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赤いプジョーの日記 【21】マチスのシャペル

  マチスのシャペルは Chapelle du Rosaire という。白い小さな chapelle に、ブルーと黄色の鮮やかなステンドグラスが映える。ステンドグラスや教会に対して抱いていたイメージとは全然違う、明るくておしゃれな場所だった。
 Vence の村に到着。車を駐車場に入れる。この町のそばにある Matisse がデザインした chapelle を訪れるのが最大の目的なのだが、水曜日の開館時間は午後2時半から。それまでゆっくり昼食でもとりながら町をお散歩することにしよう。
 これから訪れる Matisse の礼拝堂も Menton の市役所にある Cocteau による婚礼の間にしても、芸術家の作品が美術館ではなく生活の場というか日常空間で輝きを保っているのがとても印象的だ。Cote d'Azur にはそんな風景があふれている。
以上、Chloe さんの【135時間】から。

 マチスのシャペルは、開館日が限られている。あらかじめよく確認したうえ、10時の開館にあわせていざ現地へ。迷子にならなかったので、30分前に到着。
普通の町中にあるので、ミシュランの緑をしっかり確認しないと通り過ぎてしまう。

 待ち時間をつかって、となりの空き地でパンやオレンジのピクニックで朝ごパンを済ませる。だんだん人が集まってきて、開館と同時にシャペルの中はほどよい「入り」になり、案内の婦人が10分ほど、内部の説明をしてくれる。

 コクトーの婚礼の間と比較してしまう。おしゃれなシャペル。白くて明るい。だから、普通の教会と全然イメージがちがう。

 いろいろ抽象化された形象がつくりこまれているのだが、いちいちこれは何をあらわしているか、説明してくれた。場合によっては、見る人の判断に任せてもよいのでは、と思われる部分までも。(ただし、20%も理解できなかったが。)

 帰り際になって、06ナンバーの観光バスが日本人の中年の団体さんを連れてきて、同行ガイドが日本語で説明をはじめた。複雑な気持ちである。

 私の正直な印象。シャペル全体がマチスのすばらしい芸術作品であることはたしかであるが、地元の人が集ったり、敬謙な気持ちで祈る場所としては、違和感を禁じ得なかった。

 さあ、つぎは Vence の旧市街へ。


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