
82、新型コロナウイルスは天然痘のように根絶できません。その理由を教えよう!
「新型コロナウィルスについて」より再掲。RNA型である新型コロナウィルスをゼロにする事なんて出来ない理由を、DNA型である「天然痘ウイルス」と比較しながら説明しています。天然痘ウイルスは人類が根絶しましたが、新型コロナウイルスはムリなんです。2021年2月の作品。
【本文】
ウィズコロナ いつの間にやら ゼロコロナ
イカれた支配で 夜も眠れず
――つい半年ほど前にはコロナとの共存を目指す「ウィズコロナ」戦略が、小池都知事によってお笑いコンビ「いつもここから」のパネル芸が如く叫ばれていたのだが、いつの間にやら世の中の空気はコロナの根絶を目指した「ゼロコロナ」戦略が正しいものだとするように一変してしまった。
世の中の空気の、なんて移ろいやすい事か。これには「十返舎一九(じっぺんしゃいっく)」ではないが、私は本当に空気が「一変した、ショック!!」と衝撃を受けており、東海道どころか五街道全てで道行く人に因縁をつけて膝蹴りしたいような怒りすら湧いてきます(なんのこっちゃ)。
この「ゼロコロナ」なんていう考えを主導したのは玉川徹なんだろうが、新型コロナウイルスを根絶する事は不可能で共存するしかありません。ウイルスを根絶するなんていう事は至難の業なんです。
さて私がこう言うと、「何を言っているんだ、人類は『天然痘』を根絶したではないか!」と十遍でも二十遍でも騒ぎ立てる人がいらっしゃると思いますが、それとこれとはワケが違います。「天然痘」は根絶できても「新型コロナウイルス」は根絶できないのです。天然痘様はコロナちゃんなんかに比べて遥かに強毒で致死率も高くて恐ろしいのですが、それでもそうなんだから仕方ありません。
しょうがないなぁ、それでは「天然痘」を根絶できても、「新型コロナウイルス」は根絶できない理由をご説明致しましょう。ゼロコロナを信奉している狂信者は耳の穴を「マンホール」くらいによぉく開いてお聞きください。
「国立感染症研究所」によると――
「天然痘は紀元前より、伝染力が非常に強く死に至る疫病 として人々から恐れられていた。また、治癒した場合でも顔面に醜い瘢痕が残るため、江戸時代には「美目定めの病」と言われ、忌み嫌われていた……」
――そう記されている。身体の広範囲に発疹が出現し、20~50%という高い致死率を持つ天然痘は遥か昔から人類を苦しめていたようです。
紀元前1100年代に亡くなったエジプトの王「ラムセス5世」のミイラにも天然痘の痘痕が認められていますし、1521年の「アステカ帝国」滅亡や1533年の「インカ帝国」滅亡は、侵略者のスペイン人が持ち込んだ天然痘の蔓延が大きく影響しているとも言われています(もちろん、両国の滅亡はスペイン人の情け容赦ない殺戮が主要因だとは思いますが)。因みに「独眼竜」と言われた伊達政宗が右目を失明したのも天然痘が原因です。
しかし、そんな天然痘も1796年、イギリスの医師「エドワード・ジェンナー」が開発した「種痘法」の普及によって激減。
「天然痘ワクチンの接種、すなわち種痘の普及によりその発生数は減少し、WHO は1980年5月天然痘の世界根絶宣言を行った。以降これまでに世界中で天然痘患者の発生はない」
――そう国立感染症研究所も紹介している。人類を悩ませてきた天然痘は1980年に根絶されたそうだ。
それならば、天然痘より遥かに弱毒性で致死率も低い(――ていうか国内における新型コロナウイルスの感染者数と死者数のカウントが極めて曖昧な為、はっきりとした致死率は分かりません。めっちゃくちゃ低いという事は断言できますがね)新型コロナウイルスだって根絶できるでしょうがと思うかもしれませんが、それは違うのです(はぁ、やっと主題に突入できますね。ばか)。
天然痘はポックスウイルス科ポックスウイルス属に属する「天然痘ウイルス」がヒトに感染する事で発症するのだが、天然痘ウイルスは「ヒトからヒト」にのみ感染する為、感染した患者を(この言い方はイヤなのだが)隔離して治療をする事で感染を抑制する事ができる。要するに天然痘ウイルスの宿主は人間のみなのだ。
一方、新型コロナウイルスの感染経路は「ヒトからヒト」はもちろん、「動物からヒト」「ヒトから動物」等、色々な生物を媒介して――宿主として感染が広がっていく。だから玉川の唱える「検査・隔離理論」で新型コロナウイルスを抑え込むなんて無理な話しなんだ(そもそも人権の問題があります)。
まだまだ他にもコロナちゃんを根絶できない理由がある。
天然痘ウイルスは遺伝子にDNAを持つ「DNAウイルス」なのだが、DNAウイルスは遺伝子の複製の際にエラーを起こしにくく安定性がある。それはウイルスとして強固なのかもしれないが、逆に言うと、自身を脅かす事態が起こっても柔軟に対処できないという事だ。天然痘ウイルスは、ジェンナーの開発した極めて効果的なワクチンに対して成す術がなかったのだ。太古から人間に適応しまくってきた天然痘ウイルスではあったが、突発的な事態には対処できなかったのだ。ましてや宿主は人間だけだ。駆逐されてしまうのも時間の問題だったと言える。
地球の歴史において「大量絶滅」と呼ばれる生物種の大量絶滅が5回発生しているが、どれも生態系の頂点に君臨する地球の環境に一番適応した生物種が悉く絶滅している(恐竜が良い例ですね)。環境にガッチリ適応できるという事は、逆に言うと突発的な異変には弱いという事かもしれません。
しかし、新型コロナウイルスは天然痘ウイルスとは違いRNAを遺伝子として持つ「RNAウイルス」だ。RNAウイルスはエラーに対する修復機構がないので、頻繁に突然変異を起こす事が特徴だ。だから、そもそも効果的なワクチンを作る事ができないのだ。インフルエンザのワクチンだって、本当に効果的なものなんて存在しない。どれも来年の流行を予測して作っているだけだ。RNAウイルスはどんどん自らをアップデートさせていき、しぶとくしぶとく宿主の間を渡り歩くのだ。
また、天然痘ウイルスは「不顕性感染」は一切ないらしい。これはどういう事かというと、よく巷で騒がれている「無症状」という事態が存在しないという事だ。天然痘ウイルスは感染すると絶対に何かしらの症状を示す。しかもその天然痘の症状というのは全身の広範囲に出現する発疹が特徴なので、感染している人とそうでない人を見分ける事が容易だ。これは感染を抑えるには非常に有効だ。眼で見て分かるんですからね(だからといって強制的な隔離には慎重であるべきです。ハンセン病の人達に対して日本が行ってきた事を思い起こしましょう)。
しかし新型コロナウイルスは感染しても「無症状」である場合が多い。若者や子供なんてほとんど無症状だ。亡くなっているのは基礎疾患のある高齢者ばかりで、その人数も他の感染症や疾病に比べても突出して多いわけでもないんだから、馬鹿みたいに「検査・隔離」なんか徹底させる必要なんてないと思っている。
そもそも無症状者がこれだけ多い「新型コロナウイルス」を根絶させる事なんて現実的ではないのです。経済的な問題から考えても、人権的な問題、「自由」の問題、生きるという事の意味から考えても、「ゼロコロナ」にしようなんて考えるのは狂気の沙汰で、もはや目的と手段が転倒した原理主義に過ぎません。一言で言うと「ばか」です。
以上見てきたような理由から、新型コロナウイルスは天然痘ウイルスのように根絶する事はできないと言えるのです。
「ゼロコロナ」なんていうのはイデアの世界であって絶対に実現しません。そんな甘いもんじゃないんです。「ゼロコロナ」ではなく「ウィズコロナ」が正しい選択なんです(このウイズコロナって言葉を使ってくれた事だけが、小池百合子の聖火――あ、いやいや成果だと思っています)。
我々日本人は一刻も早く「ゼロコロナ」なんていう「幻想」を捨てて、コロナちゃんと共生する「ウイズコロナ」でやっていきましょう。ていうかインフルとも余裕に共生できているんで、全然難しい話しでもなく、過剰な感染対策なんて全く必要ないんですけどね。要するに普通に生きていけばそれで良いんです。馬鹿な事はもうやめて、とりあえずテレビを一切つけずに生きていけば日本は復活します。
新型コロナは天然痘のようには根絶できない!! これはよく覚えておいてください。