日々の言葉 #47『八月の銀の雪』
今日の日々の言葉は、伊与原新さんの『八月の銀の雪』から。
伊与原新さんは、東大の地球惑星科学出身というバリバリの理系小説家です。
小説にも「地球」の営みや科学の知識が取り上げられているんですけど、めっちゃやさしいお話なの……。
今日の言葉は、絶望を抱えたシングルマザーが主人公の短編「海へ還る日」から選びました。
「当たり」のない人生に疲れ、ふと訪れた自然史博物館。イラストを描くスタッフと語りながら、現実を生きる決心をする、というストーリーです。
「やってしまったー!」
そんな大失敗に気が付いてしまったら、冷や汗ダラダラ、心臓バクバクで、ひどいときは生きる気力さえ失ってしまいますよね。
どうやって誤魔化そうかと考えたり、過去の自分を責めたり。
一番いいのは、早く、とにかく早く報告することですよ、当たり前だけど。
失敗してしまっても、ケロリとしている人もいますが、わたしは回復に時間がかかる方でした。
自分のバカッぷりがイヤになって、どんどん自分で自分を責め、どんどん穴を掘って閉じこもってしまうんです。
これって、まったく意味がないんだと、分かっているのに止まらない。
気持ちを切り替えるために大事なのは、同じ失敗を繰り返さないこと。
そのためにチェックポイントを増やしたり、マニュアルを見直したり、とにかく「できること」をやってみるのがおすすめです。
そして、もっと大事なことは。
失敗した自分を許し、笑って愛してあげることです。
失敗したとしても、自分の価値が下がるわけではない。
お役に立てなかったとしても、自分の存在を否定しなくていい。
「わたし」という果実が熟していく過程だと、信じてみるのはどうでしょう。
これまでやってしまった失敗には、どんなメッセージがあったと思いますか?