初恋。
それは中学生の時の同級生。
あまり記憶が確かではないけれど、クラスで役員を決める選挙みたいなのがあったのかな。目立つほうでもなく、内気で気弱な少年だった僕は、話し合いに参加することも、立候補することもなく、ただ時間を過ごしていたのだけれど…突然、級長に推薦された。そのとき推薦してたのが彼女だった。同じクラスにいたけど、特にそんなに話しすることもなかったのに、なぜだったのかな。
担任の薦めもあったし、級長っていっても特に何かをすることもないだろうし、軽い気持ちで引き受けることに。振り返っても、何をしてたってのも覚えてない。けど、その彼女も副級長になってて、一緒にいるときが楽しかったのは覚えている。
学年が上がるとクラスは別れたけど、3年生の時だったかな。進路を考えるようになって、彼女の家で模試対策の勉強をした。当時は男友達としか遊んでなかったし、家に女の子とふたりきりでいることに緊張してた。
意識し始めたのも、その頃だったのかな。僕と比べ、活発だった彼女。異性の友達も結構いたみたいで、ウケもよかったし、ちょっとヤキモチも焼いたり…けど、友達と接してる時と、会ってる時で違う彼女。もしかして意識されてる?恋愛に不慣れだった僕は、そこで恋に落ちた。今思えば、勘違いしてたのかもしれない。
そしてある日、僕は彼女に告白した。といっても、口では言えなかったので手紙にした。返事ももらえたのだけど、あえなく撃沈。それでも卒業するまでは普通に友達として過ごしていた。卒業後は会うこともなくなり、そこで僕の初恋は終わった。
あれから数十年経って、久しぶりに母校を訪ねてみると、校舎もすっかり立ち変わり、学校の前にあった彼女の家も空き家になってた。今頃どこで何してるのかな。
君は…幸せですか?いい人生を歩んでますか?
僕は…どうだろう?悪い人生ではないけれど。
いま、なんか幸せです(笑)