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見えていたころのように歩くためのナビ、その動作原理

これは、目的地を入れなくても歩道に沿って誘導してくれる、気ままに歩くためのナビの動作説明です。

『どのようなものか?』
今いる場所近くの歩行経路を、逐次Google Mapから取得し、それに沿って音声誘導する。

道からはずれないように誘導するには、自作の音声ナビ(お散歩の友)の誘導アルゴリズムをそのまま使う。

歩行地図はOpenStreet Map など、Google以外のものであってもかまわないが、以下ではGoogle Mapをつかうとして説明する。

『歩行経路の取得』
アプリは10秒間隔で周辺35mほどの範囲の歩行経路をGoogle Mapに問い合わせる。Googleは見つかったすべての経路を、GPXフォーマットで返してくる。分解能は10センチです。

このGPXファイルをただちに33センチで等間隔に分割する。同時に、分岐があればその座標を特定する。

つづいて、適切な加工を加えて、お散歩の友のナビのルートフォーマットにしてナビに渡す。

『ナビの動作』
従前の「お散歩の友」は、事前に作成しておいたルートデータにそって誘導する。一方、ここで紹介するナビは、そのルートデータが10秒ごとに後進されるわけです。

『実際の誘導』

自宅玄関は公道から奥まっているとする。まずは、歩道の一番近い個所(歩道に立てた法線)にそって歩道まで誘導する。

歩道にたどりついたら、歩道が進む方向にそって誘導する。左右どちらの方向に進むかは、体のむきから自動テキに判断される。

ポストに行く場合、ポストに通じる道の方向を向く。すると、ナビは、ルートデータから、その方向に進む経路を選択する。そして、道なりに音声誘導を始める。歩道がない方向には反応しない。

ポストから引き返すときには、その場で体を帰路の向きに向ければ逆の方向に誘導する。

この自動判断機能の有効性は、数千キロ歩いて体感ずみである。ポストの前で目的地を 自宅 に再設定する操作のわずらわしさは、右手に白杖を持って、実際にやってみれば分かることです。

『分岐点での動作』
上で述べたように、分岐点の座標は特定できている。その近辺に到達したら、それぞれの分岐の先にある施設名がをコールアウトされる。そこでおよその方向に向けて歩けば道に沿っての誘導がはじまる。

『道からはずれないように誘導するために』

見えている人は、道からそれずに歩ける。見えない人が晴眼者用の音声ナビを使ったのでは、道からずれてしまう。

このナビでは、33センチ間隔で点字タイルがしきつめてあって、それにそって誘導するようなものだ。つまり、歩道のデータが細密なのです。

高精度のGPSでは、その仮想的な点字タイルにタイして左右2m程度の誤差に入るくらいの誘導はできます。

下記は、最新のGPSを搭載したスマホで歩いたときの精度の実証動画です。幅4m弱の道路からはずれずに歩けております。
https://youtu.be/wGRjnkauOC4

『まとめ、そして限界』

カーナビのように目的地を入れて、その経路にそって愚直に歩く方法は、近場を歩きたい視覚障害者にはうれしくない。
かといって、事前に自分専用のルートデータを作っておくのもわずらわしい。

ここで提案する方法は、目の前にある歩行経路に沿ってそれからはずれないように誘導するものである。分岐点に来たら、都度、どっちに進むか決める。

アプリを起動したあと、一切の設定や選択操作はいらない。

なお、以上だけでは、スーパーの駐車場など、地図がない経路では使えません。またGoogle Mapに間違いがあったらそのまま間違えます。

さらに、駅前などいくつもの 歩行経路が接近して混在する場合も混乱がおきるかもしれません。

なお、東に向かって進むつもりが、逆方向に歩いていた、というような間違いは、適宜、進行方向などを音声でガイダンスして気づかせます。

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