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19、女性の自殺者増はコロナ禍ではなく「健康問題」が原因だとする玉川徹へ②

「新型コロナウィルスについて」より再掲。前回エッセイの続きです。玉川徹の「女性の自殺者増は『健康問題』が理由だ!」とする理屈を論破しています。この一連の回は歴史に残しておきたいです。2020年12月の作品です。

【本文】
いいかい玉川くん?

総務省統計局作成、「労働力調査(基本集計)2020年(令和2年)10月分」という資料によると、「就業者」に関しては、正規の職員・従業員数は3535万人と、前年同月に比べ9万人増加しているのだが、女性の割合が高い非正規の職員は(ここは特にデータを示さないが宜しいね?)2111万人で、前年同月に比べ85万人減少している。

――すごい数だよね? ちなみに、7月は131万人減、8月は120万人減、9月は123万人減と壊滅的な数字だよね? 

そして君達マスコミも報じているように、「宿泊業、飲食サービス業」の就業者の減少が際立っている。対前年同月に比べ43万人減少している。

次に減少しているのは「農業、林業」だが、その数12万人と半分にも届かない。

ちなみに「宿泊業、飲食サービス業」は、7月に22万人減、8月に28万人減、9月に48万人減となっている。9月に入ってから一気に20万人も増加している。

総務省統計局による平成26年という、少々古いデータで恐縮だが、「宿泊業・飲食サービス業」における女性の割合は「64.1%」だそうだ。この女性が高い割合を占めている状態は、おそらく2020年の今も変わらないと考えると、やはり今回女性が受けたダメージは大きいと思わないか? そのダメージが、君の好きな「2週間後の……」ではないが、8月、9月の1~2ヶ月後の10月になって噴出したと考えるのは早計だろうか? 

まだあるぞ?

「従業上の地位別就業者数」では、男性の「雇用者(雇われて働く人ね)」は3266万人と対前年月に比べ「17万人」減少したのに対し、女性は2731万人と、なんと「32万人」減少している。約2倍だぞ、2倍! 

「雇用形態別雇用者数」によると、「非正規の職員・従業員」は2111万人で、前年同月に比べ85万人(3.9%)減少している。そのうち男性は「33万人」減少したのに対し、女性は「53万人」も減少している。20万人もの差があるのだ。

さて、反論は以上になる。

どうだい玉川君? ここまで聞いてみると、君の「10月に女性の自殺者が増えたのは『健康問題』が原因だからだ!」――なんていう理屈は、何だか胡散臭いちっぽけなものに聞こえてきやしないか? コロナ禍による自粛や失業によって多くの女性が自殺したという理由以外に、もはや理由なんかないと思えるだろ? 

いくらいきり立って反抗してみても、理屈がデータに基づいていないのと、データの上っ面しか読み取る事ができないのと、二つの理由で君は失敗を犯しているのさ。

今日はこれくらいにしておいてやるけど、私程度の反論をできるレジスタンスはたくさん存在しているという事は覚えておいてくれ。いつでも反論してやるからな。

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