違う星の言葉を話す男性に深夜出会ったお話

居酒屋でバイトしていた学生の時にあったお話です。

深夜、バイト終わりの帰り道。
途中に暗くて細い道がありました。
私は女子だとバレないように、着ていたパーカーの帽子を深く被り、用心しながら帰っていました。
すると後ろから足早に近づいてくる足音。
1人の男性が私のことを足早に抜かして行きました。
その後ろ姿を見送り、私はその暗い細道を抜けました。
細道の先には深夜でも明るい大きな国道があるのですが、そこの横断歩道で私を抜かして行った男性が信号待ちしていました。
深夜なので車なんて通っていません。
律儀に信号を守っている…ではなくて、私を先ほど抜かしたタイミングで今この横断歩道での信号待ちは変だ…と地元民としての直感が働きました。
その男性の横を通り過ぎる時、男性はジッと私の顔を見ていました。
嫌な予感を抱きつつ国道の先にある踏切に差し掛かった時、いつのまにか後ろにいた男性が私の前にパッと出てきて早口の凄い勢いで何か言いました。

「◯◯◯◯◯◯◯◯◯!!!!」

ん?何て言ったんだ??
まず早口で聞き取れない。
男性はすごい勢いでまた同じ事を言いました。

「◯◯◯◯◯◯◯◯◯!!!!」

耳馴染みのない初めて聞く言葉。
外国人?
目がギラギラしてて怖い。
黒を基調にした服の細身男性。
日本人に見えるけど、もしかして外国人?

男性は反応のない私に何度も同じ事を必死に叫びます。

まったく何を言っているかわからない…。
どこかの外国語か、違う星の言葉(病い)かもと思いつつ

「え?(何て言ってますか?)」と言った私に男性は初めてゆっくり、しかしながら力強く言いました。

「フ◯◯◯オしてくれ!」

聞き取れた。
聞き取れたけど、何それ??
その時の私はその単語の意味を知らなかった…

私「は?(何それ?)」
男性「フ◯◯◯オしてくれ!」
私「は?(だからそれは何?)」
男性「金なら払うから!!!!」

男性がズボンのポケットから黒いお財布を取り出し、札入れをパカっと開いて見せてきました。
そこで私は初めて下ネタの単語だと気づきました。

一気に恐怖心で固まる私。
私が固まっている様子を見た男性は、急いでお財布をポケットに戻し、走って去って行きました。

襲ってくる系の人でなくて良かった…。

あの単語、勢いよく早口で言われた場合、言葉の意味を知らない場合、違う星の言葉に聞こえるというお話でした…。



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