングも浅く、14時間のきゅうくつな旅は非常に苦しかった。ちなみに、2便とも、エコノミーはほぼ満席。
◆ 座席の前には大きなディスプレーがあり、ライトのオンオフなど、おおくはタッチパネルでやるようになっている。機内でノートパソコンを広げる人はおらず、みなさん、スマホだ。
◆機内誌も週刊誌も新聞も、紙による情報提供は一切なし。「安全のしおり」だけだ。 紙は意外と重い。
◆ 評判だったウエルカムシャンパン、夜のカップヌードルも廃止。
◆ 座席の指定、らくな座席の選定、預け入れ荷物など、少しでも快適にしたければ追加の支払いが生じる。LCCとの戦いはきびしい。
以上、すべてエコノミークラスの話しでした。
【パリ行き(AF293)は北極圏まわり】
ロシア上空を避けるため北極を経由するのは想定どおりだった。
ときどき妻に航空地図を見てもらって飛行経路を確認した。(写真参照)
羽田を出たあと北北東に進み、アリューシャン列島に沿ってアラスカへ。半島を横切って、北の海岸にある、コツビューというエスキモーの村のあたりから北極海に出たようだ。
そのあと、グリーンランドを大きく横ぎっってアイスランドの南に。 さらにオランダで上陸して、ぱりへと南下したわけです。かつてのシベリア経由の大圏航路と比べると2時間弱は遠回りをしているようで、くたびれました。はやく戦争をやめてほしい。
【オドロキの機内食】
エコノミーの機内食に期待している人は少ないだろう。なにせ、価格競争だからコスト削減は至上命令だ。
ところが、ここでオドロキがあった。おいしいのである。朝食までもがおいしい。
「味を落とさずにコストを下げる、そのやり方がおどろきだ。
すべてのアイテムは、使い捨ての個別の紙の食器に入って、全体がバスケットに収められている。表題の写真は朝食。
一見、ケーキ屋さんのテイクアウトのようだが、材質は防水加工がされた多層構造であり、適度の剛性もある。紙であることによるチープさがあまり感じられない。つまり、コンビニ弁当を連想させない。
この容器のおかげで、地上での調理作業が合理化され、また、食材の選択肢も広まっているはずである。さらに、機内でのCAの作業がおおはばに楽になったはずである。フランス人の知恵と工夫がうかがえた。
【帰国便(AF274)はオドロキの南周り】
帰国便も北回りかと思ったらさにあらず。スカンジナビアあたりかと思って妻にきいたら、なんとルーマニアの上だとか。
フライトはそのあと、黒海、アラル海、風負担へと、シルクロードの上を跳んだ。その先、中国に入り、ウルムチ、ハミ、パオトウと跳んで北京の北を。朝鮮半島をかすめて鳥取で上陸。琵琶湖を横切って名古屋を経由して、富士山の南を通って羽田へと下ったわけでした。
タクラマカン砂漠の上あたりから明るくなったので、窓からは砂漠が見えたはずだ。
【おどろきの4人体勢での運航】
どのフライトでも、離陸前にコックピットから機長のあいさつがある。そのとき、3人の副操縦士がいることを知らされた。 B777は、2人乗務が「売り」のはずだが。
なぜ3人も乗っているのか?
筆者の推測になるが:
ロシアの国境を、電波灯台をたどりながら、折れ線の行路で飛ぶとなると、その行路の策定は相当面倒な作業になるだろう。2人だけでは荷が重い。
さらに数日前に、AFのフライトがイスラエル上空でミサイルに接近するというインシデントがあったことも関係しているかもしれない。
【視覚障害者への配慮】
今回は、はじめて予約時に「視覚障害者」の申請をしました。そのため、無料でトイレに近い座席を割り当ててもらえた。
また、空港でのチェックインは、優先カウンターに案内された。
エアラインのスタッフから「お手伝いをいたしましょうか?」という問いかけを何度もうけることになるが、「妻が付き沿っているので大丈夫です」とお断りした。 よく気遣ってもらました。
搭乗ゲートにちかずくと、スタッフがきて、ここに座って待ってください、とか案内してくれました。白杖は目立ちますから。
搭乗がはじまると、まっさきに案内され、機内一番乗りとなります。代わりに、降りるときは最後になります。
とはいうものの、やはり見えないのは不自由です。たとえば、トイレの水洗ボタンが分からない!
【おわりに】
私も後期高齢者だ。エコノミーでの14時間はつらい。次に行くとしたら、ちょっとやり方を変えなくてはいけないかも。