見出し画像

#Article5. 【映像に入った声の正体──《金山ダム》噂の真相】


はじめに

※シン・コワは「心霊現象を撮りに行く」ではなく「心霊現象って本当に起こるの?」を軸に、"特別な機器は使わずに"検証を行う番組です。
現地で起こった全ての事象を心霊現象だと煽ることなく、疑問を呈し、考察し、勘違いや思い込みにより話が飛躍されてしまったのではないか、ということも提示していきます。

・・・

 千葉県鴨川市にある金山かなやまダム。
この場所は稲川淳二氏のシリーズ"恐怖の現場""ある話"が紹介されたことがきっかけとなり有名になった心霊スポットである。

 昼間の時間帯はバス釣りで賑わうと言われるこの場所のいわくは、以下の内容になる。

 とあるカップルが赤い橋から身投げをした。しかし、男性は助かってしまい女性だけが亡くなってしまった。以来この橋では、男性がひとりで歩くと女性の霊に足を引っ張られるといった心霊現象が起こるようになった。

なぜ、女性は男性の足を引っ張るのか?】

 他にも噂はあるのだが、今回はこの点を考察しつつ映像に残された謎の音声についても触れていく。

 声を聞いたのは卯月。はっきりと男性らしき声で「おい」と言っているのが聞こえる。映像を見るにすぐに振り返ってあたりを確認しているのだが、何者かが映り込んでいる様子はなかった。
 また、よく耳を澄ますとキャプチャ画像より数秒前にも小さく「おい」と入っているため、声を掛けられたのは一度だけではないようだ。

 スタッフ渡邉のカメラに収録されていた「シュパ」という声。編集段階では服の擦れる音、水の跳ねる音、風切り音など考えたのだが、明らかに人の声のような質感がある。
 聞く人によっては「死ぬか?」とも聞こえるようで、非常に恐ろしい音声の可能性がある。
こちらの声らしき音も男性の声のように聞こえる。

・・・

 ではここから、シンコワ調査員が撮った写真とともに金山ダムの内部を見ていこう。

 山の中であるためか、夜は雰囲気が凄まじい。明るい時間帯に見えていたであろう緑々あおあおしい山木の背景も、夜になってしまえば黒いシルエットとして不気味な姿を見せている。

 写真を見てのとおり、欄干は高いがスカスカのため簡単に飛び降りることは出来るだろう。しかし、橋から水面までの距離はそこまであるようには感じらなかったので、もし落ちても複数の要因が重なることがなければ亡くなるまでいかないのではないだろうか、と考える。
 複数の要因というのは「泳げない」「服が水中の木や石といった異物にひっかかる」「冬の水面温度」「水の流れが激しかった」などである。

 また、映像内では「浅そう」と発言しているが、バス釣りができる程度の水深はありそうだ。

 橋を抜けて1分程度で現れるのがトイレである。現在も使用できるのか不明だが、汲み取り式のトイレであることは確認した。
 トイレの中は虫の棲家と化しているので、もし仮にトイレを使うとしても、ここを選ぶ勇気はかなり必要だろう。

 トイレの次に姿を見せるのが玉滝大僧正頌徳碑たまたきだいそうじょう しょうとくひである。大僧正は、僧の中で最高位のこと。そして頌徳碑とは、偉業や功績を讃えるために建てられる碑のことを指す。
 つまり玉滝という名の高明なお坊さんを讃えるために建てられた石碑が、金山ダムには存在している。

 斧落隧道おのおとしずいどう
名前の由来は諸説あるが【昔、落ちてきた石が作業員にぶつかり斧が振り下ろされたように頭が割れて隧道内が血まみれになった】という物騒な話しがある。
 過去に起こった悲惨な事件を忘れないために名付けたというのであれば納得し得ることもできるのだが、歴史の教科書に載るようなことではないし、なんとも眉唾な話しである。

 こういう名前が使われる場合、物騒なエピソードが付け加えられがちだが、本当はどうなのか。
例えば「使っていた斧を勢いよく振り下ろしたら岩肌に弾かれて、手元から斧がすっぽ抜けて下のダムへ落ちて行った」なども斧落隧道と呼ばれる所以になりそうではある。

危険な吊り橋と恐ろしい隧道!悲しき霊の集う場所《金山ダム》に突撃!-2024年2月3日-

・・・

 ここから齊藤の考察を話していく。

1.なぜ女性の霊は男性の足を引っ張るのか。

 これは、赤い橋を男性がひとりで歩いている時に起こると言われている。元恋人だけが助かってしまったために、寂しい思いから道連れにしようとしている、と考えたのだが・・・。

 霊がその場所に留まる理由は、亡くなる前に未練を残してしまったことと考える。
ここで女性の霊は何かしらの未練を残したまま亡くなっている、そして男性の足を引っ張ってくる。このふたつを交えて考えると、身投げしたカップルは自殺に見せかけた他殺だったのではないかという説が浮かび上がる。

 カップルは身投げをする。
そして落ちた先で男性は女性を溺れさせる。女性は亡くなり、男性は助かる。亡くなる瞬間に男性が自分を殺そうとしていることに女性は気付いてしまい、怨み(未練)が残った。
こういった展開があったのであれば女性の霊が今も足を引っ張っている理由が付く。

2.「おい」という声

 山の中で聞こえたら危険な声として"男性の声で「おい」と呼ぶ声"があると言われている。
その理由は、熊の鳴き声が「おい」に聞こえるからである。しかし千葉県は"熊なし県"として有名だ。熊の存在はないことから、熊説は消える。

 金山ダムの探索中、熊以外の動物が確認できた。キジ、カモ、ウシガエルといったところか。
他にも陸上動物が居たとは思うが、姿は見れなかった。もし居るとして考えられるのはキョン、タヌキあたりだろう。
だがどの動物も「おい」と鳴くことは無さそうだ。これで熊以外の動物説も消える。

 そうなると、やはり霊の声だったのだろうか・・・。
玉滝大僧正の碑があったことを考えると、今も金山ダムを守っている大僧正がシンコワ調査隊に声を掛けてきた可能性がある。「おい、お前なにやっているんだ」ということなのだろうか。

3.「シュパ」という声

 この声は、スタッフ渡邉が赤い橋の検証をしているときに残された音声だ。
赤い橋・・・ここでは女性の霊が噂されているにも関わらず男性らしき声で「シュパ」と聞こえている。

 このことを踏まえると、実は金山ダムには女性ではなく男性の霊が存在している可能性が高い。
本当は身投げしたカップルのうち亡くなったのは男性で、女性だけが助かったのではないだろうか。「シュパ」という声も「シズカ」や「シュウカ」という女性の名前を呼んでいたとも考えられる。

 赤い橋では濱田・筒井・齊藤・渡邉の4人がひとりずつ渡る検証を行ったが誰も足を引っ張られることはなかった。
もし仮に、女性が一人で橋を渡ったときに足を引っ張られることがあれば・・・。

2024年3月9日
ディレクター:齊藤

@YouTube

@X/旧Twitter

@Instagram


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?