ヤリチンepisode File vol.14春にざわつく小鳥のように
彼女は今年の春に新卒で入社した企業の配属で、広島の地元から関東の千葉に越してきたという。
私からすれば、8つも年の離れた女性と話す機会なんて今ではほとんどない。いつもの方法でその子は僕に連絡をくれたのだった。
はじめはとても控えめで、いわゆる「地味目」な女性なのかな?と思っていたが、2~3日連絡する中で徐々に心を開いてくれた。
箱にはいっときゃよかろうに。。
どうやら地元広島のいい家の一人娘とのこと。
一人暮らしの環境も、社会に飛び出して、同期のスペックの高い人間と横並びのスタートダッシュを切らなくてはならない。自分の能力や、姿、話し方ひとつとっても、何も優れているところがない。
不安で仕方がない。
誰かに相談して、
自分の悩みなんて大したことないんだと。
背中を押してほしい。
それとも、
と。。
彼女が直接こんなことを話していたわけではない。
それでも心が神経信号を通わせるのはいつだって「他者」だ。
食事の温かみや、生身の音声を通わせる相手がいない、孤独な都会で彼女が窮しているのは文面だけからでも十分伝わった。
しかしl、僕にしてみれば、別に人のお悩み相談がしたいわけではない。
ただの出会い厨男。
女性との「出会い」がしたい。
出会い中毒のようなシンプルな人間だ。
それでも僕はそれから、彼女に話してほしいとお願いをして、
それから同情した。全力で。
これは彼女を手に入れるための狡猾な算段でしかない。
申し訳ないけれど。こんなことを話すと、僕はずいぶんと人道を外れた人間のように思われるかもしれない。
しかし、彼女にとって。心の暗闇を吐き出すことも、女性として奪われることも。
どちらも幸せだった。
嘘が存在するのであれば、僕が「同情したふり」をしていることだけだ。
そのまま僕と彼女は心のパートナーのような関係になった。
顔も名前も知っているような初対面
日々の生活を報告しあい、少し自宅には距離があったので、かれこれ3週間後に初めて会うのだった。
若かりし頃を思い出すように、彼女との会話は盛り上がった。
僕にとっても、活力を取り戻すような楽しい時間だった。
僕は食事に行くとき、大体少し早めに。まだ話したりない。
というクライマックスがちょうどすぎたくらいで「お会計しようか」と声をかける。
だよね、ごめんごめんww
二人だけになれる場所で続き、話したいと思ってお会計頼んじゃった。
行こうよ。
速度を上げて上昇
こうして僕らは6月の台風みたいに。
どこからともなく集まって発生して。
不安定な関係を巻き込んで、どんどん大きくして。
圧力を濃く、密着させて。
嵐を起こすように求め合った。ホテルを出ると、もう時間は終電間際。
僕が住む東京と神奈川の間までの終電はもう終わっていた。何とかうまく、理由をつけて今日僕は帰らない決断をした。
彼女はうちに来ますか?と言ってくれたが、年頃の女性の自宅に上がり込むのは申し訳が立たない。
宿泊用のホテルを取って、彼女もいっしょに朝を迎えた。
嵐なんて、いつぞやの
そんな気持ちの良い朝を、僕たちは駅前で迎えて、そして別れた。
この後、何かに満足してしまった僕は彼女の身体を進んで求めることはしなくなったのだが、
今でもすごく信頼のおける、メル友のような感じで連絡を取り合っている。
僕の体験談では珍しい、ハッピーエンド(?)なお相手の話。
いや、僕のような男に捕まってしまったら、、
もはやハッピーな顛末など似合わないのかもしれない。
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ヤリマネが10年間絶えず、、
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