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ストーリーを描くための準備

物語を書くと一口に言っても、まず何をすればいいかわからない。
どんな準備をしたらいいのでしょうか。


ログライン(三行ストーリー)を書いてみよう

物語のあらすじを、

  • 誰が(主人公の属性)

  • 何をして(行動)

  • どうなった(結末)

の三行にまとめる書き方を、ログライン(三行ストーリー)と言います。
物語の案出しには、これを使いましょう。

要素を箇条書きにしてみよう

物語を構成する要素を箇条書きにしてみましょう。
とにかく思い付く単語を並べるのも良し、ひとつの要素から連想される単語を列挙するも良し。
とにかくたくさんの言葉を書き出してみましょう。ふせんなどで分けて置いておくのもいいかもしれません。
これからログラインを書いていくなかで、言葉を先に出しておくというのは、散らかったタンスの中を整頓しているのと同義です。
箇条書きにしたリストは見えやすいところに置いておきましょう。

ログラインに当てはめてみよう

ある程度単語を並べられたなら、それをログラインのテンプレートに当てはめてみましょう。
誰が、何をして、どうなったか。
簡単な形でもいいので、数を並べてみてください。
時には、パズルのように単語を組み替えてみるのもいいかもしれません。
その中から自分がしっくりくるものを選んで書き始めます。

主人公の属性を決めよう

登場人物の属性は、物語を語るうえで必要不可欠な設定です。
作中の世界観や人物同士の関係性を読者に伝える大きな要素になります。
決めるべき要素は以下の5つです。

  • 職業

  • 年齢

  • 性格

  • 個性

  • 信念

”個性”と”信念”の違い

一見同じように感じるこの2つは、似て非なるものです。
個性は、「人物をひとことで表現したもの」と言い表せます。
信念は、「人物の持つ一貫した考え方」と言い表せます。
例えば”無口”や”明るい”は個性と言えます。読者がその人物に感じる印象を入れると良いでしょう。
信念とは、人物本人が抱えている考え方となります。人物が起こす行動の裏には、必ず本人が持つひとつのロジックがあります。この人物が行動を起こすとき、それに至った理由を決めておくと、一貫したキャラクター性を確立できます。
人物は信念に基づいて行動し、その行動が他者に与える印象・個性になる。
この2つは相互関係にあるのです。

主人公の属性をまとめよう

上記の5つを決めたなら、1行にまとめてみましょう。
長ったらしく書き連ねるよりも、「○○な××が~」のように短めに収めると、この物語の芯をしっかりと支えることができます。

主人公の行動を決めよう

物語を進めるためには、無理やりにでも主人公を行動させなければなりません。人物が行動するために必要な要素は3つです。

  • 世界観

  • 外的課題

  • 内的課題

物語の世界観とは

物語の世界観とは、登場人物たちが動き回る舞台のことです。
登場人物たちが住んでいるのは、どんな時代なのか、どんな素材でできた建物に住んでいて、どんな道具を使っていて、どんな生活を送っているのか。登場人物の周辺ではどんな情勢になっているのか。危ういのか、安定しているのか。その世界の時代背景から、登場人物の着ている服の繊維に至るまで、その全てを総称して世界観と言います。

世界観の構築

世界観を構築する際に大切なことがあります。
それは、重要度を間違えないことです。
最も大切なのは時代背景です。その世界で過去に何が起き、現在ではどういった対応がなされているのか。何が必要とされるようになったのか。建物や道具は、その世界の住人たちからのニーズが無ければ存在しません。これをその物の存在意義と言います。
ケーキに例えるのがわかりやすいでしょう。

下地のスポンジが無ければ、上に乗っている具材やトッピングの居場所がなくなってしまいます。そして、建物や組織という大道具があるからこそ、道具などの小道具が引き立つわけです。

外的課題

外的課題とは、主人公が立ち向かわなくてはならない課題のうち、明確な目標や物理的に訪れる外的要因によってもたらされるもののことを指します。
大会の優勝、自然災害、生命の危機などがこれにあたります。
一般的な大衆文学では、外的課題に注力している作品が多いです。

内的課題

内的課題とは、主人公が立ち向かわなくてはならない課題のうち、心の内側に秘めた葛藤やコンプレックスを指します。
心の成長、人生の岐路においての選択、独白などがこれにあたります。
純文学と呼ばれる作品群では、内的課題、主に心情の変化を取り扱うケースが多いです。

外的課題と内的課題の配分

外的課題と内的課題の配分によって、読者が感じる物語の印象が変わってきます。物語の本質を伝えるためには、どちらの要素をちょうどよく織り交ぜていく必要があります。

主人公の結末を決めよう

物語を描く上で重要なことのひとつに、物語の一貫性があります。
物語の一貫性を生むために、主人公の結末を先に作っておくことも大切です。

物語の一貫性

なぜ物語に一貫性を生むことが重要なのか。それは、読者に物語の本質を伝えるためです。
その物語で伝えたいこと、読み取ってほしい本質を迷いなく読者に伝えるために、主人公の結末を先に決めておくというのは物語に一貫性を生む役割を果たします。
本文を書いている途中で要素が増えていったとき、伝えたいことを読者へ本質をそらさずに伝えるためには、物語の軸をブレさせないことが大切です。
先に結末を作っておけば、どんなに物語がブレたとしても軸そのものはブレません。
ブレない軸が、物語に一貫性を生むのです。

まとめ

物語を書くための下準備はこれで終わり、今回決めた要素をもとに、本文を書いていきます。
今回使わなかった案は、また違う作品のために取っておきましょう。


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