【モヤカラ♪ vol.15】ファシリテーションを成功に導く3つのポイント
会議やイベントに参加するとき、進行役が「こなれている」と、なんだか安心して考えることや楽しむことに専念できますよね。
こうした複数の人が集まって活動する際に、進行をしてくれる人のことを「ファシリテーター」と呼びます。
日本ファシリテーション協会の定義はこちら。
わたし自身、講座を開催したり、コミュニティのイベントの進行役をしたり、「ファシリテーション」を任されることも多いのですが。
ぶっちゃけ、冷や汗かきまくりなんです……。
しゃべりすぎた、時間がない、話が長いよ、考え込んで言葉が出てこない人がいる、時間がない、質問と回答がズレてるよ、次は何だっけか、時間がない……。
毎月第1・第2月曜日の22時10分から、「モヤモヤをカラッと♪」というTwitterスペースを開催しています。
略して「モヤカラ♪」。
3月はちょっと趣向を変えて、ワンテーマで語り合う会をお送りすることにしました。
3月6日に配信した第15回「モヤモヤをカラッと♪」では、7つの習慣セルフコーチングの認定コーチ・森川さん( @morikawa_7hsc )、むらけんさん(@muraken7habits )、わたしの3人で、ファシリテーターに求められること、そしてその極意を探ってみました。
ポイントとして挙がったのは、この5つです。
話しているベースは講座を開講するときのことですが、ここで挙がったポイントは、会議やイベントのときにも使えるものだと思います。
配信のダイジェスト版として、上のポイントを
・タイムマネジメント
・質問と受容
・ファシリテーターのマインドセット
この3点から解説してお届けします!
タイムマネジメント
会議の最初に雑談が多いほど、その会議は発言数が増え、予定された時間内で終わる確率が高いのだそうです。
場の舵取りをするファシリテーターもやはり、アイスブレイクに神経を使うもの。森川さん、むらけんさんも、「積極的に発言できる環境づくり」を意識するとお話されていました。
わたしは講座の最初のほうで、自分のアホな事例を挙げることにしています。笑って、気持ちをほぐしてもらうこともあるけれど、「いいこと言わなくていいんだな」という空気をつくりたいからです。
「いいこと言わなくちゃ」というパラダイムは、多くの人がもっています。アホで知られるわたしにも、ちょっとはあります。下心ね……。
特に、正解を求めるタイプの人には絶妙に効いてきますよ。
ただ、話が脱線すると、そちらで盛り上がってしまい、肝心のところで十分に時間が使えない……ということも起こります。
そんなとき、森川さんが活用しているのが「チャット」だそう。話をすると長くなりそうなときは、Zoomのチャットに書き込んでもらうわけです。
「書く」ことによって、参加者も自分の考えを客観視できるので、これはいい方法かも!
最初の段階でお互いの共通点などが見つかれば、話も弾みますし、心理的安全性もつくりやすくなります。
参加者を「お客さま」でいられないように、自ら積極的に発言してもらえるよう、チームとして場に集中できるきっかけをつくるとよさそうです。
質問と受容
参加者の話を聞いているとき、「あぁ、こういうことか」と思い込んでしまったり、「それについてはこの本が参考になるよ」と説明したくなったりすることがあります。
7つの習慣実践会のファシリテーターとしても活動されている、むらけんさんは、
「自分との闘い」
と表現されていました。
説明したほうが早い。でも、それでは相手の気づきにならない。納得を生み出せない。
こういうときはコーチングの手法である「質問」が有効なのですけど。質問に対する「回答」に翻弄されることもあるのですよね……。
以前、コーチの先輩に話を聞いたところ、ある程度の「予想回答」のようなものを準備する人もいますし、丸腰で話を聞くという方もいました。
ここでちょっと、話は脱線して、わたしの若いころの話を聞いてください。
イベントの司会の仕事をしていたとき、5歳くらいの女の子をインタビューすることになりました。
お母さんと一緒に舞台に上がってきてくれた娘ちゃん。いろいろ話を聞いたあと、最後に「大人になったら、何になりたいですか?」と質問しました。
回答を予想して準備しておくなら、お花屋さんとか、YouTuberとか、アイドルとか、ありそうですよね。そこから司会者としてどう話をつなげて「さよーならー!」と言うかまで準備するのは当然のこと。
でも、子どもさんって、ホントに予想外のことを言ってくれるんですよ。このときは、
「ニンジン」
という回答でした……。もちろん、頭が真っ白に!!!
さて、あなたなら、どう話を続けますか?
閑話休題。
講座の進行や、イベントの進行にあたっては、準備が99%です。準備しないヤツに、神さまは手を貸してくれません。
でも、準備にとらわれていると、「その場のノリ」が置き去りになってしまう可能性だってあります。ファシリテーターのパラダイムによって、回答の善し悪しを決めることもできない。
いつも、主人公は参加者。
ファシリテーターは議論の交通整理や舵取りをするために、出てきた話はいったんすべて受け止める必要がある。心に刻んでおこうと思った話でした。
ファシリテーターのマインドセット
『7つの習慣』では、それぞれに「終わり」を思い描くこと、そのために他者と協働してシナジーを創り出すコミュニケーションの必要性が説かれています。
参加者同士が話し合うことで刺激され、自分の中から気づきを発見する。または、納得のある結論にいたる。
それが理想なのですが、そうはカンタンに落としどころがみつからないことだってありますよね……。
こういうときは、「ファシリテーターが自分の“終わり”を思い描かないことが大事なのでは」と、むらけんさんが指摘されていました。
ファシリテーターが落としどころを準備してきてしまうと、そこに外れた議論は意味のないもの扱いをしてしまう可能性もでてきます。
この場で必要なのは、ファシリテーターが準備した“終わり”ではなく、参加者それぞれが腹落ちした“終わり”です。
当初の予定より、はるかナナメの位置まで飛んでいるかもしれない。でも、それが目標に沿っているならば、その“終わり”が必要なんですよね。
これ、進行を任される者にとっては、とても不安です。
その勇気を持つためにも、わたしが意識しているのは、「ファシリテーターがスポットライトの下に立とうとしない」ことです。
ファシリテーターが演説を始めて、議論を誘導し、自分が用意してきた“終わり”に導くなら、参加者はいらなくない?
森川さん、むらけんさん共に、「自分がやりきった感がある、気持ち良くなってる講座は、振り返ってみるとあまりよくないことに気づく」と仰っていました。
ファシリテーターは、参加者の心の動きにスポットライトを当てる役ともいえるかもしれません。小さな変化も見逃さないために、参加者を観察していることも、よくあります。
勇気と覚悟が必要だけど、覚えておきたいマインドセットです。
「モヤモヤ」を「カラッ♪」とさせよう
人は、「パラダイム=ものの見方や思い込み」によって思考し、選択し、行動しています。でも、自分がどんなパラダイムを持っているかは、なかなか意識できません。
そこで、「パラダイムシフト=パラダイムを自覚して、世界の見え方が変わった瞬間」をうかがい、明日のワクワクにつながるヒントをみつけてもらおうという試みが、「モヤカラ♪」です。
3月はワンテーマで語り合う会を開催していて、6日のテーマが「ファシリテーションのパラダイムシフト」でした。ポイントとして挙がったのは、この5つです。
ちなみに、舞台の上で「ニンジンになりたい」と言ってくれた女の子に、わたしがかけた言葉は、
「おいしいニンジンになれるといいね~」
でした。冷や汗をかきながら、なんとか話を続けたのですが、後でお母さんから「ニンジンが苦手なので、そう言ったみたいです。おいしくなれたらいいなと喜んでました」と言っていただけました。
せっかくの発言に対して、否定したり、茶化したりしたら、誰だって傷つきます。
まずは全面的に受け入れられる器でありたい。
ファシリテーターとしての勇気と覚悟をもつには、自分のパラダイムに自覚的であることが必要だなと感じるトークでした!
次回、3月13日は「伝えるのパラダイムシフト」をテーマにお送りします!
リスナーの方の「モヤモヤ」が、「カラッと」なるようなトークをお届けしたいと思います。お楽しみに!
今回のトークはこちらから聞くことができます。ぜひ!
「7つの習慣セルフコーチング」の公式サイトはこちら。
講座内容はこちらに掲載されています。
「モヤカラ♪」過去の放送はマガジンにまとめています。