イギリスでの誰でもない「私」という存在
みなさまこんにちは。
Flower Message Oracle Card作者の沁です。
私が実際に経験したイギリスでのストーリーを数週間に渡りご紹介していきたいと思います。
前回の記事はこちら▼
目まぐるしい日々の中で
イギリスという今までとは完全に環境が違う場所に、英語もままならないまま、知り合いも一人もいない状態で飛び込むというチャレンジは、とても大変でしたがその中で最も体感したことがありました。
ロンドンは実はネイティブブリティッシュの人口は少なく、およそ70%の人が海外から来た人で構成されています。
ほとんどの人が異なる母国語、異なるバックグラウンドを持ち、そこで生活をしています。(ロンドン郊外に行くと、イギリス人が多くなります。)
その中で生きていく必要があったわけですが、日本とはかけ離れた景色や気候、環境、そして人混みに紛れる英語のつたない私を彼らは誰も「日本人」とは気づきません。
このような、ロンドンの中で「どこかの国のアジア人」として生きるのはとても奇妙で、不思議な気分でした。
ここで初めて日本人というマジョリティーを抜けて生きていることを実感しました。
誰も私に気にも留めず、私もだれにも気を使わず、ある意味どこにも居場所がないようで、ぽーんと移動してイギリスに住んでいる私のように「人は本当は行動すればどこでも生きていけるのだな」と不思議に思いながら生きていました。
また、自分で決めればどこにでも生きていけるけれど、それが幸福感に繋がっているかはまた別だと思いました。
この誰でもない「アジアの女の人」という状態と、言葉を自由に使えず思ったことを伝えられず、仕事もやめ、日本の国籍を持っているが実家以外の帰る家はもうなく、知り合いも、友人もイギリスにはいない。
この状況はほとんど人生をリセットしているかのような感覚に近かったです。
ただ、この経験を通して日本に戻ってきたからこその私の想いとしては、自分のコンフォートゾーン(快適な空間)を抜けた先に、ルーティーンから離れた新しい未来が待っている、ということです。
私にとってコンフォートゾーンを抜けた先では全てリセットされていたので、また一から言語や新しい友人、コミュニティ、生きる上での価値観、それらの経験・・・など。
日本で生まれた日本人というバックグラウンドを持っている意外は、完全にもう一つの人生でした。笑
このように新しい未来や新しい人生を作る、ということに関しては私のようにイギリスに行く必要は必ずしもなく、皆さんも自然とできていることも多いと思います。
職場を変えたり、新しいコミュニティに入るということが最もわかりやすい変化ですよね。
未来を新しく作ってみたい。そう思う方は是非ちょっとだけコンフォートゾーンを超えるということをおすすめしますが、
ただコンフォートゾーンや、何かチャレンジをしたり環境を変えてみて、かつていた場所がとても「大切なものだった」と気付くこともあると思います。
私も全てリセットして、何者でもない私というのは時折神経衰弱にもなりました。
ある程度キャリアがあって、自分で全て安定して生活をしていたならばなおのこと、イギリスでの変化が痛く苦しいときもありました。
そんな時はいつだって元いた場所に戻ってもいいし、それがあなたの幸せだと気付けるいいきっかけと経験だった。とも言えると思います。
イギリスにいる日本人の数人は自分の元いた環境がどれだけ幸福だったかに気づき、早めに帰国をされた方もいました。
この経験は私が目標に向かう中での、大切な経験となりました。
無い物を見つけることは簡単ですが、あるものを大切と気づき大事にすることは難しいです。
痛みや苦労を伴って手にするのではなく、日々感謝して大切にしていくということも一つの道です。できないからこそ、できることが価値へと変わるのです。
私も戻ってきて、イギリスでの一章が幕を閉じ今は新しい一章が始まっています。
環境や場所が変わり、また違う目標や課題と直面してはいますが、この経験が必ず生きてくると信じています。
少しでもこれをお読みになった方が、何か歩んでいくうえでの気づくきっかけになると嬉しいなと思っております。
まだまだ努力する一個人として、みなさまがそれぞれ素敵な人生を作っていける、歩んでいけることを心から願っています。
沁
次回予告
イギリスで出会った人々と私が見た彼らの幸せ
をお届けできればと思っております。
ここまでお読みいただきありがとうございました