デジタルビデオと行くシルクロード 『7』 いざ、ウルムチへ
いざ、ウルムチへ
今日は ウルムチ だ。 天安門などを散歩してから、西単から昨晩と逆の道筋で空港にむかう。 バスの経路は昨夜と違う。どうやら、空港から町にむかうときは、途中下車が出来るように町の中をまわってくるようだ。空港へ行くときは直行である。
はじめての 中国の国内線 。ちょっととまどう。
ウルムチ行きのカウンターは、大きな荷物の人が大勢並んで、列の順序がよくわからず、適当に割り込んまれて、閉口する。中国は初めてのおじさんは、このあたりのテクニックがまだわかっていないのだ。
飛行機は、イリューシン。ワイドボディーの不思議な飛行機だ。まず、いろんなサインがロシア語なのが面食らう。そして、中央座席の上には荷物ロッカーがない。
ついで、不思議な座席。シート番号が背中に書いてある。それに、背もたれが前に倒れて、フラットになる。さらに、前の背もたれから風が吹き出す仕組みになっている。これは風が顔に当たるので、合理的だ。
あと、なんと機内誌はおろか、安全設備について書いてあるカードすら入っておらず、おおきな布製のポケットがわびしい。
隣の席に座った男性は、トルファンの東のピチャンの町の郊外にある製油所のエンジニアだ。大学で化学を学んだとかで、英語で会話をしてしまった。
夕方、 ウルムチ着 。飛行機は、後ろの機内の階段を降りて直接地面に降りる。イリューシン独特の不思議な構造だ。これらは、軍事利用を考慮してのことだろう。たしかに、727も後ろの正面から地面に降りられるが、大きなイリューシンの場合は、途中で階段が折り返しになる。
ターミナルビルを出ると、うるさく客引きが来る。一応、空港のホテルに目星をつけておいたのに、どれがそのホテルかわからない。
「おれが空港ホテルの人間だ」という人の車で、そのホテルにむかうが、どうやら「地球」にかいてある空港ホテルとは別物らしい。でも、まあ、それほど高くないし、いい建物なのでよしとする。
空港からホテルまでは、まさにシルクロードのポプラ並木である。
それにしても、ポプラの幹の下の方1mくらいに白いペンキが塗られているのは、なんのためだろう。このペンキは、ウルムチのポプラだけに施されていた。
夕暮れ時、夕涼みがてらホテルの前の道を散歩する。乾いた空気。男達は、テントの下で玉突きに興じている。夕食は機内食ですませた、と自分に暗示をかける。