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石ころ長者への道のり#6

〜1つの石ころから起業した男の話〜

第6話

週末はワッフルのイベント販売
その他の日は料理人の活動をしていた私。

週末のイベント販売だけでなんとか飯が食えるくらいにまでなっていたのですが、このイベントが無くなってしまえば、たちまち飯が食えなくなる。
そんな危機感から、現状に満足せずいつも何かを探していました。

しかし、物件を借りるお金はまだ無く
無料、若しくは安く借りれる場所は無いかと
辿り着いたのは、公民館でした。

近所の公民館を借り、知り合いに声を掛け
週一回の料理教室を開催しました。
自分の腕を鈍らせたく無いという思いと
少しでも料理の方向に持っていきたいという思いでした。

人数は少なかったものの
何度か続けていくうちに、その活動を見てくれたBARのオーナーや、カフェを経営している友人が声をかけてくれ
お店を使わない時間や、店休日に私が主催した
ワンデイカフェをさせて貰える様になりました。
そのかわり、事前に告知や集客をしっかりと自分でしなければなりません。
それも含めてとてもワクワクしていました。
一日限定でもお店ができる!
お店で料理をしてお客さんに食べて貰えるだけで幸せでした。

しんいちろう。のワンデイcafe
毎回30名程来てくれた


そして、それを機に
色々な場所にケータリングや出張料理などで呼んで貰える様になりました。

しかし、まだ保健所の許可を取ったキッチンを持っていなかったので、出張先のキッチンを借り、早くから仕込みをして、調理、料理提供、片付けまで行う。
毎回初めてのキッチンなので、使い勝手も違うし、汚してはいけないと、とても気を使う。

一畳くらいのスペースしかないキッチンで30人分のコース料理を作ったこともありました笑
ありがたかったけど最初はもの凄くやりにくかったのを覚えています。

しかし、この経験が後に活きてくることになります
そのお話はまだ先で致しましょう。

ボチボチと出張料理やケータリングの依頼を頂いていましたが、それだけで生活できるわけでは無く、やはりワッフルの移動販売は続けていました。

というより、ワッフル販売は意外にも事業としては優秀だったのです。
ワッフルは仕込みも簡単、提供もイベント会場で焼きながらできる
売り上げも短時間で上がり、さらに利益率が料理に比べてダントツに良かったのです。

事業資金を一切借りれなかった私は
文字通り自転車操業。
どっちが少ない投資で効率的に稼げるかということを常に考えていて
ワッフルと料理を天秤にかけてしまうこともありました。

ワッフル販売と出張料理が一緒の日に入った時は
迷わずワッフル販売を選ぶこともありました。

しかし
自分のビジョンの中に
お爺さんになってもテントでワッフルを売っている姿はありませんでした。

若いうちはいいかもしれないけれど、歳を取ってからこの仕事は体力的に出来ないだろう。

それならば今のうちに、方向性を決めなければ。

開業から3ヶ月が経った、7月頃そう思っていました。


ちょうどその頃
イベントで知り合った方に、あるパーティーに呼ばれ、そこで次の展開がいきなり決まりました。
そのお話は次の機会に。

石ころ→自転車でワッフル→ワッフルテント販売→
イベント出店+出張料理



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