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12年前の何者でもない君へ。
個人での発信が簡単な時代になり、モラル的な一定の規制はあるが、誰もが自由に表現できて自分の考えを世界中に共有出来る今。
『何者かになりたい』
誰もが望む気持ちではないだろうか?
しかし、『何者か』になるためには具体的にはどうすればよいのか?
そこに分かりやすい答えは無い。
しかし、人間は答えを求めたがる生き物だと思う。
無意識では答えが無いと分かりつつも、何かにすがりたい思いが勝り、気が付けばスマホに手をやっている。そこに答えは無いのに…。
何者かになりたければ、自分の主張や思想を誰かに伝える事から始まるのであり、誰かが答えを届けてくれるのを待っていては始まらない。
自分の考えを伝えるためには、その思いを声に出さない限り、それは相手に永遠に届く事は無い。
12年前。僕らは韓国にいた。
「俺は面白い事がしたくて韓国に来たんよ」と彼は話していた。
12年後。
彼は映画監督になった。
『何者でもなかった誰かが何者かになる瞬間』である。
しかし、当時、誰が彼の夢を信じただろうか?
数行では語り尽くせない物語がそこには詰まっている。
それをずっと見てきた人はどれほどいるのだろうか?
将来への不安やプレッシャー、色々な感情の中で過ごしたはずの12年。
彼は常に自分の夢を語り、発信し、表現したきたはず。
それでも12年という年月が過ぎている。
その間、どれ程の時間、彼は”孤独”と戦ったのだろう?
途方に暮れそうな長い時間を経て、彼は僕が届かないところへ行ってしまいそうだが、それは僕の中での嬉しい出来事でもある。
12年前に戻る事が出来れば、僕は迷わず彼に伝える。
「お前、12年後にすごい事になるからな!」と。
今、輝きを放つ人は、その輝きと同程度の暗闇を経験しているだろう。
今、暗闇の中の人は、いつか輝きを放つ時を持っているだろう。
1人でも多く、光が当たっていない”誰か”に向けて『未来へ勇気を持つ』という事を伝えていきたい。
そう思った夜だった。
〆