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【こころがととのう】水の様に多様になる
サウナーの循環的な「ととのう」行動の最中、空を見上げていると『雲が漂う様に、ゆっくりと形を変えながら流れていきたい。雲は水分であり、その元である水は常に形を変えて、命の源でもあり、時には強靭に、時には恵みに、また個体・液体・気体にもなり、あらゆる状態になりうる多様性のモノである。そして、なくてはならないモノである。
当たり前のことに気づき、水の様に生きていきたいし、生きていこうと思いました。
黒田官兵衛の「水五訓」
戦国時代、豊臣秀吉の知恵袋といわれた黒田官兵衛(黒田如水)の教えを思い出しました。みなさまはご存知でしょうか?
自ら活動して他を動かしむるは水なり
常に己の進路を求めて止まざるは水なり
障害にあい激しくその勢力を百倍し得るは水なり
自ら潔うして他の汚れを洗い清濁併せ容るるは水なり
洋々として大洋を充たし発しては蒸気となり雲となり雨となり 雪と変じ霰(あられ)と化し凝(ぎょう)しては玲瓏(れいろう) たる鏡となりたえるも其(その)性を失はざるは水なり
自ら活動して他を動かしむるは水なり
「率先垂範せよ」ということ。
水は、水そのものが動き、それに関わる物が動き、一緒に運んでいきます。
私達人間の場合は、自ら行動し、他人の模範を示すことで周囲人々の理解を得て巻き込み、牽引する人になろうということ。上司部下関係なく、先輩後輩関係なく、どのような立場であれ関係なく、模範となる行動を示し、人を動かす行動をとっていきたいですね。
常に己の進路を求めて止まざるは水なり
「自ら考えて道を拓くことを心がけよ」ということ 水は、どのような状況においても、流れを止め動き続けます。
私達人間の場合、思考があります。口だけではなく、自ら考え自ら行動し、失敗を恐れずたとえ失敗しても次に向けて動き続ける。失敗は、そのやり方や進め方では上手くいかないことがわかったということ。失敗という言葉はあっても失敗というものはない。捉え方を変えて、常に行動し、一歩ずつ流れを止めずに進んで行きたいですね。
障害にあい激しくその勢力を百倍し得るは水なり
「あきらめることからはなにも生まれない」ということ。
水が予定通りであったり、流れるままに流れていても、どこかで何かの理由で滞留してしまうことはあり得ます。そんな時は、そこに水が溜まっていき、力が蓄えられていきます。この、蓄えられた力が解放された時、大きな流れと力になり流れ始め、大きな結果をもたらします。
私達人間の場合、大きな困難に直面し、諦めずに一時的に留まったり、苦しい時でも耐え続け、知識や経験が蓄えられたあと、その力や機会がうまれ、流れ始めた時には、大きな力となります。これは、習慣化による知識や経験や日々の努力が大きな成果に繋がる事も意味しているのではないでしょうか。
自ら潔うして他の汚れを洗い清濁併せ容るるは水なり
「人を追いやることをせずに共に頑張ろう」ということ。
川は、湧き水から始まり、少しずつ支流が重なっていき、本流となり、大きな力となり海へ向かって流れていきます。また、どのような質の水であっても合流します。
今の時代、多様性を受け入れる、ウェルビーイングな時代になりました。人それぞれの個性、感覚、思考、価値観等、自分にとって合わない人を受け入れ、「自分にはない相手の長所を見つけて活かしていく」ことが大切です。目的に向かって人々の知識、技術、経験、価値観等をまとめていき、目的に向かい進み達成できる、そんな器量を持つ人になりたいですね。
洋々として大洋を充たし発しては蒸気となり雲となり雨となり 雪と変じ霰と化し凝しては玲瓏たる鏡となりたえるも其性を失はざるは水なり
「常に自然の理(ことわり)にそって物事を考えよ」ということ。
水は状況により次々と自らの形を変化させることができますが、本質は変わりせん。
私達人間の場合、もまさに水のように、状況により変化に対応しながら本質は変わらず、常に柔軟に物事に応じて行く必要があります。
現状を受け入れ、今という状況と環境の中でどのように行動して、生き抜いていくか、課題解決をしていくか、人間関係をクリアにしていくか、それぞれできる努力をしていくのかが重要です。それでも、私という自分の、人間であり、私であることの本質は変えず、自分の軸をぶらさずに生きていきたいですね。
まとめ
これからも、生きていくうえでは、様々な困難が待ち受けていると思います。その様な状況に見舞われても、「水五訓」に倣い、水の如く、自然体で生きていきましょう!
このメッセージが、みなさまにとって何かの気付きになれば幸いです。
最後まで読んでいただいた方に感謝申し上げます。ありがとうございます!