
24、若者達へ捧げる
「新型コロナウィルスについて」より再掲。自粛を強いられている若者達に対して、マスコミの欺瞞を伝えつつエールを送っている。若者は国の宝ですからね。2020年12月末の作品。
【本文】
以下は大学生程度までの若者たちを想定し書く。
コロナが流行してからというもの、君たちは何かと不自由な生活を強いられていると思う。緊急事態宣言のときには学校は休校となり、友達とも遊べず部活もできず、勉強だってろくろく出来やしなかっただろう。アルバイトだって今まで通りに出来なかったのではないだろうか?
ただ家の中に押し込められ、したくもない「ステイホーム」や「おうち時間」なんていうものを、星野源の「うちで踊ろう」の無限ループと共に強いられていただろう君たちは、本当に気の毒だと思う。私はあの歌がこの世で一番嫌いな歌なので、思い出しただけでも虫唾(むしず)が走って仕方ない。
私の小学校の姪っ子は人との接触を極端に制限されたストレスからか、顔にたくさんのブツブツができてしまった。そりゃそうだろう、ゲームやYouTubeも長い時間は飽きてくる。友達と外を走り回れないのは子供にとって相当な苦痛だったろう。
君たちが何より腹立たしかったのは、「若者が感染を広げる」という理屈によって、特に体調も悪くないのに外出を制限されていた事だと思う。大人達はそれを「高齢者を守る為だ」と言った筈だ。君たちの多くはその言葉に従ったと思う。
……しかしだ、なぜこれだけ多くの人達が活動しているなか、君たち若者の活動だけが感染を広げていると言えるのだろうか? なぜ君たち若者だけが繁華街や遊園地なんかで遊ぶと感染が広がると言えるのだろうか?
20歳を超えている若者は、居酒屋で騒いで感染を広げるなと言われるだろう。若者は感染していても多くは無症状で、知らず知らずのうちに他人に感染させるから危ないというのが最大の理由らしいが、無症状者は老若男女問わず存在するのだ。君たち若者が感染させたら危ないとされる高齢者にだって、多くの無症状者は存在しているのだ。それに街に出掛けたり遊びに行ったりするのは、君たち若者だけでなく多くの大人も一緒の筈だ。
……要するにだ、君たち若者だけが感染を広げているという科学的根拠など一切存在していないのだ。
では誰が君たちの行動を抑制し、多くの責任を負わせようとしているのか? それはマスコミと高齢者だ。マスコミは視聴率を稼ぐ事が一番の目的だ。それは君たちが考えているよりも、荒々しく狂暴とも思えるくらいの執着心だ。その執着心は時として、いや往々にして人間が持ち続けていなければならない「思いやり」「やさしさ」「節度」「常識」みたいなものを放棄させる。
そんなマスコミによるニュース番組やワイドショーの視聴者の多くは高齢者だ。従って、マスコミにとって高齢者は最大のお客様になる。マスコミは高齢者が興味を持つであろう事柄があれば、それを扱った番組をこれでもか、これでもかと放送する。
さて、高齢者が一番関心を抱いている話題とは何か? それは「健康」に関しての話題だ。君たち若者にはピンとこないかもしれないが、年老いてくると身体のあちこちにガタが出てくる。だから健康に関しての話題は全然他人事ではないのだ。
マスコミはそんな高齢者の気持ちをよく理解している。そんなところに「新型コロナウイルス」というものが現れた。「これは健康が関係している話題だから高齢者が食いつくぞ!」そう考えたマスコミは嬉々としてコロナを扱ったニュースをたくさん報じる。……それだけなら別に良いのだが、マスコミは高齢者(を含む多くの大衆と言ってもいい)をもっとテレビにかじりつかせる為に、ある心理を刺激する。それは「恐怖心」だ。
「過去最多の感染者数だ!」「2週間後にはニューヨークになる!」「このままでは感染の火だるまだ!」「自粛だ!」「緊急事態宣言だ!」「サイトカインストームだ!」「後遺症は怖いぞ!」「医療崩壊だ!」
こうして恐怖心を刺激された高齢者は不安になり、益々テレビにかじりつく。マスコミは大成功だ。あとはいかに恐怖を刺激できる話題を提供し続けられるかだ。恐怖心を刺激するのは詐欺や勧誘の常套(じょうとう)手段でもある。恐怖心や不安を刺激して、人は人を操る事ができるのだ。マスコミはこの手法をとっているのだ。
そんなマスコミにとって批判の矛先を向けやすいのが、君たち若者だ。
高齢者を批判することはできない。見下しているとはいえ一般の高齢者はお客様だし、スポンサーの偉い人達も高齢者だし、何より自分達マスコミの偉い連中もほとんどが老いた老人どもだからだ。
「若者が感染を広げている!」「行動を慎め!」なんて言っているのは、それが事実だからどうかという科学的な理由なんかでは全くなく、ニュースなんて大して見やしないと思っている若者は大事なお客様でもないし、お金を出してくれるスポンサーでもないし、ましてやそんな自分達マスコミの上層部でもない。そんな自分達にとって価値のない若造なんてどう扱ったって構わない。マスコミの連中はそう思っているのだ。
君たち若者がことあるごとに批判されているのは、ただそれだけの理由なのだ! ニュース番組では、若者は家に籠っているのが正しい事のように言う。しかしその中身は自分達のエゴに過ぎないのだ。高齢者の命なんて別に考えちゃいない。マスコミなんてその程度の連中に過ぎないのだ。
今の高齢者の価値観は「命」と「金」だけだ。これに勝るものなんて何もない。「鬼滅の刃」にこんなセリフがあるという。
「老いることも死ぬことも、人間という儚い生き物の美しさだ。老いるからこそ死ぬからこそ、たまらなく愛おしく尊いのだ。強さというものは肉体に対して使う言葉ではない」
これは、「命よりも大事なものがある」という考えにもつながるセリフだと思うが、多くの高齢者にはこんな言葉は届かない。彼らは一分でも一秒でも生き永らえる事が最大の願いなのだ。老いていくのがイヤで仕方ないのだ。死ぬことが恐ろしくて仕方ないのだ。高齢者は永遠の命を持つ「鬼」になりたいような連中なのだ。悲しい事だが、彼ら高齢者はただ我々よりも長く生きてきただけで、中身は情けない者が多いのだ。
コロナの流行によって真っ先に政府が行ったのが、君たち学校の一斉休校だった。日本の年寄りどもは、自分達が生きる為なら君たち若者がどうなったって構いやしないのだ。自分の命が一番大事。ただの「生命至上主義」なのだ。
人は必ず死ぬ。それが恐ろしい事だとは私も思う。「無」になってしまうのはやはりイヤだ。しかし、だからといって「捨ててはいけない価値」がある筈なのだ。
高齢者も昔は若者だった。その時代は良く遊びよく学び、恋もして大いに自由を謳歌した筈なのだ。若い頃の時間というのは、人生のなかにおいて非常に実りのある楽しい時間だと知っている筈なのだ。しかし、今の若者たちからはそういった時間を奪おうとする。この浅ましさ、自己中心さ加減に私は怒りを感じている。
君たち若者が槍玉にあげられているのは、結局マスコミや高齢者の都合なのだ。だから感染させる事を恐れてはいけない。それはマスコミによる勝手な理屈なのだ。
現在、コロナによる死者は2944人だというが、毎年インフルエンザでは1万人が死んでいる。感染者は1000万人だ。インフルエンザに比べればコロナなんて恐れるに足りないのだ。マスコミはコロナとインフルエンザを比べてはいけないような事を言う。しかしそれは、比較されるとコロナの弱さが分かってしまうので、都合が悪いからそう言っているだけなのだ。さっき言ったように、マスコミは高齢者の恐怖心を煽り続けたいのだから。
気が緩んでいるとか何とか言うが、それは君たち若者を含め、多くの人間を自粛させておきたいからだ。
マスコミの連中は自分達の「恐怖心煽り運転」で政府にGoToトラベルを一時停止させ、また自分達の煽りにまんまと乗せられた医療関係団体に「医療非常事態宣言」なんてものを出させるにも至った。
そんなマスコミが次に狙っているのは政府による「緊急事態宣言」の発令だ。どんどん事態が緊迫感を増していけば、自分達にとっては喜ばしい状況になる。みんなテレビにかじりつくからだ! 奴らは「視聴率」だけが大事なのだ。人の命なんて関係ない。君たち若者が、再び「ステイホーム」させられようが関係ない。ただ己の視聴率のみが最大関心事だからだ。
若者のみんな。臆することはない。君たちは今の時間を最大限に楽しんで良いのだ。マスコミや高齢者の事なんて考える必要は全くない。感染させて殺してしまったらどうしよう……などと考える必要はない。
人間には寿命というものがあるのだ。コロナで死ななかったとしても、寿命が来たら人間は必ず死ぬのだ。それはインフルかもしれないし、他のウイルスかもしれない。肺炎かもしれないし入浴中の溺死かもしれない。高齢者をコロナで死なせない事だけが最重要課題のようになっているが、コロナで死ななくたって遅かれ早かれ高齢者は死ぬのだ。
これは「だから高齢者は死んで良い」なんていう意味ではない。人間の死は絶対なのだ。情緒的に反応しても全く意味がないのだ。
だから、君たちは君たちの時間を過ごせば良い。誰のものでもない、君の人生は君自身のものなのだ。今という時間を無駄にしてはいけない。
大いに精神に栄養を蓄え、そして世の中に羽ばたいていけ。大人の勝手な理屈に惑わされるな。そのエネルギーを持て余す必要なんてない。大いに発散させて楽しめ。君たち若者が委縮し、年寄りは年金もらってテレビを観て、あぁだこうだと文句を言って安全に暮らしている……そんな世の中なんて絶対に間違っている。高齢者やマスコミなんて無視して自分の人生を謳歌してくれ。
若者たちよ、君たちには大いに期待している! がんばれ!